〜春を呼ぶ妖精たちの祝祭〜【完結】
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この章の夢小説設定ヒロイン≠ユウ
転生トリップ女性
男装している
オンボロ寮生
恋人未満
レオナのお世話係
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作戦会議として、潜入メンバーと見張り役が集められ、ことの成行を説明された。
「カリム!!お前はどうして面倒ごとを安請け合いしてくるんだ!?そういう時は“一度持ち帰って検討します”と言えと教えただろ!」
「レオナさん!!オレを面倒ごとに巻き込まないでください!どうせ、面倒な事は全部オレに押し付けようって魂胆でしょ」
『私に出来ることがあればいいんですけど…』
詰め寄るジャミルとラギーの気持ちもわかるし、不満があるのもわかるが、決まってしまったことには仕方がないのであるが…
「でも、みんな困ってたみたいだし…オレたち全員で力を合わせればきっと大丈夫だよ」
「うるせえな…俺だってやりたかねぇよ」
「でも妖精の祭りだぜ?一度見てみたいと思わないか?」
「カリム、ことの重大さがわかってるのか?遊びに行くんじゃないんだぞ」
『え〜でも、ちょっと楽しみだなぁ…』
「オレを参加させたいなら、最低時給1,000マドルはバイト代出してください。話はそれからッス!」
拉致の開かない文句の嵐ではあるが、流石のグリムも
「みんな言い争ってて、めちゃくちゃなんだゾ」
「じゃあ、みんな仲良く留年ということで…」
「…!それは、困るな。カリムが留年すればアジーム家の名に傷がつく。王族と違って、アジーム家は商家。跡継ぎに怠惰のレッテルが貼られては困る」
「おい、テメェ聞こえてんぞ」
『今日のジャミルさん、荒れてますね…』
ユウくんのバッサリした性格と、ジャミルくんのキレッキレの嫌味が炸裂したところでみんな少しずつ腹を決め始めてきたようだ。
「……やれやれ。確かに、このままじゃ時間の無駄だな。どうせもう断れない。ユウの言う通り腹をくくって潜入した後の計画を立てよう」
「計画?ティアラを偽物とすり替えればいいんじゃなかったっけ」
「…はぁ、カリム。それは計画じゃなくて目標だ。ティアラは女王の頭の上に乗っているんだろう?どうやってすり替えるか、その手段を相談する」
「魔法を使って、そっと浮かせて取ればいいんじゃないか?」
「妖精は人間よりも魔法に敏感だ。マレウス先輩を見ていればわかるだろう?相手は妖精の郷の女王。魔法を使えばすぐにバレると思った方がいい」
「その通りだな」
「つか、魔法士が魔法使っちゃダメって…最初から詰んでる感あるッスねぇ」
そんなラギーの言葉に、レオナさんはニヤリと笑って、堂々と悪賢く信頼の言葉で宣った。
「ばーか。……だからお前がいるんだろ、ラギー」
「オレ?」
「テメェが、女王の頭に乗ってるティアラを偽物とすり替えるんだよ。…その手で、直接な」
「……ええええ!!!オレーー!?!?!?」
「それ、魔法よりバレそうじゃねぇか?」
「ラギーは器用で、“手癖が良い”からな。しかもティアラはジャケットの内ポケットにしまってあるわけじゃない。堂々と頭の上に置いてあるんだ。ちょろまかすのは簡単だろ?」
「それ、逆にめっちゃ難易度高いッスよ!」
「なるほど!だからレオナはジャックじゃなくてラギーにしようって言ったのか!あの1年生、でかくて目立つもんなあ。あっはっは!」
カリムくんって意外と色んなこと見てるんだな〜とか余計なことをなまえは考えていたが、ラギーさん任せなところがある様な…
「確かに、今回の計画にラギー以上の適任はいない。オレもレオナの案に賛成だ!」
「うええ〜…アンタら本気ッスかあ?」
『信頼されてるって事じゃないですか!凄いです。ラギーさん!』
「ふん。…おいラギー、ティアラをすり替えるのに何秒必要だ?」
「うーん…ティアラの大きさや環境をふまえると……15秒ってところッスかねえ」
「10秒だとよ」
「5秒少なくなってる!?」
「お前のことだ、どうせ余裕見て言ってんだろうが」
「ちぇ、お見通しか。でもその間は女王の意識を逸らしてもらわないと、流石にすり替えるのは厳しいッスよ」
ラギーさんとレオナさんが、連携して信頼しあって悪巧みを考えている姿が嬉しくて…なまえは終始ニコニコである。
「10秒か…安全、かつ自然に、フェアリーガラという会場で注意を引く方法…」
「なぁなぁ、フェアリーガラって春を祝うお祭りなんだよな?祭りといえば、パレードだ!女王が思わず夢中になるようなパレードをするのはどうだ?めいっぱい着飾って、珍しい動物や楽団をいっぱい引き連れてさ」
「出た〜、カリムくんの富豪発言。会場には5人しか入れないって言ってるじゃないスか」
「…いや、待てよ。案外いいアイデアかもしれない。フェアリーガラでは祝祭のメインイベントとしてファッションショーを行うんだろう?」
「おう!ランウェイの上じゃ、歌でも、ダンスでも、春を盛り上げるパフォーマンスならなんでもありらしいぜ!サムが言うには、そりゃあ豪華なショーだって。楽しそうだよな〜」
いつもなら却下したい様な案件ではあるが、提案としては的を得てるかもしれない。
有能なジャミルはピンと閃いた様にニヤリと笑った。
「それだな。俺とカリム、そしてレオナ先輩がファッションショーで会場中の注目を集める。それで女王の注意が逸れた隙に、ラギーとグリムとユウがティアラをすり替えるんだ」
『、あれ?私の出番は?』
「レオナ先輩の側仕えなんだろ?マネージャーかデザイナーかそのような立場て舞台傍に居ればいいだろ」
『雑だなぁ…』
「はあ?ちょっと待て、この俺に妖精のお遊戯会に出ろってのか?」
「10秒は以外と長い。ラギーの時間を稼ぐためには、全員で取り組むしかありません。グリムと監督役のユウがラギーのサポートにつく。俺たちは消去法でショーに出る」
尤もな意見である。
「…断ってもいいですよ。作戦が失敗したら一番困るのはレオナ先輩だと聞いていますが」
「ちっ、学園長め…余計な入れ知恵しやがって…」
『まあまあ、私、レオナさんがランウェイ歩くところ、見てみたいです!傍に居ますから!ね?』
「3人とも、頼みますよ?オレたちの成功は、アンタらにかかってんスからね!」
「みんなでファッションショーを成功させましょう!」
「チッ……こんなド素人の集まりでなにが出来るってんだ」
「…大丈夫です。俺に考えがあります」
そう言って少し部屋を開けたかと思うと、ジャミルは直ぐに帰ってきた。
「連れてきたぞ。俺たちが成功するための、秘密兵器だ!」
「このメンツでファッションショー?野菜の品評会の間違いじゃない?」
「仔犬ども躾の時間だぞ」
エキゾチック潜入会議
(てめえらは…!)
(ヴィル!)
{クルー ウェル先生!}
2020/06/12