twinkle days(白石vs財前/2年生)
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「白石くんの事が、ずっと好きやってん。付き合ってくれへん?」
放課後、校舎裏で告白をうけた。
目の前でそう言うのは、話したこともない同級生の女子。
こうして告白をうけるのは珍しくはなくて、いつも俺の何が好きなんだろうと思う。何を知って、そう言っているのだろう。
とりあえず付き合うとかは女の子にも失礼だし、何より今はテニスに集中したい。
「ありがとう。けど、ごめんな。…気持ちには応えられへん。今はテニスに集中したいんや」
いつも決まった断り文句。いつも、同じだ。
いつもと…同じでないのは、目の前の女の子が抱きついてきたこと。
「…ちょ」
「じゃあ、せめて、お願い聞いてほしい」
「お願い?」
「キスしてくれへん?そしたら諦めれるから」
イヤイヤイヤ。何言うてるんや、おかしいやん。
「いや、それは無理やし、そういうのは大事にせなあかん」
「どうしてなん?もしかして好きな人おる?」
「いや、そういう話やなくて」
「やったら、お願い」
「…っ、ごめん。できんから。許してな」
グ、と身体を引き剥がすと、逃げるように女の子と反対方向に走った。
ある程度離れると、校舎の壁に背中をつけて座り込むと、はあ、と息をつく。
「(ーーまいった)」
正直、恋愛は苦手だ。特にああいう迫られるのは。謙也あたりに一度言ったことがあるが、彼からしたら羨ましい悩みらしい。
好きになった子以外から告白されても、応えられないぶん、相手も自分も心が痛むだけやと思うんやけどなあ…。
疲れた。自然とため息がでた。
「…白石先輩?」
頭の上から声が降ってきた。
何故こんなところにいるのかという顔だ。
図書室の窓を開けていきなり人おったら、そらびっくりするよな。
「驚かせてすまんなあ、苗字さん。悪いんやけど、もうちょいここで休ませてくれへん?」
「私は大丈夫ですけど、先輩…どこか具合でも悪いんですか?」
「いや、具合は悪ないよ。…ちょっと疲れただけやから」
「…ちょっとまっててください」
そう言うと、彼女はポーチの中をごそごそと何かを探している。
「これ、どうぞ」
手の平に数個アメがコロンと転がっている。
「…アメや」
「はい、疲れた時には甘いものです」
「うん、そうなんやけど。苗字さん、これ…」
黒アメ、小梅ちゃん、昆布アメ…チョイスが渋い。
あまりのギャップに、つい笑いが出てしまう。
「なんでチョイスがおばあちゃんなん。確実に美味しいやつなんやけど、いや美味しいんやけど…懐かしの、やな」
「おばあちゃん…」
はっと彼女の方を見ると、恥ずかしそうに顔を赤くしている。
「すまん、変な意味じゃないで!予想してた上をいかれたから…あーあかん、和む。ジブンおもろい子やな」
「おった!白石おったで!
しらいしぃーーー‼︎部活始まんでぇーーー‼︎」
遠くから金ちゃんが呼んでいる。もう部活の時間だ。
「おー!今行く!…苗字さん、ありがとうな。これ、貰うわ」
小梅ちゃんを一つ貰うと、彼女は控えめに、嬉しそうに笑った。
アメの包みを破って、口に入れる。
ーー甘くて、美味しい。
ほっとする味だった。
放課後、校舎裏で告白をうけた。
目の前でそう言うのは、話したこともない同級生の女子。
こうして告白をうけるのは珍しくはなくて、いつも俺の何が好きなんだろうと思う。何を知って、そう言っているのだろう。
とりあえず付き合うとかは女の子にも失礼だし、何より今はテニスに集中したい。
「ありがとう。けど、ごめんな。…気持ちには応えられへん。今はテニスに集中したいんや」
いつも決まった断り文句。いつも、同じだ。
いつもと…同じでないのは、目の前の女の子が抱きついてきたこと。
「…ちょ」
「じゃあ、せめて、お願い聞いてほしい」
「お願い?」
「キスしてくれへん?そしたら諦めれるから」
イヤイヤイヤ。何言うてるんや、おかしいやん。
「いや、それは無理やし、そういうのは大事にせなあかん」
「どうしてなん?もしかして好きな人おる?」
「いや、そういう話やなくて」
「やったら、お願い」
「…っ、ごめん。できんから。許してな」
グ、と身体を引き剥がすと、逃げるように女の子と反対方向に走った。
ある程度離れると、校舎の壁に背中をつけて座り込むと、はあ、と息をつく。
「(ーーまいった)」
正直、恋愛は苦手だ。特にああいう迫られるのは。謙也あたりに一度言ったことがあるが、彼からしたら羨ましい悩みらしい。
好きになった子以外から告白されても、応えられないぶん、相手も自分も心が痛むだけやと思うんやけどなあ…。
疲れた。自然とため息がでた。
「…白石先輩?」
頭の上から声が降ってきた。
何故こんなところにいるのかという顔だ。
図書室の窓を開けていきなり人おったら、そらびっくりするよな。
「驚かせてすまんなあ、苗字さん。悪いんやけど、もうちょいここで休ませてくれへん?」
「私は大丈夫ですけど、先輩…どこか具合でも悪いんですか?」
「いや、具合は悪ないよ。…ちょっと疲れただけやから」
「…ちょっとまっててください」
そう言うと、彼女はポーチの中をごそごそと何かを探している。
「これ、どうぞ」
手の平に数個アメがコロンと転がっている。
「…アメや」
「はい、疲れた時には甘いものです」
「うん、そうなんやけど。苗字さん、これ…」
黒アメ、小梅ちゃん、昆布アメ…チョイスが渋い。
あまりのギャップに、つい笑いが出てしまう。
「なんでチョイスがおばあちゃんなん。確実に美味しいやつなんやけど、いや美味しいんやけど…懐かしの、やな」
「おばあちゃん…」
はっと彼女の方を見ると、恥ずかしそうに顔を赤くしている。
「すまん、変な意味じゃないで!予想してた上をいかれたから…あーあかん、和む。ジブンおもろい子やな」
「おった!白石おったで!
しらいしぃーーー‼︎部活始まんでぇーーー‼︎」
遠くから金ちゃんが呼んでいる。もう部活の時間だ。
「おー!今行く!…苗字さん、ありがとうな。これ、貰うわ」
小梅ちゃんを一つ貰うと、彼女は控えめに、嬉しそうに笑った。
アメの包みを破って、口に入れる。
ーー甘くて、美味しい。
ほっとする味だった。