「私はおついちさんの光を、守りたい」

いつもは自信に満ち溢れ、僕の心を掴んで離さない君の澄んだ瞳が、今日は不安を宿す。
僕にとって権兵衛がいることが充分な光なのに。


「……反応に困ることしない」

「ごめんなさい」


しょぼーん。なんて、効果音がつきそうなくら落ち込む姿が可愛くて、思わずにやけてくる顔を隠すように風呂から上がる。


「ずっるいよなぁ」


ブツブツと、身体を拭きながら権兵衛の可愛いところや好きなところをあげていく。
最近は無意識にやってるときもあって、兄者につっこまれた日にはその日の酒の肴になるほど弄られるからかなり恥ずかしいんだけどね。これをやると不思議と落ち着く。


「もう出たー？」

「……」


ここはあえて返事をしないことでさらに可愛い権兵衛が見られることは想定内。息を殺して出てくるのを待つ。


「っでうわぁぁぁあああ！！！」


僕と一緒でビビりなところとか、タオルを胸で押さえるからってめちゃめちゃ弱く僕を殴るところとかがまた可愛い。そんな姿を余すことなす見ていると、権兵衛が顔を真っ赤にしながら、早く出てってよ！って、目に涙をためて怒るから、その涙を自身の指で拭って漸く出ていく。


「あー、目に入れても痛くねえってこういうことかねえ」


扉越し、権兵衛にも聞こえるように呟く一言。それに対して、ばか。とか。

可愛すぎでしょ、僕の彼女。


「ベッドで待ってるね」


それだけを言い残して僕は、部屋を移動した。