twinkle days(白石vs財前/2年生)
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あれから風邪も治り、テニス部の皆と約束をしていた勉強会の日。
謙也の家のチャイムを鳴らすと、インターフォン越しに謙也の声がする。
「おー!白石、すぐ行くわ!」
そう言うと通話は切れて、すぐに扉が開いた。
「流石、めっちゃ出てくるん早いな」
「当たり前や。俺を誰や思てんねん!」
「はは、ナニワのスピードスターやったな」
「せや、それが俺っちゅー話や!白石、入りや!皆来てるで」
「ほな、お邪魔します。あと、これは手土産や。ゆかりが作ったクッキーやけど」
「おー!ありがとな!休憩のときに皆で食べよか。ゆかりちゃんによろしゅう言うといてや!」
「ああ」
謙也の部屋に通されると、皆揃っていた。
小春とユウジは相変わらず夫婦漫才しながらも勉強。
小石川と銀さんは金ちゃんを挟んで教えようとしているが、金ちゃんは机に突っ伏してもうすでにギブアップ状態だ。
千歳はちゃんと来ているものの、窓の外を見て「散歩日和たい…」と呟き、今にもどこかふらりと行きそうだ。
そして、部屋の奥には財前。目があうと、向こうからすっと目を逸らせた。
「蔵りん、もう!遅いやないの!」
「すまんな、ゆかりがクッキー焼いとるん持って行ってほしい言うから、待ってたら遅なってしもた」
そう言うと、机に突っ伏していた金ちゃんがばっと上体を起こして、こちらに来て俺の周りをぐるぐると回る。
「クッキー⁈ワイ、めっちゃ食べたいわあ!なあなあ、今食べてもええ?」
「謙也が休憩の時に出してくれる言うてたから、その時にな、金ちゃん」
「えー‼︎今食べたらアカンの…?」
「勉強してから、皆で食べような」
「でも白石…ワイ…勉強なーーんにも、わからんし…考えるほどお腹空いて、なーーんも考えられへんわ…」
「そや、頑張ったら俺の分のクッキーも金ちゃんにあげよか」
「ホンマ⁈ええんか、白石!」
「ああ」
「よっしゃー‼︎」
それから、皆でわからないところを教えあって勉強した。金ちゃんには皆が交代で教えた。
一番端の机では、財前がイヤホンをして一人で勉強をしている。
席を立ち彼の横に座ると、彼もこちらを見るがまた視線は元に戻った。
「…なあ、財前」
話しかけると、流石に無視はせず、またこちらを見た。
「…なんですか」
「どこかわからんとこないか?あったら何でも聞きや」
「…今んとこ、ないっすわ」
「…そうか」
また視線がノートに戻った。取りつく島もないとはこの事かと思ったが、少しするとこちらは見ずに向こうから口を開く。
「…ああ、ありましたわ、わからんとこ」
「ん、なんや」
「部長、どう思ってるんすか」
何が、とは聞かない。“誰を"どう思っているのか、と尋ねている事はわかっているから。
「邪魔するつもりあらへん、言うてませんでした?」
「…言うたな」
「言うてる事とやってる事、違いません?」
「…せやな。それに関しては謝るわ」
「謝るんなら、もうせんといてくださいよ」
「それは、無理や」
視線が交わる。
「自分も、やってええ事とあかん事、あるやろ」
「……そんなん、言われんでもわかってますわ」
「なら、気持ちは無視したらあかん」
「……無理や言うんはそれだけが理由ですか?…ちゃうでしょ」
「…せやな。気持ちに蓋出来るほど、自分できてへんみたいやわ」
「……ホンマ、やな感じっすわ」
「すまんな」
話が終わると同時くらいに、向こうで謙也が席を立って「休憩しよか」と言った。
すぐに金ちゃんが立ち上がって、大きな声で「クッキーやあー‼︎」とこちらに走ってきた。
「白石、休憩やで‼︎」
「金ちゃん頑張ってたからな、約束や」
「やったでえーー‼︎」
金ちゃんは嬉しそうに俺と財前の周りを飛び跳ねる。
そうしているといつもなら財前が金ちゃんに一言いいそうだが、今日は何も言わないまま。
勉強会は過ぎていった。
謙也の家のチャイムを鳴らすと、インターフォン越しに謙也の声がする。
「おー!白石、すぐ行くわ!」
そう言うと通話は切れて、すぐに扉が開いた。
「流石、めっちゃ出てくるん早いな」
「当たり前や。俺を誰や思てんねん!」
「はは、ナニワのスピードスターやったな」
「せや、それが俺っちゅー話や!白石、入りや!皆来てるで」
「ほな、お邪魔します。あと、これは手土産や。ゆかりが作ったクッキーやけど」
「おー!ありがとな!休憩のときに皆で食べよか。ゆかりちゃんによろしゅう言うといてや!」
「ああ」
謙也の部屋に通されると、皆揃っていた。
小春とユウジは相変わらず夫婦漫才しながらも勉強。
小石川と銀さんは金ちゃんを挟んで教えようとしているが、金ちゃんは机に突っ伏してもうすでにギブアップ状態だ。
千歳はちゃんと来ているものの、窓の外を見て「散歩日和たい…」と呟き、今にもどこかふらりと行きそうだ。
そして、部屋の奥には財前。目があうと、向こうからすっと目を逸らせた。
「蔵りん、もう!遅いやないの!」
「すまんな、ゆかりがクッキー焼いとるん持って行ってほしい言うから、待ってたら遅なってしもた」
そう言うと、机に突っ伏していた金ちゃんがばっと上体を起こして、こちらに来て俺の周りをぐるぐると回る。
「クッキー⁈ワイ、めっちゃ食べたいわあ!なあなあ、今食べてもええ?」
「謙也が休憩の時に出してくれる言うてたから、その時にな、金ちゃん」
「えー‼︎今食べたらアカンの…?」
「勉強してから、皆で食べような」
「でも白石…ワイ…勉強なーーんにも、わからんし…考えるほどお腹空いて、なーーんも考えられへんわ…」
「そや、頑張ったら俺の分のクッキーも金ちゃんにあげよか」
「ホンマ⁈ええんか、白石!」
「ああ」
「よっしゃー‼︎」
それから、皆でわからないところを教えあって勉強した。金ちゃんには皆が交代で教えた。
一番端の机では、財前がイヤホンをして一人で勉強をしている。
席を立ち彼の横に座ると、彼もこちらを見るがまた視線は元に戻った。
「…なあ、財前」
話しかけると、流石に無視はせず、またこちらを見た。
「…なんですか」
「どこかわからんとこないか?あったら何でも聞きや」
「…今んとこ、ないっすわ」
「…そうか」
また視線がノートに戻った。取りつく島もないとはこの事かと思ったが、少しするとこちらは見ずに向こうから口を開く。
「…ああ、ありましたわ、わからんとこ」
「ん、なんや」
「部長、どう思ってるんすか」
何が、とは聞かない。“誰を"どう思っているのか、と尋ねている事はわかっているから。
「邪魔するつもりあらへん、言うてませんでした?」
「…言うたな」
「言うてる事とやってる事、違いません?」
「…せやな。それに関しては謝るわ」
「謝るんなら、もうせんといてくださいよ」
「それは、無理や」
視線が交わる。
「自分も、やってええ事とあかん事、あるやろ」
「……そんなん、言われんでもわかってますわ」
「なら、気持ちは無視したらあかん」
「……無理や言うんはそれだけが理由ですか?…ちゃうでしょ」
「…せやな。気持ちに蓋出来るほど、自分できてへんみたいやわ」
「……ホンマ、やな感じっすわ」
「すまんな」
話が終わると同時くらいに、向こうで謙也が席を立って「休憩しよか」と言った。
すぐに金ちゃんが立ち上がって、大きな声で「クッキーやあー‼︎」とこちらに走ってきた。
「白石、休憩やで‼︎」
「金ちゃん頑張ってたからな、約束や」
「やったでえーー‼︎」
金ちゃんは嬉しそうに俺と財前の周りを飛び跳ねる。
そうしているといつもなら財前が金ちゃんに一言いいそうだが、今日は何も言わないまま。
勉強会は過ぎていった。