Sin - 罪 -
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王宮内でドフィの新しい彼女を見なくなって2ヶ月が経とうとしたころ、不意にモネに呼ばれた。何でもドフィの部屋に行ってきてほしい、それだけの用事だという。当然信じられるわけもなく、真実を覗き込めば彼女の居場所が分かり、モネの魂胆もわかった。ちょっとした私への嫌がらせ。
……貴女はとことん巻き込まれ体質のようね。こんなどうしようもない愛憎劇に巻き込まれ、果てには破滅しかないのに、それでもドフィを助けたいだなんて。馬鹿な人。
「貴女に聞けばドフラミンゴさんを助ける方法を教えてくれるとモネさんに聞きました。だから……教えてくださいヴァイオレットさん」
「……」
何も知らない貴女に少しの真実を見せようとここまで来たのに、彼女の心中を覗き込み私は驚いた。彼女は全てを悟った上で少しでもドフィが休めるように、それだけに勤めている。
何も知らないのに、そんな覚悟ができてしまうくらいドフィを愛してるというの?
「本当に、馬鹿な人ね。ドフィに出会わなければもっといい人が現れたというのに。……いいわ、どうやってドフィが今のような不安定な情緒を抜け出せたのか、教えてあげる。貴女、いえ権兵衛ならこの壁を乗り越えられるってわかったから」
全てを話すのに一時間もいらない。必要なことを、順序も間違えず全て話し終え改めて権兵衛を見る。何とも言えないような顔をして私を見ているけど、心にはドフィを"捨てる"の3文字がないことに安心した。だって、ドフィの情緒を安定させたのは権兵衛なんですもの。
私はもはや過去の女、未練はあるけど結ばれてはいけない巡り合せの間柄だから、少しでも相手の幸せを望むのが私のできるせめてもの愛し方。
「……私が牙を剥いてからのドフィは今と同じ状況に陥ったわ。でも止めたのは私じゃなくて権兵衛よ」
「……え?」
「ドフィの愛の矛先が権兵衛へ向いたのよ」
不安気に歪んでいく眉に慌てて私にはもうドフィへの愛がないことを伝えても中々受け入れず黙って見つめる瞳は、知らないからこそ見えるものがあるんだと言われているような、そんな瞳に見えた。
「確かに未練はある。でも先に言った通り愛し合うことはもうできないから、愛し方を変えたの。だから私は大丈夫。寂しくないわ」
笑って伝えれば何も謝ることなんてないのに、泣きながら謝るほど純粋な権兵衛にこのまま終わらせるのは勿体ないって思った。いまだに泣き続ける権兵衛の傍に駆け寄り、逃げ道を私の能力で見せる。この国の崩壊の時、使うか使わないかは権兵衛次第でも知っているのと知らないのとでは大きく変わってくるから。このタイミングでドフィに出会ってくれて、ありがとう。
部屋を出ればやはりドフィが外で待っていて、思わず笑ってしまった私をドフィも笑って近づいてくる。
「泣きすぎて疲れたのね。今は眠っているわ」
「そうか」
「怒らないのね。私が勝手に部屋へ入ったこと」
「フッフッフッ!俺が怒れる立場じゃないって知っていて聞くとは随分と肝が据わったなあ?ヴァイオレット」
少しの仕返しよ。そう言ってドフィの前を通り過ぎいつもの日常へと帰っていく。これでもうドフィへ関わる全てを断ち切れた。あとは訪れる反乱の日を大人しく待つだけ。それまで、少しでも幸せであることを心から願っているわ。
……貴女はとことん巻き込まれ体質のようね。こんなどうしようもない愛憎劇に巻き込まれ、果てには破滅しかないのに、それでもドフィを助けたいだなんて。馬鹿な人。
「貴女に聞けばドフラミンゴさんを助ける方法を教えてくれるとモネさんに聞きました。だから……教えてくださいヴァイオレットさん」
「……」
何も知らない貴女に少しの真実を見せようとここまで来たのに、彼女の心中を覗き込み私は驚いた。彼女は全てを悟った上で少しでもドフィが休めるように、それだけに勤めている。
何も知らないのに、そんな覚悟ができてしまうくらいドフィを愛してるというの?
「本当に、馬鹿な人ね。ドフィに出会わなければもっといい人が現れたというのに。……いいわ、どうやってドフィが今のような不安定な情緒を抜け出せたのか、教えてあげる。貴女、いえ権兵衛ならこの壁を乗り越えられるってわかったから」
全てを話すのに一時間もいらない。必要なことを、順序も間違えず全て話し終え改めて権兵衛を見る。何とも言えないような顔をして私を見ているけど、心にはドフィを"捨てる"の3文字がないことに安心した。だって、ドフィの情緒を安定させたのは権兵衛なんですもの。
私はもはや過去の女、未練はあるけど結ばれてはいけない巡り合せの間柄だから、少しでも相手の幸せを望むのが私のできるせめてもの愛し方。
「……私が牙を剥いてからのドフィは今と同じ状況に陥ったわ。でも止めたのは私じゃなくて権兵衛よ」
「……え?」
「ドフィの愛の矛先が権兵衛へ向いたのよ」
不安気に歪んでいく眉に慌てて私にはもうドフィへの愛がないことを伝えても中々受け入れず黙って見つめる瞳は、知らないからこそ見えるものがあるんだと言われているような、そんな瞳に見えた。
「確かに未練はある。でも先に言った通り愛し合うことはもうできないから、愛し方を変えたの。だから私は大丈夫。寂しくないわ」
笑って伝えれば何も謝ることなんてないのに、泣きながら謝るほど純粋な権兵衛にこのまま終わらせるのは勿体ないって思った。いまだに泣き続ける権兵衛の傍に駆け寄り、逃げ道を私の能力で見せる。この国の崩壊の時、使うか使わないかは権兵衛次第でも知っているのと知らないのとでは大きく変わってくるから。このタイミングでドフィに出会ってくれて、ありがとう。
部屋を出ればやはりドフィが外で待っていて、思わず笑ってしまった私をドフィも笑って近づいてくる。
「泣きすぎて疲れたのね。今は眠っているわ」
「そうか」
「怒らないのね。私が勝手に部屋へ入ったこと」
「フッフッフッ!俺が怒れる立場じゃないって知っていて聞くとは随分と肝が据わったなあ?ヴァイオレット」
少しの仕返しよ。そう言ってドフィの前を通り過ぎいつもの日常へと帰っていく。これでもうドフィへ関わる全てを断ち切れた。あとは訪れる反乱の日を大人しく待つだけ。それまで、少しでも幸せであることを心から願っているわ。