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幽霊イコールどうしようもないもの


「……朝?」


 目覚めがとても悪い。

 久々に、本当に久々に日の光を浴びようとしたら生憎の曇り空で。しかもまだ日が昇ってないのではと錯覚するほどに暗くて。

 でも今日はきっくんの家に遊びに行く予定なのだ。

 スマホをタップして休日の7時にしては随分珍しいきっくんからの通知を開く。

 予定を確認し合って、きっくんから一言。

『今日お前の他にもえおえおくるから』

 今は散歩(という名の遠出)をしていてしばらく会えないあの般若を思い出して、心からのざまぁを心の中で全力でする。届かないのだ。
声にして言ってはないのだから。

 しかしえおえおも誘うとは。急な予定変更である。別に、支障というのはないが。

 単に人数が多い方が楽しいのか、それとも最近様子がおかしいえおえおを心配してなのか。

 どちらでもありそうだが、どちらでもないような気がする。きっくんは人をよく見るが、たまに出る適当さが傷なのだ。

 まあいいか。簡単に片付けて、複数人で出来そうなゲームをバッグに詰め込んで、文鎮のような重い黒雲の空の下に飛び出した。
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