第40夜
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仕事がそろそろ一段落するという頃。
ゼンがアキとオビに声をかけた。
「アキ、オビ、薬室の方 顔出してきていいぞ」
「お、じゃあそうします。行こうアキ嬢」
『うん』
執務室を出てすぐ、二人は追いかけてきたミツヒデに呼び止められる。
「アキ、オビ!ちょっといいか」
「?」
『なに?』
通路の少し拓けたところに足を止め、ミツヒデは何か言いたげな顔をした。
「なんですか神妙な顔して。俺、何もしてませんよ」
『(普段から何かしてるからこその言葉だな…)』
何も言われていないのに否定から入るオビを見て、アキは心の中で呟く。
「いや、おまえの話じゃない」
『じゃあ私?』
「それも違う」
『?』
ますますよく分からない。
首を傾げたアキと、怪訝そうに自分を見るオビを見て、ミツヒデはようやく口を開いた。
「…おまえ達を見込んで、一つ他言無用で訊きたいんだが…」
ゆっくり息を吸ったミツヒデは、意を決したように言う。
「……木々に、恋仲なり意中の相手なりがいるか知ってるか」
『………』
「……なんですか、その初恋の相談みたいな切り出しは」
『ほんとだよ』
呆れた表情の二人は、一度口を閉ざした。
『(まあ普通に考えれば…)』
ちらりとミツヒデを見て、本当に思い悩んでいるらしい様子に、心の中で鈍感、と呟く。
「………」
考える素振りをしていたオビは、ミツヒデに向き直りこう言った。
「俺です」
ミツヒデの表情は少しも変わらない。
「『それはない』」
「アキ嬢まで…」