第8夜
夢小説設定
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ここのところ毎日、アキは訓練場に来ていた。
『次!』
「は、はい!」
衛兵たちに混ざり、アキは次々と自分より身体の大きい衛兵たちを倒していく。
「なーんか気合い入ってますね、アキ嬢」
「!」
「オビか」
その様子を見ていたのは、クラリネス第二王子側近の2人と伝令役1人。
「こないだ負けたこと、相当堪えてるみたいだね」
「あー...」
人身売買をしようとしていた男たちの拠点に単身で乗り込み、なかなかに危なかったあの事件。
アキはあの日から、取り憑かれたように訓練場に来ては、衛兵たちに相手をしてもらっていた。
「(結局あれから、目のこと聞けてないな…)」
オビはアキを見つめながら考える。
「アキ!」
「ちょっと休憩したほうがいいよ」
ミツヒデと木々に呼ばれたアキは振り返り、肩で息をしながら頷いた。
『相手してくださってありがとうございました』
衛兵たちに頭を下げ、アキは3人の元へ歩み寄った。
『いつからここに?』
「結構前だよ」
「俺はさっき来たばっかだけどね」
『そう...』
額の汗を拭い、アキはぐっと背伸びをした。
『まだまだ鍛錬が足りないな』
「「「どこが」」」
3人が口を揃えて否定し、アキは目を瞬かせた。
「7人も連続で負かしてて何を言ってるんだ」
ミツヒデが苦笑しながら言うと、アキはそれでも納得していないように唸る。
「...よし、アキ嬢、いっちょ勝負しますか!」
『勝負?オビと?』
「負けたほうが勝ったほうの言う事を1つ聞くってことで」
ひらりと欄干から飛び降りて、オビはにこりと笑う。
『...顔見せて、とかはなしでね』
「わーかってるって!」