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中途半端

「……ま~くん、どっか怪我とか、した?」
「へ?」
「なんか血の臭いするからさあ。お腹すいちゃった。怪我してるなら歯立てなくてもそこから拝借すればいいよねえ」
む、とま~くんが眉を寄せる。
「怪我なんて最近してないはずなんだけどなあ……」
凛月の勘違いじゃないの、とま~くん。
おかしいなあ、たしかに食欲をそそられる匂いがするのだけど。
「もーいーから凛月起きろって……」
そう言いながらしゃがみ込む。
あれ? いつもなら問答無用で布団を引っぱがしたり服を脱がしたりしてくるのに。
ま~くんはしゃがんだまま、目をこちらに向けることなく、ひたすら早くしろ、と言い続けている。
「ま~くん体調悪い……?」
「お腹痛い、だけ。時間経てばなんとかなるから」
いいからさっさと支度しろ、と続ける。



「……ま~くんはいつになったらブラジャー付けてくれるの……?」
そう呟くと、ま~くんはぴたりと固まり、ゆっくりと顔をこちらに向け、顔を赤くさせた。
「なっ……」
ばっ、と胸元を隠すように腕を組む。
「いきなり、なに、なんなの……」
いきなりなんなの、と言われても。
どこまで正直に言っていいのだろう。
「……学校はまだ冬服で厚着だからいいけどさあ、まーくんうち来たらTシャツ一枚でしょ?」
「ああ、うん、そうだな?」
「乳首、たまに形が透けてるから」
ずさ、と後ずさってこっちを睨み付けてくる。
「先に言ってくれよ!」
「いやだってセクハラじゃん……」
「何回も見たってことだろ?」
まあ、そうだけど。
「ほら、そろそろ夏服の時期でしょ……? 俺はともかく学校中に見られるのはまずいじゃん」
「凛月もダメだろ! えーまって恥ずかしい帰る」
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