〜春を呼ぶ妖精たちの祝祭〜【完結】
夢小説設定
この章の夢小説設定ヒロイン≠ユウ
転生トリップ女性
男装している
オンボロ寮生
恋人未満
レオナのお世話係
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---ドンドンドン
「レオナ!!鍵を開けなさい!」
「しつけえ奴らだ…」
『レオナさん…』
案の定、サバナクロー寮のレオナ部屋前まで乗り込んできたヴィルとルークとケイト。
「ふぁーあ。このまま昼寝でもするか…なまえ、こっち来い」
『えっ!この状況で寝るんですか!?』
「…早く来い」
渋々、言われた通りにベッドへ向かい、着ていた衣装がシワにならないように受け取り、ハンガーにかけて、ベッドの上に上がる。
なまえはマネージャー(?)なので、普段のお稽古中は動きやすい服を着て、妖精さんの衣装は部屋に飾ってある。
「…ん?みんなレオナさんの部屋の前で何してるんスか?」
「あ、ラギーくん。ちょっと困ったことになっちゃってさ〜…」
【かくかくしかじか】
「…なるほど。レオナさんが部屋に立てこもっちまったと…。レオナさん、いつも出窓の鍵は開けっぱなしッスよ」
「!?」
扉の前から不穏な会話が聞こえてきた。
レオナの耳は昼寝をしながらも、ピクピクと動いていたので、扉の前の会話を聞いていたみたいで…ラギーの裏切りでビクリと体が動いた。
「ありがとう、ムシュー・タンポポ!お邪魔するよ、レオナくん」
「布団をかぶって、なまえの膝ですやすやお休みなんて…ずいぶんといいご身分ね」
「ラギー…、テメェ…!!」グルル
「し、仕方ないじゃないッスか!レオナさんのせいでショーが失敗したら、ティアラをすり替えるオレが困るし」
「…アタシはね、中途半端が嫌いなの。やるからには完璧にやる。それが、美しき女王の奮励の精神に基づく、ポムフィオーレの矜持よ!!」
---バサァ!!
「ちっ、布団を剥ぐな!!俺がわざわざ手伝ってやったっつーのに、いちいち文句つけやがって…。一度はお前らの指示に従ったぜ。なのに少しも先に進まねえじゃねぇか」
「「それは…」」
「これ以上無駄な努力をするのはごめんだ。寝る」
---バサアッ!!
「……、!!」
「あーあ、完全に布団に丸まっちゃったよ。こりゃ暫く起きないッスねぇ」
「どーしよっか。レオナくんがこの調子じゃ、もうポーズなんて…」
「ふふ…」
「ん?」
「ふふ…ふふふっ!キタわ!インスピレーション!!」
「え!?」
「どういうことだい?」
「ふふ、当日まで秘密よ。レオナ、覚悟してなさい。行くわよ2人とも」
ハテナを飛ばす2人を連れて、ヴィルは満足そうに帰っていった。
よくわからないが、ラギーも怒られないようにそっと部屋を後にした。
『レオナさん、いいんですか?これで』
「……ほっとけ」
『思い付いたポージングは、当日に教えてくださるんですかね?』
「どうでもいい。もう黙ってろ」
『…はぁい。おやすみなさい、レオナさん』
そう言って、サラリとレオナの髪を撫ぜて耳にそっと触れる。
ピルルッと耳が動いてくすぐったそうにしたが、尻尾で窘められることも無く、レオナはスっと眠りに落ちた。
おやすみ3秒である。
レオナが寝ているのをいい事に、なまえはそっと鼻歌を歌い始めた。
When you wish upon a star
(星に願いをかけるとき)
Makes no difference who you are
(あなたが誰であるかなんて関係ない)
Anything your heart desires
(心を込めて望むなら)
Will come to you…
(願いはきっと叶うでしょう…)
If your heart is in your dream
(あなたの心に夢があるなら)
No request is too extreme
(どんなに大きな夢でもいい)
When you wish upon a star
(夢見る人がするように)
As dreamers do
(星に願いをかければいい)
Fate is kind
(運命の女神は優しく)
She brings to those to love
(愛のある人に届けてくれる)
The sweet fulfillment of
(みんなの密かな願いを)
Their secret longing
(素敵に叶えてくれる)
Like a bolt out of the blue
(女神は稲妻のように突然やってきて)
Fate steps in and sees you through
(あなたを見守ってれる)
When you wish upon a star
(星に願いをかけるとき)
Your dreams come true…
(あなたの夢はきっと叶うでしょう…)
意訳✩.*˚Cliff Edwards(参考)
---
ゆっくりと子守唄のように、優しく静かに語りかけるように、なまえにとっては独り言のように、そっと歌った歌を、レオナは静かに聞いていた。
「おい、その歌どこで覚えた」
『ふぁ!?お、起きてたんですか!?』
「その教養はどこで身につけた」
『えっと、これは…その、…』
前の世界で知っていたとは言い難い。
この事情は、学園長とユウくんとの秘密なのだ。
どうしたものかと考え、なまえは苦しい言い訳をする羽目になる。
『今は…まだ、答えられません。いつか、お話出来る時が来たら、お話させてください』
「……わかった」
不服そうな顔をしてはいたが、レオナは何かを感じ取ったのか、深くは聞いてこなかった。
「他にも歌えるのか?」
『私の音痴で良ければ、他にもいくつか』
「悪くない。今度他も聞かせろ」
『…ふふ、ありがとうございます』
前途多難な前夜
{フェアリーガラが成功しますように}
2020.06.29
※Dズニver.の歌詞はこちらです↓
『星に願いを』
輝く星に 心の夢を
祈ればいつか叶うでしょう
きらきら星は 不思議な力
あなたの夢を満たすでしょう
人は誰もひとり 哀しい夜を過ごしてる
星に祈れば 寂しい日々を
光照らしてくれるでしょう