第40夜
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一通りの茶番が終わってミツヒデと別れ、アキ達は薬室の前まで来ていた。
中から聞こえる白雪やリュウ、リリアス組や薬室長ガラクの声を聞き、そして流れる不穏な空気に思わず二人は身を潜める。
出て行けば面倒なことに巻き込まれる気がする。
二人は目線で会話し、身を潜めたままでいることにしたのだが。
「あれ、オビの兄ちゃんとアキの姉ちゃんじゃん。何やってんだよ」
目ざとく見つけたのは、遊びに来ていたキリトだった。
「アキ、オビ君も」
ガラクに声をかけられ、二人は物陰から少しだけ中の様子を伺う。
「いや、俺達はちょっと顔出しに来ただけなんですけど」
『あははは…なんでもないです』
目が据わったガラクに秒で負け、アキは思わず目をそらした。
「では諸君、ようこそ王城の薬室へ。…ゆっくりしていきなさい」
その言葉と共に垂れ布の向こうへ消えたガラクを見送り、アキは些か軽くなった空気を肺に送り込んだ。
「尖ったキノコでも食べたの」
「今日は城下巡りにしたらよかった」
鈴とユズリが遠い目をして呟く。
「ここのところ、仕事が次から次に入ってきていて…おとといまでは薬室長、いつも通りだったんですけど」
そう語る白雪の表情も固い。
入口で立っていたアキとオビは、服の袖を掴んだキリトによって中まで連行された。
「隠れてた」
「どうもどうも」
『こんにちは』
「アキちゃん、オビ君、こんにちは!」
やっほー、と笑顔で返してくれるユズリに挨拶を返して、アキは積み上げられた書類の山を見て顔を引き攣らせる。
「今ので思い出したけど、俺シダンから万が一とか言ってこんなん持たされたんだった」
ガラクの事、と言ってキリトが取り出した一枚の紙。
「そうだ!シダンさん、薬室長と昔なじみだから」
「助け船!?」
やった!と喜んだ一同だったが、なんの身にもならない「諦めろ」という内容に撃沈する。
「使えないな、あのおっさん」
『(全くだ)』
「まーやるしかないかー。ガラク・ガゼルトに任されちゃあね」
興味尽きないしねー、と鈴が言う。
かくして、王城薬室組とリリアス組、そしてアキとオビ達の戦いが始まった。