第7夜
夢小説設定
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『さて、始めましょうか』
木の上から、これから向かう建物を見つめる。
もうすっかり辺りは暗くなり、アキの深い紫の髪は闇にとけていた。
『夜明けまでに戻らないと、ね』
呟き、アキは音もなく建物の中に侵入した。
そもそもアキがここに一人でやって来たのには、ゼンからの指示があったからだ。
―――――……
『人身売買、ですか。穏やかではない話ですね』
「ああ、全くだ」
ゼンに呼ばれて行けば、話題は最近街で横行している人身売買についてだった。
「小さな子どもや若い娘をさらって売り捌くそうだ」
『子ども...』
ピクリと眉を動かし、不快感を顕にするアキ。
ゼンはそんなアキの様子を伺いつつ、目的を話し始めた。
「偵察に行ってもらいたいんだが」
『偵察...だけで、よろしいので?』
「ああ。本当にそいつらがやっているのか、見てきてくれるだけでいい。叩くのは俺も行くからな」
ゼンは恐る恐るといった感じで、アキに言う。
「...頼めるか?気分が悪くなったり...」
『...大丈夫ですよ』
アキは微笑んだ。
確かにアキの過去のことを考えると、この内容は任せるべきではないのだろうが。
生憎、木々やミツヒデ、オビには別の仕事を頼んでいる。
「決して無茶はするな。夜明けまでには戻ってこい」
『かしこまりました』
事の詳細を書かれた紙を受け取り、アキはゼンの部屋を後にした。