Give me all your love(仁王vs丸井/同級生)
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…仁王くん。何をしているんです?」
教室の机に突っ伏して寝ていると、頭上からよく知った声が落ちてきた。
「みてわからんか。眠たいから寝てるんじゃ」
「それは見たらわかります。私が聞きたいのは、なぜ私の机で寝ているのかということです」
「日当たりがいいからの」
深いため息と、眼鏡の奥にはやれやれといった表情が見える。
「そろそろ戻ったらどうです?真田くんがいない時を狙ってきているようですが、先程廊下で見かけましたよ。もう戻ってくるのでは?」
真田にバレるのはダルい。またたるんどるなんて言って鉄拳制裁するに決まっとる。
「仕方がないの…」
「ちゃんとサボらずにクラスに帰ってくださいよ」
柳生に背をむけたまま、手をひらひら振ってかえす。だが、教室に戻る気にはならない。
帰ったら、ブン太と苗字がいる。見ていると、自分らしからぬ感情になるから。人に固執なんぞ、面倒くさい。
「(でも、苗字を抱きしめて、キスをして…ずっとこの腕に閉じ込めておきたくなる。どうしたんじゃ、俺)」
もう授業が始まるが、こんな時にはサボりに限る。
保健室の扉を開くと、薬品の匂い。
2つあるベッドは、1つカーテンが閉まっている。
「(こっちで寝るとするか)」
もう一つのベッドを使おうと足を進めると、隣のベッドから寝言が聞こえた。
体調でも悪いのか、ううん、と小さい声だった。
でも、それだけでわかった。
カーテンを指で少し開くと、女生徒が寝ている。なんだってこんな時に。
俺の目の前に現れるんかのう。
ひとりで俺の前にきたらダメじゃよ。
ベッドが軋む音がした。
寝返りをしたのか、自分の体重の音かわからない。
きっと後者だと思うが、止められなかった。
「名前。……好いとうよ」
唇が優しく一度触れた。それは、禁忌の味だった。
一度触れてしまえば、また欲しくなる。
角度を変えてもう一度口付けをした。
好いとる。誰よりも、ブン太より。
なんで俺のものじゃない?
狂わしい。
ぐ、と胸を何かが押した。
「に、おうくん…」