〜春を呼ぶ妖精たちの祝祭〜【完結】
夢小説設定
この章の夢小説設定ヒロイン≠ユウ
転生トリップ女性
男装している
オンボロ寮生
恋人未満
レオナのお世話係
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「アタシたちがサポートすれば、ファッションショーで主役になれること間違いなし!そうですよね?クルーウェル先生」
「もちろんだ、シェーンハイト」
「「はっはっは」」
「た、大変な2人がそろっちまった」
「ジャミル…てめぇ、自分がなにしたかわかってんのか…」
「俺だって、これは苦渋の決断です。トップモデルのヴィル先輩とファッションの鬼クルーウェル先生…そんな2人をコーチにしたら絶対にしごき倒される。…でも!俺たち素人がショーを成功させるには、2人の力を借りるしか道はない!!」
「さっすが深謀遠慮のスカラビア…目的達成のための手段の選ばなさ、すごいッス…」
確かに、2人にコーチとしてサポートしてもらうのが最善であろう。
「女王の…いえ、会場中の視線を釘付けにし、その間にティアラを奪う。名付けて《ティアラも視線も独り占め大作戦》絶対に成功させるわよ!!」
「…帰りてぇ」
「よし。ではまずは全員、衣装合わせだな」
「衣装合わせ?ショーに出ないオレたちもッスか?」
「潜入する際に、妖精に扮することは変わらないだろう?フォーマルな場にその薄汚れた毛並みのままうろつくのは、俺の仔犬にふさわしくない」
『なるほど!楽しみ〜!』
「喜べ。 会場の中で一番エキゾチックで一番美しい衣装を…この俺が!!見立ててやろう!」
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「どうだ?立派な毛並みの仔犬に見えるだろう」
「……流石だわ、クルーウェル先生」
感嘆の息をもらすヴィルは、出来上がった全員の衣装をザッと見て感想を述べる。
その姿は流石トップモデルとでも言うのだろうか、プロの目をしていた。
「あえて色味を抑えた衣装が、その者本来の美しさを引き出す様は、ストイックで、どこかミステリアス…未知への尽きぬ憧れ、それこそがエキゾチックなのね」
「ふっ。お前のようにファッションを理解できる者がいると話が早くて助かる」
感動と達成感と自信に満ち溢れた、満足気な2人をよそに、ジャミルやラギー、ユウはぐったりしている。
「数えきれないほどの布を当てられ、着ては脱ぎ、着ては脱ぎ…」
「特訓する前から疲れたッス」
「そうか?服を仕立てるときはいつもこんなもんだろ。なー、レオナ!」
「まあな」
「目が回るかと思った…」
『ユウくん大丈夫?』
「なまえは平気そうだね」
『うん!とっても楽しかったよ!お洋服仕立ててもらうなんて初めて!』
「そっか…」
「………」
衣装を仕立ててもらってご満悦ななまえの隣で、レオナは何か考えるようにじっと見つめていた。
『?どうしました?レオナさん…疲れちゃいました?』
「いや、…そういうのが好みなのか?」
『?このお衣装ですか?白だけど細やかな刺繍や透かしの柄がとても繊細で素敵ですよね!服の好みは特にないですが、動きやすくて皆さんのサポートがしやすそうです!』
「当たり前じゃない。ちゃんと役割に沿った衣装を誂えるに決まってるでしょ」
すかさずヴィルのツッコミが入ってしまった。
『流石です!レオナさんはランウェイに相応しく、とても華やかでオーラに負けない素敵なお衣装ですね!かっこいい…』
「ふーん、こういうのが好みか」
『白もとっても似合いますね』
ニコニコでご機嫌ななまえを、レオナがどういう目で見ているか…本人も気付いていないであろうその表情や空気を敏感に感じ取ったのは、恐らくユウだけではないだろうか。
「安心するのはまだ早い」
「着ている人間の所作が美しくなければ、シルクのシャツだってズタ袋に見える。ファッションショーで注目を集めるパフォーマンスをするためには…」
①美しいウォーキング
②美しいパフォーマンス
「この2つが不可欠!まずはウォーキングでアンタたちの実力を見せてちょうだい」
『なるほどぉ!』
「歩くだけだろ?寝ながらでも余裕だな」
「いざ意識して歩くとなると、勝手がわからなくなりそうだ」
「そんなに緊張するなよ。リラックスしてやろうぜ」
みんなの実力の見せ所である。
『頑張れ〜』と心の中で応援をしながら、ポムフィオーレ寮のボールルームの隅にユウとグリムと一緒に控えた。
キラキラの衣装合わせ
2020/06/12