第41夜
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…あ』
「ん?」
暫く無言で警護を続けていた3人だったが、ゼンの視線を受けて注意をそちらに向けた。
「なんか見てるな」
『何か用かな。…オビ、ちゃんと起きて』
立ったまま器用にうとうとしていたオビを軽く揺すって起こし、アキは近くにいた衛兵に声を掛ける。
その場を衛兵に頼み、3人はゼンと木々のもとへ向かった。
「――ミツヒデは一人で好きなだけ悶々としてればいいわ」
「…何の話を…」
『(なんとなく分かってしまった…)』
「主、呼びました?」
にこやかに話しかけるオビは、そのまま座っているゼンへ言う。
「色っぽい話はしましたか、お二人」
「まあな」
「あーあ勿体な…はっ?」
予想外だったゼンの返答に、オビは随分と間抜けな声を出した。
それを全く気にも留めない木々が、さっきの話の続きを促す。
「――で?ゼン、前から思ってた事って?」
「………ああ、白雪の事だ。…アキ、木々、ミツヒデ、オビ」
側近たちの名を呼んで一度言葉を切って、ゼンは続けた。
「俺は、――白雪も自分と共にある者の一人なのだと、明白にしたいと思ってる」
――――――……
「さて、見合いはこの辺で終了だな」
「あっさりしたもんですね」
「言ったろ。盛大な妃選びの場を設けるまでの間を作ったんだ、今回は」
そんなもんか、とオビは頷きながらゼンの後ろに続く。
木々はこのまま一度隣の部屋に下がり、ドレスからいつもの服に着替えることにするそうだ。
「アキ、オビ、付き合え。兄上の所に行く」
ゼンに呼ばれて、アキとオビは揃ってゼンを追いかけた。
オビは無言で歩くゼンの顔をずっと見ていて、アキは先ほどのゼンの話を頭の中で反芻する。
「なんだ?」
「はい?」
「視線」
さすがにじっと見られすぎて気になったのか、ゼンがオビに話しかけた。
「――…お嬢さんの件、いいと思いますよ俺も。アキ嬢たちとの同意とはちょっと違って、正直感心したってとこですけど」
白雪も自分と共にある者の一人なのだと明白にするために、ゼンが考えていた事。
それは、ゼンの名前で王宮内に部屋を与える事だった。
この先ゼンにとって必要な者なのだと、ここにいる全員に伝える意味になる。
「あの兄殿下に自分試しをけしかけるって事でしょ。もっと言えば自分とお嬢さんを、か」
「俺のただの我儘だと思われれば、絶対に通らん話だ」
「………勝算あるんじゃないんですか」
『問題ないと思うけどね』
「どうだかな…。おまえたちを供に連れてくくらいには弱気だな」
そう言って、ゼンは薄く笑って見せた。
「どこへだろうがお供しますよ。主あるところ俺ありってね」
「何言ってんだおまえ」
「あとアキ嬢もね」
『お供しますよ、ゼン殿下』
「心強いな」
「俺の時と反応違いませんか、ねえ主」