短編
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「名前先輩、キスしてもええですか」
放課後の図書室。彼女は、受付のカウンターに座る俺から、1番近い机に座っていて。先程の問いに目を丸くしてこちらを見た。
「え⁈…光、ここ、学校なんだけど…」
「そうですけど…何か問題でも?」
「問題ならあると思うんですが…」
「今、誰も居らんやないですか。ダメな理由がわからんのですけど」
「だって…恥ずかしいから」
「誰も居らんでも?」
「うん」
どうにも首を縦には振ってくれないようだ。真面目、というか…。
カウンターの椅子から立ち上がると、先輩の座っている横へ席を移した。
頬杖をついて彼女をじっと見ると、少し頬が色付いていた。
年上の彼女が自分の事で動揺している様に、つい口の端が上がる。
「何で恥ずかしいんですか?」
「…だって、…キス、してる時に誰かが来て、もし見られたらって」
そう言う彼女の顔は真っ赤だ。
「…へえ。先輩、わかって言うてます?」
「え…私、変なこと言った?」
「もし見られたら…って、そういうとこ想像でもせんと恥ずかしいとか思わんでしょ。想像、したんすね」
「そ、そそんな事ないよ‼︎…してない、から…」
「顔。真っ赤ですけど」
「ー…っ、光、そんな事言わないで」
俯く先輩の髪が下にさらと落ちて、耳が見えた。
ーさらに言うなら、耳も真っ赤だ。
あー、もう、かわええ。
「っは、耳まで真っ赤や」
つい、吹き出して笑ってしまった。
それを聞いて、彼女が俯いていた顔をあげた。
「…っ、もう、笑わないでよ」
「ーすみません、つい。怒らんとってください」
「光って、私をいじって楽しんでるよね」
「…あー、正直、それは間違いないです」
「ほら!」
「しゃーないっすわ。先輩が、かわええんやから」
そう言えば、赤い顔の彼女は唇を軽く噛んで、口を噤んだ。
「先輩、唇噛んだら後になりますよ」
「…光がさっきみたいに言うから」
「ほんまのことなんで」
「恥ずかしい」
また、俯いてしまった彼女の名前を呼ぶ。
「名前先輩」
2度くらい呼ぶと、少しだけ顔をあげてくれた。
彼女の髪に手をのばして、触れたその髪を耳にかけた。
そして覗き込むように顔を近づけると、唇を奪う。
「…っ、ふ。ひか、る」
声にゾクゾクした、なんて、それは言うのはやめた。
ーやって、それこそ、学校では無理やろ?
「…先輩、好きです」
やから、さっき言うのをやめたその言葉は、また、今度。
今はキスだけで、我慢しときますから。
放課後の図書室。彼女は、受付のカウンターに座る俺から、1番近い机に座っていて。先程の問いに目を丸くしてこちらを見た。
「え⁈…光、ここ、学校なんだけど…」
「そうですけど…何か問題でも?」
「問題ならあると思うんですが…」
「今、誰も居らんやないですか。ダメな理由がわからんのですけど」
「だって…恥ずかしいから」
「誰も居らんでも?」
「うん」
どうにも首を縦には振ってくれないようだ。真面目、というか…。
カウンターの椅子から立ち上がると、先輩の座っている横へ席を移した。
頬杖をついて彼女をじっと見ると、少し頬が色付いていた。
年上の彼女が自分の事で動揺している様に、つい口の端が上がる。
「何で恥ずかしいんですか?」
「…だって、…キス、してる時に誰かが来て、もし見られたらって」
そう言う彼女の顔は真っ赤だ。
「…へえ。先輩、わかって言うてます?」
「え…私、変なこと言った?」
「もし見られたら…って、そういうとこ想像でもせんと恥ずかしいとか思わんでしょ。想像、したんすね」
「そ、そそんな事ないよ‼︎…してない、から…」
「顔。真っ赤ですけど」
「ー…っ、光、そんな事言わないで」
俯く先輩の髪が下にさらと落ちて、耳が見えた。
ーさらに言うなら、耳も真っ赤だ。
あー、もう、かわええ。
「っは、耳まで真っ赤や」
つい、吹き出して笑ってしまった。
それを聞いて、彼女が俯いていた顔をあげた。
「…っ、もう、笑わないでよ」
「ーすみません、つい。怒らんとってください」
「光って、私をいじって楽しんでるよね」
「…あー、正直、それは間違いないです」
「ほら!」
「しゃーないっすわ。先輩が、かわええんやから」
そう言えば、赤い顔の彼女は唇を軽く噛んで、口を噤んだ。
「先輩、唇噛んだら後になりますよ」
「…光がさっきみたいに言うから」
「ほんまのことなんで」
「恥ずかしい」
また、俯いてしまった彼女の名前を呼ぶ。
「名前先輩」
2度くらい呼ぶと、少しだけ顔をあげてくれた。
彼女の髪に手をのばして、触れたその髪を耳にかけた。
そして覗き込むように顔を近づけると、唇を奪う。
「…っ、ふ。ひか、る」
声にゾクゾクした、なんて、それは言うのはやめた。
ーやって、それこそ、学校では無理やろ?
「…先輩、好きです」
やから、さっき言うのをやめたその言葉は、また、今度。
今はキスだけで、我慢しときますから。
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