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幽霊イコールどうしようもないもの













「…生きて、る?」
「うーん、やっぱりオレ不死身!けど、痛いもんは痛い!」
「…動けぬのじゃ」

 上体を起こして周囲を見渡すFB。どうやら現時点で動けるのは彼だけで、きっくんは脇腹、あろまは肩、FBは太腿と、それぞれ撃たれた。

 処置をすればなんとかなると、FBは足を引きずって救急箱を取り出す。

「いででで」
「うっわめっちゃ痛いんだな。銃で撃たれるって」
「しかも当時の現役軍人さんはこれの数十倍体験してるわけだ。この時代に生まれてよかったぁ」

 下手したら頸動脈を撃たれていたあろまを先に応急処置をして(ボロがあったのかとても罵倒を浴びせられた)、きっくんにもあろまからアドバイスをもらいながら応急処置を施す。

 救急車も、警察も呼ばなかった。

「ところでさ、嫌な予感がするんだけど」
「わぁきっくんと意見が合うなんて。俺もそう思ってたんですよねぇ」
「けれども奥さん、私たち今動けない状況よねぇ」
「そうねぇ。追いかけたいのだけれど、痛みに耐えながらっていうのはねぇ」
「いや俺が行けばいいって言えよ!」
「マジレスすんなよ!」
「そんなこと言う暇があったらはよ行けデブ」
「辛辣!行ってくるよ!」

 荒療治で済ませた傷口から血が滲んできているが、構っていられない。

 あんなことを行っていたが、本当は心から心配している二人に振り返らず、痛みを堪えながら走り出した。







「……あれ?」
「どうしたきっくん」
「銃がない」
「…………は?」


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