中途半端
セキレイパロ薫奏※後天性女体化
もともと、能力の都合上不安定な体ではあった。風呂に入っていたら腕が消えていたり、ちょっと気を抜いたら指の数が減ってたりだなんてのも良くある事故だった。しかし、こんなのは初めてである。目を下にやり、視界に入ったものに触れる。触ったぶんのの感覚が、しっかりと自分に返ってくる。何度確かめてもやはり、これは自分の体の一部であった。
薫と婚いでから力は安定していて、前のような事故はなかったはずなのに。
能力故なら、とちからを使って元に戻ろうとするも、うまくちからを使えない。
さすがにこの状態で学院に行くわけには、と千秋と薫に連絡を入れる。そのままぽすり、とベッドに逆戻りしてそのまま目をつぶった。
セキレイは今までの船には女が、今回の船は男が多い。そして性別が曖昧で、葦牙次第な個体が、たまにいたりいなかったり。
ということは、もしかしたら薫の。
自分と婚ぐ前は、もしかしたら今も、薫は毎日のように女の子と遊んでいた。ライブにも女の子を口実にしないと参加してくれない、と零がよく嘆いていた。
というか薫じゃなくても、男なら普通は女の子と付き合いたいと思うものだろう。自分も葦牙が女の子であることを期待したことが無いと言ったら嘘になる。
もしかしたらこの体は薫が女の子であったらと願った結果なのではないだろうか。
もや、とする。
いいよ、と言って自分と婚いでくれたけど、あれは半ば強制的であった。薫にとってはきっと望まない羽化だったに違いない。
「・・・・・・かおる?」
「あっ奏汰君気づいた?」
「かおる、どうやって、」
「あー、そこらへんはほら、ちょちょっと、」
ちょちょっと、とは言うけれども鍵のかかった家に入る手段を持つひとなんてひとりしか思い付かなかった。
「・・・・・・わたるですか」
「まあね。奏汰君の葦牙なんですから、っていろいろ言われちゃった」
「・・・・・・なんで」
いくら自分の葦牙になったとはいえ、学校を休んだぐらいで薫が家に様子を見に来るとは思えない。
「あー、うん、えっと、」
少し、視線をそらして言いずらそうにして。
右手で胸元をくる、となぞる。
「ここらへんがもやーっ、というかずきっというかして、何かなーって。顔に出てたっぽくて守沢君に心配されて、話したらもしかしたら奏汰君になにかあったんじゃないか、って。・・・・・・って奏汰君体起こして大丈・・・・・・」
「もともとぐあいがわるかったわけではないので『だいじょうぶ』、です」
薫の視線が一点で止まっている。
「・・・・・・、奏汰君、それ」
「どうやらほんもの、みたいですねー?」
ぐ、とそれなりに大きいそれを自分で持ち上げる。
もともと、能力の都合上不安定な体ではあった。風呂に入っていたら腕が消えていたり、ちょっと気を抜いたら指の数が減ってたりだなんてのも良くある事故だった。しかし、こんなのは初めてである。目を下にやり、視界に入ったものに触れる。触ったぶんのの感覚が、しっかりと自分に返ってくる。何度確かめてもやはり、これは自分の体の一部であった。
薫と婚いでから力は安定していて、前のような事故はなかったはずなのに。
能力故なら、とちからを使って元に戻ろうとするも、うまくちからを使えない。
さすがにこの状態で学院に行くわけには、と千秋と薫に連絡を入れる。そのままぽすり、とベッドに逆戻りしてそのまま目をつぶった。
セキレイは今までの船には女が、今回の船は男が多い。そして性別が曖昧で、葦牙次第な個体が、たまにいたりいなかったり。
ということは、もしかしたら薫の。
自分と婚ぐ前は、もしかしたら今も、薫は毎日のように女の子と遊んでいた。ライブにも女の子を口実にしないと参加してくれない、と零がよく嘆いていた。
というか薫じゃなくても、男なら普通は女の子と付き合いたいと思うものだろう。自分も葦牙が女の子であることを期待したことが無いと言ったら嘘になる。
もしかしたらこの体は薫が女の子であったらと願った結果なのではないだろうか。
もや、とする。
いいよ、と言って自分と婚いでくれたけど、あれは半ば強制的であった。薫にとってはきっと望まない羽化だったに違いない。
「・・・・・・かおる?」
「あっ奏汰君気づいた?」
「かおる、どうやって、」
「あー、そこらへんはほら、ちょちょっと、」
ちょちょっと、とは言うけれども鍵のかかった家に入る手段を持つひとなんてひとりしか思い付かなかった。
「・・・・・・わたるですか」
「まあね。奏汰君の葦牙なんですから、っていろいろ言われちゃった」
「・・・・・・なんで」
いくら自分の葦牙になったとはいえ、学校を休んだぐらいで薫が家に様子を見に来るとは思えない。
「あー、うん、えっと、」
少し、視線をそらして言いずらそうにして。
右手で胸元をくる、となぞる。
「ここらへんがもやーっ、というかずきっというかして、何かなーって。顔に出てたっぽくて守沢君に心配されて、話したらもしかしたら奏汰君になにかあったんじゃないか、って。・・・・・・って奏汰君体起こして大丈・・・・・・」
「もともとぐあいがわるかったわけではないので『だいじょうぶ』、です」
薫の視線が一点で止まっている。
「・・・・・・、奏汰君、それ」
「どうやらほんもの、みたいですねー?」
ぐ、とそれなりに大きいそれを自分で持ち上げる。