〜春を呼ぶ妖精たちの祝祭〜【完結】
夢小説設定
この章の夢小説設定ヒロイン≠ユウ
転生トリップ女性
男装している
オンボロ寮生
恋人未満
レオナのお世話係
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ーーーメインストリート
「ラギー、テメェ結局へマ踏んでたじゃねえか」
「オレのせいじゃないッスよ。スコールなんて変にこだわった環境設定してる学園側に文句言ってほしいッス!!」
『皆さん、濡れた服は大丈夫ですか?ちゃんと拭きましたか?』
「大丈夫だよ」
『グリムもちゃんと拭いてね。風邪引いちゃうよ』
「もう乾いたんだゾ」
レオナと話したことによって気持ちに整理のついたなまえは、スッキリ終わることができそうだ。
「オレ様とラギーは、ファッションショーを見られなかったけど…どうせカリムとジャミルが頑張ったんだゾ。見なくてもわかる」
「いやいや、レオナはどの妖精よりも綺麗だったぜ!オレびっくりしたよ」
「またまたあ、フォローなんてしなくていいんッスよ。カリムくんってほんと優しいッスよねえ」
「なんだテメェらの態度は。助けてもらった恩を忘れたのか?」
「日頃の行いじゃないでしょうか」
「魔法石も取り戻せたし、これで学園も元通り。一件落着だな」
ホッとしたみんなで笑いあっていると、靴音が響いた 。
「アンタたち」
「この声は…」
「終わったわね」
「クルーウェル先生とヴィル先輩。随分タイミングがいいですね」
「シュラウドの作ったドローン中継で会場の様子は全て見ていた」
『ドローン?全然気付かなかった…』
「どうだったんだ?俺たちのショーは」
「…ふっ。合格よ。実力以上を発揮できたんじゃない?コーチのアタシに感謝しなさい」
「先生~~!!」
「だからなんなんッスか、この茶番は」
「まあ気持ちは少しわかる。レッスンはすごく大変だったからな」
「グッボーイなお前たちに…特別なご褒美を用意しているぞ」
「えっ、ご褒美!?なんッスか!?」
みんなの期待が高まる。
「俺の用意した、次の衣装だ!」
「次?次ってどういう…」
「中継を見ていて確信したわ。アタシのプロデュースしたこのチームなら、まだまだ上を狙える。パワーアップのためにラギーやグリム、ユウやなまえも加えて…次は、ツイステッドワンダーランドで一番大きなコレクションに出るわよ!!!」
「「「出るわけないだろッッッ!!」」」
「それにしても、カリムのパフォーマンスはなかなかだったわ。楽しんでいるのが伝わってきた。ちょっと細部は粗かったけど…ジャミルがうまくサポートしてた」
「だろ~!?オレたち息ぴったりなんだよ!あーあ!でも残念だなあ~~!!みんな、フェアリーガラ以外のファッションショーには出ないって言うし…」
「「(当たり前だろ…)」」
「これでもう、一緒にレッスンを受けることもなくなるのか。ちょっと寂しいよ」
「大変だったけど、楽しかったですね」
『確かに。とっても素敵なお衣装を仕立ててもらいましたしね!』
「まあ、回収されちまうッスけどね」
衣装あわせのタイミングで、ラギーの思惑は阻止されていた。
「さあ、早く学園長に報告を」
「ジャミル!」
「ん?」
「今日はありがとう。2人で遊んでた頃を思い出して、楽しかったぜ。また一緒に踊ろうな」
ジャミルは呆れたような、嬉しいような、複雑な感情が見え隠れする表情ではあったが、二人の空気感は穏やかなモノであるように感じた。
『レオナさん』
「ん?」
『一緒に写真撮りませんか?記念に…』
「ふっ、ああ。いいぜ」
スマホをかざすなまえの身長に合わせる様に屈んだレオナの顔がグッと近付いた。
微かに花の香りがするレオナにドキッとしたなまえは、緊張で手が震える。
「ふはっ!ガチガチじゃねえか」
『だっ、ちか、いい匂い…』
すり…
『うひっ!』
ゴロゴロと喉を鳴らすレオナに、なまえは真っ赤であたふたするしかない。
スマホを危うく取り落としそうになった。
『あ!!』
「どうした」
『動画でした…』
「はん、バカだな。貸せ」
『えっ、あっ、』
レオナに取り上げられたスマホをかざれ、間抜け顔のなまえが保存された。
そのまま何かを操作したレオナは、満足げに返した。
「これからも呼んだらすぐ来い」
『え?』
慌ててスマホを確認すると、ホーム画面に設定された写真と、レオナに送信された履歴が確認できた。
フェアリーガラ
(これにて完結)
END
おまけあり→
2020.07.01