〜春を呼ぶ妖精たちの祝祭〜【完結】
夢小説設定
この章の夢小説設定ヒロイン≠ユウ
転生トリップ女性
男装している
オンボロ寮生
恋人未満
レオナのお世話係
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ある日突然、学園中が異常事態に襲われた。
「学園長!探したぜ。学園の様子がおかしい。いつもなら暖かいスカラビアに大雪が降ってるんだ」
「雪かきをしてなんとか寮を脱出したら、今度は鏡舎がオーブンみたいに暑いんです」
「アジームくん、バイパーくん」
この異常事態の原因を突き止める為、神出鬼没な学園長を探していた2人は、やっと彼を見つけ問い質した。
「君たちのところもですか?学園長室の温度もおかしいんです。もう羽根が凍るほど寒くて…学園内の温度調整は、妖精たちにお願いしています。学園が保持する貴重な魔法石から魔力を供給してね!もしや…何者かがその魔法石にいたずらをしたのかもしれません」
「じゃあ、すぐに見に行ってみようぜ!」
案内されるように着いて行ったここは…
「貴重な魔法石は、鏡の間に保管されているんですか?」
「はい。ここは私の許可なしに入室することは禁止……ん?」
「!!!!!????」
「ない……ない!!!!!妖精に魔力を供給していた、大切な魔法石が!!なくなっている!!!」
「「ええー!!」」
「バイパーくん、各寮長を学園長室に集めてください!至急、寮長会議を開きます!」
【学園長室】
---ヒュオオオオ
「寒ィッ!なんだこの部屋は…!」
「ああ、助かりました。オクタヴィネルは朝から暑くて暑くて。干あがる寸前でしたよ」
「イグニハイドはサウナ状態ですぞ!パソコンがダメになったらどうしてくれるんだ!至急改善を要求する!」
「みなさん、お静かに!お気付きのように、今、学園中の施設の温度調整ができなくなっています」
学園長は、不満を訴える各寮長の顔をゆっくり見渡して、さも深刻そうに話し出した。
「原因は、妖精たちに魔力を供給していた魔法石の消失です」
「さっき学園長が”なくなってる!”って騒いでいたやつか」
「はい…。学園の施設内で四季を通して快適に過ごせるのは火の妖精をはじめ、水の妖精や風の妖精…さまざまな妖精たちの魔法のおかげです。あの魔法石がなくては、妖精たちに魔力を供給できず、学園内の空調を制御できません。だから鏡の間で、大切に大切に保管していたのに…誰かが盗んだに違いありません!なんてバチあたりな!!」
嘆き、興奮したように語った学園長の説明を受け、それとは対象的に冷静な声が響く。
「盗まれたのは”妖精が好む質の魔力を供給する”魔法石…ということですよね」
「ならば、まず疑うべきは”妖精”では?…、そう言えば、私たちの中にも妖精がいましたね。非常に大きなサイズの」
「…随分と含みのある物言いだな、アーシェグロット。茨の谷の次期当主たる僕が、こそ泥の真似事をするとでも?」
「いえ、まさか。お気に障ったなら失礼」
「つか、マレウス氏は魔法石から供給されるショボい魔力なんてプラスないでしょ。MPゲージ自動回復付きのチートキャラみたいなもんなんだからさ」
「そうそう。ここにいる誰もマレウスが犯人だなんて思ってないよ。ただ、もしなにか知ってるんだったら教えてほしいんだ。妖精に関して思いつくこととか、なにかないか?」
珍しく集まりにちゃんと呼ばれたマレウスに、疑問や驚きを抱く者は何人いただろうか。
「…そう言えば、昨夜散歩をしている時、このあたりではあまり見かけない妖精の姿を見た。木の葉に身を包んだ、手のひらほどの大きさの妖精だ。2人がかりで、虹色の石を重そうに運んでいたが…」
「虹色の石!?それは、なくなった魔法石に違いありません!!ドラコニアくん、その妖精たちはどこに向かっていましたか!?」
「植物園のほうだったかな」
「みなさん、至急植物園に行きましょう!」
異常事態発生!
(至急犯人を捕まえよ)
2020/06/10