twinkle days(白石vs財前/2年生)
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放課後のチャイムがなった。
皆が席を立つ中、目的の人物の方を見ると、まだ席に座って鞄に教材をしまっている。
自分の帰り支度をしてからそちらに行くと、向こうも気づいたのか少し慌てだした。
「…ちょっとええ」
「っ、あの。ごめん、急いで帰らなきゃ行けなくて」
そう言うと、鞄をしめて席を立ち、慌ただしく教室から出ていく。
告白から数日。声をかけるとこんな調子だ。
返事は待つと言ったものの、本来待つのは苦手だから、多少イラついてきた。
「(ー避ける必要あるか?なんや、また逃げれんようにして、返事聞いてしまいたいくらいや)」
一つため息をついて席を立つと、すぐ近くの女子から、え!、と驚いた声が聞こえてきた。
「ー白石先輩と苗字さんが?」
なんやそれ。
「怪我した苗字さんに走って行くん見たけど、ほんま優しいというか…王子やんな、王子!自分も怪我したいくらいやわ」
「アホ。そんなうまいこと白石先輩通らんわ」
「…やんなあ。あーあ、羨ましいなあ」
…イラつく。
偶然なんだろうとわかっていても、その場を想像しただけでイラつく。
足を進めるも、自然といつもより早歩きになる。
教室を出て窓の外が目にはいると、雨が降っている。
さっきまで降っていなかったのに。
憂鬱な気持ちで下駄箱まで来ると、置き傘をしている事を思い出した。
ー今日、それだけは運がよかった。
傘立てから自分の傘を手に取ると、靴箱の先で帰ったはずの彼女が1人立っている。
隣に行き傘を、パン、と開く。
「早よ帰らなアカンのちゃうん」
彼女は肩をびくりとさせると、気まずそうに視線を伏せた。
「傘、ないんやろ」
「…うん。でも、通り雨だと思うから、待とうかと…」
「送って行ったるわ。話も、あるし」
「…っ、大丈夫だよ。すぐやむと思うし」
「……撤回してええ?」
「え?」
「待つん、十分待ったよな」
「ええ加減、返事欲しいんやけど」
「…あの…」
待ったって、白石部長は見向かへん。
そう言ってやりたい。
目の前で困った顔してる、彼女に。
「…ムカつく」
「…え」
傘が開いたまま、落ちた。
彼女の手を取って引き寄せると、唇が軽く触れる。
「好きや」
唇を離して視線をそらすと、靴箱の向こうの人物と目があった。
見開いた薄茶色の瞳は、すぐに逸らされた。
皆が席を立つ中、目的の人物の方を見ると、まだ席に座って鞄に教材をしまっている。
自分の帰り支度をしてからそちらに行くと、向こうも気づいたのか少し慌てだした。
「…ちょっとええ」
「っ、あの。ごめん、急いで帰らなきゃ行けなくて」
そう言うと、鞄をしめて席を立ち、慌ただしく教室から出ていく。
告白から数日。声をかけるとこんな調子だ。
返事は待つと言ったものの、本来待つのは苦手だから、多少イラついてきた。
「(ー避ける必要あるか?なんや、また逃げれんようにして、返事聞いてしまいたいくらいや)」
一つため息をついて席を立つと、すぐ近くの女子から、え!、と驚いた声が聞こえてきた。
「ー白石先輩と苗字さんが?」
なんやそれ。
「怪我した苗字さんに走って行くん見たけど、ほんま優しいというか…王子やんな、王子!自分も怪我したいくらいやわ」
「アホ。そんなうまいこと白石先輩通らんわ」
「…やんなあ。あーあ、羨ましいなあ」
…イラつく。
偶然なんだろうとわかっていても、その場を想像しただけでイラつく。
足を進めるも、自然といつもより早歩きになる。
教室を出て窓の外が目にはいると、雨が降っている。
さっきまで降っていなかったのに。
憂鬱な気持ちで下駄箱まで来ると、置き傘をしている事を思い出した。
ー今日、それだけは運がよかった。
傘立てから自分の傘を手に取ると、靴箱の先で帰ったはずの彼女が1人立っている。
隣に行き傘を、パン、と開く。
「早よ帰らなアカンのちゃうん」
彼女は肩をびくりとさせると、気まずそうに視線を伏せた。
「傘、ないんやろ」
「…うん。でも、通り雨だと思うから、待とうかと…」
「送って行ったるわ。話も、あるし」
「…っ、大丈夫だよ。すぐやむと思うし」
「……撤回してええ?」
「え?」
「待つん、十分待ったよな」
「ええ加減、返事欲しいんやけど」
「…あの…」
待ったって、白石部長は見向かへん。
そう言ってやりたい。
目の前で困った顔してる、彼女に。
「…ムカつく」
「…え」
傘が開いたまま、落ちた。
彼女の手を取って引き寄せると、唇が軽く触れる。
「好きや」
唇を離して視線をそらすと、靴箱の向こうの人物と目があった。
見開いた薄茶色の瞳は、すぐに逸らされた。