幽霊イコールどうしようもないもの
「……FB」
「……ん?」
「前言ってた前世の話、おれ信じるわ」
「うぇえ?、本当?」
「マジマジ。とりあえず、今はきっくん達が心配だから、戻るか」
「んーだったら、俺を背負ってくだせーな」
「なぁんで」
「痛い足引きずってこっちまで走って来たんじゃボケェ!お前の命救ったんだよ!」
「あーはいはい。おれも疲れたんだけどなー」
「なんで早めに言わなかったん?」
「外国人さんだったから」
「おま……」
涙引っ込んだわー返せーと批判の声が聞こえるが、無視してFBを背負う。
愚痴愚痴と背中から聞こえるが、呪詛を唱えられるよりは全然ましだ。
駅員さんに不思議がられたけど、急いできっくん家に行く。FBも急かしていることだし。
心が軽くなって、少し足早に歩く。
「ただいま」
「お、えおえおだぁ!」
「お前のせいで動けないだろーがどうしてくれるぅ」
「ふふ、さーせん」
「ごめんで済んだら警察はいrぁないんだよ!」
「揺れるなFB。はよ降りろ」
「えぇー……」
家に着いて、FBを下ろしたあとどっと疲れが出てすぐに寝てしまった。
「おつかれ」
「今日はお泊まりパーリーかい!?」
「うるせぇハゲ。大の大人が何やってんだっつー話だけど、いいんじゃない」
騒がしいあいつらの声をBGMに、ようやく心地良い眠りについた。
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