第3夜
夢小説設定
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手持ち無沙汰だったアキは、ゼンのもとへ向かっていた。
ゼンのいる部屋へたどり着くと、ちょうど部屋へ入ろうとしていたゼンの側近2人を見つける。
『あ、木々さん、ミツヒデさん』
「!アキ」
「ゼンに何か用事か?」
『ええ、まあ…。手持ち無沙汰なんで、なにか出来ることはないかと』
「お前もよく働くなあ」
「倒れないようにね」
『あはは、お2人こそ』
談笑しながら部屋へ入ると、書類を持った侍従が振り返った。
「あ!木々様、ミツヒデ様、アキ様!」
「どうした?」
「それがその…ゼン殿下が…」
『?』
「お一人寝室に籠ってしまわれて…」
侍従にそう言われて寝室へ向かうと、ゼンは寝台にうつ伏せで倒れ込んでいた。
「ど…どうしたゼン…」
「俺は旅にでる」
ミツヒデの問いかけに、ゼンは間髪入れずに答えた。
アキは一応確認するようにゼンへ言葉を投げかける。
『…殿下、それは寝言ですか?』
「夢だったらいいけどな!!!」
がばりと起き上がりながら大声を出すゼンは、そのまま青い顔で続けた。
「タンバルンのラジが来るぞ」
「!?」
『?』
「直、城内に報せが飛ぶ」
「ラ…ラジって…あのラジ王子か…?」
「…」
『ラジ王子って…あのバカで有名な隣国の?』
「そうだよ」
状況の読めないアキは木々に尋ね、木々はラジが以前白雪とゼンにしでかしたことを説明する。
『なんと…まあ…』
林檎に毒を仕込み、それが標的としていた白雪でなくゼンを苦しめることになった経緯を聞き、アキは呆れて何も言えなくなってしまう。
「で、何しに来るわけ」
「兄上が招待したんだよ」
【まあいずれ関わっていかねばならないだろう。興味がなくてもそろそろ相手を知らないと。あちらには親睦を深めたいと言っておいたよ】
脳内で再生されるイザナの言葉に、ゼンは舌打ちしたい衝動に駆られる。
「あの人のことだ。それだけとは思えん」
「……ゼン、さっき白雪に会ったぞ」
ミツヒデの言葉に、ゼンは繰り返す。
「…白雪に」
「そう。とりあえず早く戻れよ」
『机の上が書類でいっぱいでしたよ』
「あと読めって本が10冊以上」
「なっ!?だっ…全部目ぇ通したぞ!?」
ゼンは驚くが、ミツヒデは淡々と答えていく。
「次だってさ。整理しといてやるから」
『イザナ様、早朝に来て整理された書類見て満足そうにされてましたよ』
バタン、と閉まった部屋のドアを開ける気にもなれず、ゼンは寝台の上で顔を手で覆った。
「~~~兄上…あの…鬼…!!」