Sin - 罪 -
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「若様が寵愛する姫君はどれほどの美人ざます?」
「ごめんなさい、ジョーラ。若様にはしゃべるなと言われているの」
廊下で権兵衛のことをしつこくモネに聞く俺の仲間、ジョーラ。あいつが目を付けたら最後、相手がどれだけ逃げようと答えを得るまで追いかけまわす。
そろそろ潮時か、と部屋へ帰る足を重くしながらこれから権兵衛のことをどうしようかと考えた。
「寵愛、か。そりゃそうだ、何せヴェルゴにまで隠してんだからなあ」
特にいい案が思い浮かぶことなくたどり着いた自室で眠る権兵衛を思い浮かべると、自然に口角が上がるほど俺はあの女に惚れていた。
「あ?」
何時ものように権兵衛のうなじに顔を埋め、違和感に気づく。
微かな血の匂い。こんな匂いを常日頃身に纏う奴はこの世に一人しか俺は知らねえ。
俺の部下であるデリンジャーだ。
しかし俺の部屋は誰一人として、例え家族でも入室を許してねえ。
「……フッフッフッフッフッ!あいつも隅に置けねぇな」
返事がないことに心配して入ったのか、又は女に興味をもって入ったのか。どちらにしろ、デリンジャーは権兵衛を見た。
……誰の目にも触れされるつもりはなかったが、惚れないと限らない。
権兵衛もそろそろ自分の立場を分かってもらわねえと困るからな。
いい機会だ、ジョーラの望むように権兵衛を見せてやる。
「楽しい宴の準備だ……!」
服に宝石、あれやこれや考えて止めた。
権兵衛にそんなゴテゴテしたもんは必要ねえ。
多少の化粧で化けるはずだ。
「……っ」
少し頬を撫でれば笑って擦り寄る。
漸く懐いてくれた安心感を手放そうとしているのは、権兵衛が離れるなどの心配が微塵もないことの表れ。
「何、誰かが奪おうものなら誰だろうと殺すまで。俺から逃げるなら……フフフフフッそんな無謀なこと、権兵衛がするわけねえさ」
一人、胸の奥底に眠るある感情を殺し笑った。
「……にしても気に入らねえな」
一度気づけば嫌でも香る匂い。
呟くが早いか立ち上がりが早いか。俺は風呂場へ向かい、湯船に湯を張っていた。
「おい、起きろ」
身体を優しく揺すろうが、頬を軽く叩こうが意識が浮上することはない。
仕方なく、そっと姫様抱きで風呂場まで向かうが、問題が一つ。
「……裸か」
あの夜以来、見ることを避けた裸が自らの手で暴かれる。それが堪らなく興奮を呼び、嫌でも立つ己の息子。
匂いを消し去ろうとした行為が仇となり、唸る俺の胸に権兵衛が温もりを求めて擦り寄った。
「……んぅ」
触れるだけのキスは止まるはずもなく、段々と深くなり権兵衛が目を覚ましたのは言うまでもない。
「……」
俺と権兵衛を繋ぐ銀の糸、蕩けた瞳。全てが俺を誘う。
「さっさと起きねえと襲っちまうぜ?」
わざと挑発すれば顔を赤くする権兵衛。でもそれだけ。
疑問に思っていると、不意に俺の胸へと再度顔を寄せ小さく消え入りそうな声で権兵衛は言った。
「いい、ですよ」
脱衣所という事も忘れ、権兵衛を求めた。
途中、何度か許して。と聞こえた気もするが受け入れることなく今までの欲を吐き出し、見下ろせば全身を痙攣させ目を開けたまま気を失っている権兵衛。太ももには微かに血の後。
処女だったのかと頭の片隅で考えるがそこに深く反省することはなく、ただやり過ぎた、一人突っ走り過ぎた。そこばかりが頭の中をグルグルと回った。
ここまで来た時以上に優しく抱き締め今度こそ風呂場へ入る。
権兵衛の声すら覚えてないことを酷く悔やみながら優しく洗い、自身の力が抜けることも気にせず浴槽へ入った。
「……気づいたか」
「……っ」
あからさまに肩をビクつかせる姿にすら欲情する自分は狂ってると思うのに、手放す気がないからその自覚すら無意味。
逃げるなら逃げればいい。俺には逃がす気が毛頭ないがな。
「……すみません。気を失ってしまいました」
「……っ」
無理した笑顔に今度は俺が言葉を失わされる。
逃げる気も、逃がす気もない。お互いの関係性が些か歪んできている自覚はあったが、ここまで来ると笑えてくる。
「今日からお前を自由にする」
「……」
「だが、外へ逃げようものなら……わかるよな?」
「はい」
「……お前は笑って俺のそばにいればいい」
頭を撫で、そう言ってやれば緩やかに肩の力が抜かれていく。
「そろそろ出るが、一緒に出るか?」
「いっいえ!後で出るのでお先にどうぞ!」
「フッフッフッフッフッ!……権兵衛のそういうところ、嫌いじゃねえ」
去り際に落としたキスに頬を赤く染め、目を反らす。一連の行動全てが愛おしかった。
「ごめんなさい、ジョーラ。若様にはしゃべるなと言われているの」
廊下で権兵衛のことをしつこくモネに聞く俺の仲間、ジョーラ。あいつが目を付けたら最後、相手がどれだけ逃げようと答えを得るまで追いかけまわす。
そろそろ潮時か、と部屋へ帰る足を重くしながらこれから権兵衛のことをどうしようかと考えた。
「寵愛、か。そりゃそうだ、何せヴェルゴにまで隠してんだからなあ」
特にいい案が思い浮かぶことなくたどり着いた自室で眠る権兵衛を思い浮かべると、自然に口角が上がるほど俺はあの女に惚れていた。
「あ?」
何時ものように権兵衛のうなじに顔を埋め、違和感に気づく。
微かな血の匂い。こんな匂いを常日頃身に纏う奴はこの世に一人しか俺は知らねえ。
俺の部下であるデリンジャーだ。
しかし俺の部屋は誰一人として、例え家族でも入室を許してねえ。
「……フッフッフッフッフッ!あいつも隅に置けねぇな」
返事がないことに心配して入ったのか、又は女に興味をもって入ったのか。どちらにしろ、デリンジャーは権兵衛を見た。
……誰の目にも触れされるつもりはなかったが、惚れないと限らない。
権兵衛もそろそろ自分の立場を分かってもらわねえと困るからな。
いい機会だ、ジョーラの望むように権兵衛を見せてやる。
「楽しい宴の準備だ……!」
服に宝石、あれやこれや考えて止めた。
権兵衛にそんなゴテゴテしたもんは必要ねえ。
多少の化粧で化けるはずだ。
「……っ」
少し頬を撫でれば笑って擦り寄る。
漸く懐いてくれた安心感を手放そうとしているのは、権兵衛が離れるなどの心配が微塵もないことの表れ。
「何、誰かが奪おうものなら誰だろうと殺すまで。俺から逃げるなら……フフフフフッそんな無謀なこと、権兵衛がするわけねえさ」
一人、胸の奥底に眠るある感情を殺し笑った。
「……にしても気に入らねえな」
一度気づけば嫌でも香る匂い。
呟くが早いか立ち上がりが早いか。俺は風呂場へ向かい、湯船に湯を張っていた。
「おい、起きろ」
身体を優しく揺すろうが、頬を軽く叩こうが意識が浮上することはない。
仕方なく、そっと姫様抱きで風呂場まで向かうが、問題が一つ。
「……裸か」
あの夜以来、見ることを避けた裸が自らの手で暴かれる。それが堪らなく興奮を呼び、嫌でも立つ己の息子。
匂いを消し去ろうとした行為が仇となり、唸る俺の胸に権兵衛が温もりを求めて擦り寄った。
「……んぅ」
触れるだけのキスは止まるはずもなく、段々と深くなり権兵衛が目を覚ましたのは言うまでもない。
「……」
俺と権兵衛を繋ぐ銀の糸、蕩けた瞳。全てが俺を誘う。
「さっさと起きねえと襲っちまうぜ?」
わざと挑発すれば顔を赤くする権兵衛。でもそれだけ。
疑問に思っていると、不意に俺の胸へと再度顔を寄せ小さく消え入りそうな声で権兵衛は言った。
「いい、ですよ」
脱衣所という事も忘れ、権兵衛を求めた。
途中、何度か許して。と聞こえた気もするが受け入れることなく今までの欲を吐き出し、見下ろせば全身を痙攣させ目を開けたまま気を失っている権兵衛。太ももには微かに血の後。
処女だったのかと頭の片隅で考えるがそこに深く反省することはなく、ただやり過ぎた、一人突っ走り過ぎた。そこばかりが頭の中をグルグルと回った。
ここまで来た時以上に優しく抱き締め今度こそ風呂場へ入る。
権兵衛の声すら覚えてないことを酷く悔やみながら優しく洗い、自身の力が抜けることも気にせず浴槽へ入った。
「……気づいたか」
「……っ」
あからさまに肩をビクつかせる姿にすら欲情する自分は狂ってると思うのに、手放す気がないからその自覚すら無意味。
逃げるなら逃げればいい。俺には逃がす気が毛頭ないがな。
「……すみません。気を失ってしまいました」
「……っ」
無理した笑顔に今度は俺が言葉を失わされる。
逃げる気も、逃がす気もない。お互いの関係性が些か歪んできている自覚はあったが、ここまで来ると笑えてくる。
「今日からお前を自由にする」
「……」
「だが、外へ逃げようものなら……わかるよな?」
「はい」
「……お前は笑って俺のそばにいればいい」
頭を撫で、そう言ってやれば緩やかに肩の力が抜かれていく。
「そろそろ出るが、一緒に出るか?」
「いっいえ!後で出るのでお先にどうぞ!」
「フッフッフッフッフッ!……権兵衛のそういうところ、嫌いじゃねえ」
去り際に落としたキスに頬を赤く染め、目を反らす。一連の行動全てが愛おしかった。