中途半端
いずあん+まこあんだけでなくいずまこいずも成立させたかったの図
あのときは数年後の自分がこんなことになっているとは全く思っていなかった。
僕が卒業して四年。TrickstarもKnightsもそれぞれ芸能界デビューして、それなりに忙しい生活を送っている。そして。
僕たち……僕と泉さんとあんずちゃんは結婚していた。
もちろん日本の法律では一夫多妻だろうが多夫一妻だろうが重婚などできないので一応泉さんとあんずちゃんが結婚、僕が泉さんの養子……ということになっている。でも戸籍上は、というだけで気持ちは結婚で間違いない。
なんでこんなことに、と言われてもわからない。高校生の頃から僕はあんずちゃんが好きで、泉さんは僕のことが好きで、妹としてあんずちゃんが好きで。当時から、そういえば「俺とあんずが結婚してゆうくんが養子になればみんな一緒にいられるねぇ」とかなんとか言っていたような、そうでもないような気がするけど言っていたのならそれが実現する形になっていた。どうせならあんずちゃんに僕の名字を名乗って貰いたいかな、なんて思ったけれど養子は養親より歳下でなくてはならないらしくって(そりゃ養「子」なのだから当たり前と言ったらその通りなのだけど)、結婚+養子という形を取るためには泉さんとあんずちゃんが結婚、僕が養子という形を取るしかなかった。
泉さんも僕と家族になるためにあんずちゃんと結婚しようと言いだす程度にあんずちゃんが好きで、僕もいつの間にか泉さんに絆されていて。あんずちゃんは……よくわからないけれど。僕と泉さん、両方が好きってどういう心情なのだろう、と今でもたまに思う。僕は一番好きな男の人は泉さん、女の人はあんずちゃんみたいな感じだけど泉さんも僕も男だし。うん、でもまあ愛は人それぞれだよね。受け入れてくれるだけ有難いし結婚してくれる程度に好いてくれるだけで有難い。泉さんもあんずちゃんも、何回聞いても「好きだよ」しか返してくれないのだ。僕だけ毎回語らされて、ずるい。
「……泉さんがキスしてくれない?」
今日は泉さんだけ仕事で、僕とあんずちゃんはオフだった。
母親のように(僕の母親はそうではなかったのであくまで想像上の)うるさい泉さんがいないのでゆっくりできるな、なんて思っていたら、あんずちゃんに話しかけられた。
僕はあんずちゃんを抱くし泉さんもあんずちゃんを抱く。泉さんが僕を抱くこともあるし、僕があんずちゃんを抱きながら泉さんに抱かれる、なんてときもあるし、僕と泉さんが同時にあんずちゃんを抱くこともある。というか最後のが一番多い。ごめんねあんずちゃんあれきついよね、わかる。
話を戻そう。あんずちゃん曰く、泉さんは行為の時以外、唇にキスをしないそうだ。おでこやらほっぺやらにはあるらしいけれど、唇にはない。
「まってゆうくん落ち着いて! なんで俺は誕生日にそんなところを開発されそうになってるの!?」
「泉さんが僕のお尻に初めて挿れたの僕の誕生日だったでしょ! おあいこだよ!」
「いやそうじゃなくって!?」
珍しく泉さんがあわてている。なんだろ、この光景面白いなあ。
「……だって泉さん、入れる方しかやってくれないから。相手できるの一人だけでしょ」
「二人から同時に愛されるのがどれだけ幸せか、泉さんにもわかってほしくって」
あのときは数年後の自分がこんなことになっているとは全く思っていなかった。
僕が卒業して四年。TrickstarもKnightsもそれぞれ芸能界デビューして、それなりに忙しい生活を送っている。そして。
僕たち……僕と泉さんとあんずちゃんは結婚していた。
もちろん日本の法律では一夫多妻だろうが多夫一妻だろうが重婚などできないので一応泉さんとあんずちゃんが結婚、僕が泉さんの養子……ということになっている。でも戸籍上は、というだけで気持ちは結婚で間違いない。
なんでこんなことに、と言われてもわからない。高校生の頃から僕はあんずちゃんが好きで、泉さんは僕のことが好きで、妹としてあんずちゃんが好きで。当時から、そういえば「俺とあんずが結婚してゆうくんが養子になればみんな一緒にいられるねぇ」とかなんとか言っていたような、そうでもないような気がするけど言っていたのならそれが実現する形になっていた。どうせならあんずちゃんに僕の名字を名乗って貰いたいかな、なんて思ったけれど養子は養親より歳下でなくてはならないらしくって(そりゃ養「子」なのだから当たり前と言ったらその通りなのだけど)、結婚+養子という形を取るためには泉さんとあんずちゃんが結婚、僕が養子という形を取るしかなかった。
泉さんも僕と家族になるためにあんずちゃんと結婚しようと言いだす程度にあんずちゃんが好きで、僕もいつの間にか泉さんに絆されていて。あんずちゃんは……よくわからないけれど。僕と泉さん、両方が好きってどういう心情なのだろう、と今でもたまに思う。僕は一番好きな男の人は泉さん、女の人はあんずちゃんみたいな感じだけど泉さんも僕も男だし。うん、でもまあ愛は人それぞれだよね。受け入れてくれるだけ有難いし結婚してくれる程度に好いてくれるだけで有難い。泉さんもあんずちゃんも、何回聞いても「好きだよ」しか返してくれないのだ。僕だけ毎回語らされて、ずるい。
「……泉さんがキスしてくれない?」
今日は泉さんだけ仕事で、僕とあんずちゃんはオフだった。
母親のように(僕の母親はそうではなかったのであくまで想像上の)うるさい泉さんがいないのでゆっくりできるな、なんて思っていたら、あんずちゃんに話しかけられた。
僕はあんずちゃんを抱くし泉さんもあんずちゃんを抱く。泉さんが僕を抱くこともあるし、僕があんずちゃんを抱きながら泉さんに抱かれる、なんてときもあるし、僕と泉さんが同時にあんずちゃんを抱くこともある。というか最後のが一番多い。ごめんねあんずちゃんあれきついよね、わかる。
話を戻そう。あんずちゃん曰く、泉さんは行為の時以外、唇にキスをしないそうだ。おでこやらほっぺやらにはあるらしいけれど、唇にはない。
「まってゆうくん落ち着いて! なんで俺は誕生日にそんなところを開発されそうになってるの!?」
「泉さんが僕のお尻に初めて挿れたの僕の誕生日だったでしょ! おあいこだよ!」
「いやそうじゃなくって!?」
珍しく泉さんがあわてている。なんだろ、この光景面白いなあ。
「……だって泉さん、入れる方しかやってくれないから。相手できるの一人だけでしょ」
「二人から同時に愛されるのがどれだけ幸せか、泉さんにもわかってほしくって」