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中途半端

月永レオを探すのが得意も何も、この体の導くままに、月永レオの存在を追って歩いていたら、その先には必ず当人が居るのだ。
視界に入れたとたん、どくどくと心臓が騒ぎ出す。指先が熱い。
ああ、やっぱりこの人は葦牙なのだ。ただ葦牙機関を保有しているというだけではなく、私の、運命の。
(でもまだ羽化するわけにはいきません)
(Leaderを巻き込むわけにはいきませんから)
「Leader! 今日はLessonの、」
突然、膝から力が抜けた。なんとか、頭を床に打ちつけることだけは回避して。
そして、意識はぷつりと。


Leader、と頭の中で響く声。
「・・・・・・ああもう、せっかく湧いた霊感が!!」
こんな呼び方はスオ~しかしない。ばっと振り向くと、スオ~が荒い息を吐いて、胸元を押さえて倒れていた。
「ス、オ~・・・・・・?」
一体、いつから。
息はしてる、から最悪のことはないだろう、たぶん。
こういうのって揺すって良いんだっけ? っていうかそもそもなに、過呼吸?
「りー、だー」



いつだか、私の知っている宇宙人の話をしましょうか、と言われたことがあった。
昔、この地球に、八隻の宇宙船が落ちてきて、地球の歴史の影に存在し続けて。そして最後の一隻が現代になって。
スオ~にしてはよく出来た話だ、と思った記憶がある。
だって妙に現実的で夢がない。八隻だとか百八羽だとかセキレイだとか葦牙だとか。
昔読んだ物語の話か、と返した気がする。それをどう返されたのかは覚えていないのだけれど。
でも確かに見たのだ。確かに聞いたのだ。光の羽、葦牙という単語、幾、久しく、そして今朱桜司の襟から覗く、赤い、鳥のような、羽のようなマーク。
あれは既存の物語どころではなく、今を生きる朱桜司の物語だったのだ。
ほかにどのようなことを話していただろうか、と思い出そうとするも新しく思い出せることはなかった。自分の記憶力が恨めしい。
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