遭遇
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(そうだ…!今日あの子はあそこへ!)
母親の体調が良くないらしく、その治療の為の薬草を取りに行くと言って聞かなかったのだ。
「よりにもよって…!」
あの薬草が群生しているのは港の方向にある森だ。
もしあの子が何かに巻き込まれていたら大変だ
走る足にさらに力を込めて地面を蹴る。
暫らくすると島に起こった異変に気がついた。
(海賊!)
遠目からでハッキリとは分からないが、船の帆にドクロのマークが見えた。
港を突っ切るのは危険だと考え、迂回して森に足を運ぶ事にした。
ようやく森の入口まで差し掛かったが、一番恐れていた事態が発生していた。
(ミシェル…!)
草影から様子を伺うが、海賊数名に囲まれているのはどう見てもあの子だ。
手には今朝方話していた薬草を握りしめている。
会話の内容はよく聞こえないが、海賊の様子を見るに、かなり気が立っている。
勢いで来てしまったはいいものの、どうすればいいか分からず、眺めているだけの自分が情けなく感じる。
その時、
海賊が剣を抜いた。
それを見た瞬間、弾かれたように駆け出していた。
海賊の前に立ちはだかるようにしてミシェルを庇う。
「女…そこをどけ」
「い、嫌です!お願いします、どうか見逃して下さい!」
「悪いな、俺は今そのガキに口ごたえされて猛烈に腹が立ってんだ。
悪く思うなよ!」
剣を振り上げられ、死を覚悟したその時、目の前の海賊が倒れ、連なる様に周りの海賊達もバタバタと倒れていく。
どういう状況かは分からなかったが、
「た、助かったぁ…」
思わず腰が抜けてしまい立ち上がれない。
そしてその直後、彼との出会いを果たす。
真っ赤に燃え上がる様な髪、左目には3本の傷、隻腕の大男。
赤髪のシャンクスだ。
威厳ある佇まいに思わず唾を飲み込んだ。
そして彼もまた、こちらを見つめている事に気付き、急いで立ち上がろうとするも腰が抜けたままの状態では無理だった。
ふ、と近づいてきて彼が言葉を発する。
「怪我はなかったか?」
「あ、はい!危ない所を助けて頂いてありがとうございます。」
私が立てないことに気がついたのか、手を差しのべてくれる。
おずおずと伸ばした手をがっしりと掴んでぐいっと引っ張る。
その逞しい腕と、ゴツゴツとした手にドキッとしたものの、務めて平成を装う。
ようやく立ち上がることができたのでもう1度深々とお辞儀をして礼を言う
「あの、本当にありがとうございました!」
「いやぁ、流石に子供にと女性を放って置く事は出来ないんでね。
それと、港に来ていた海賊もうちのクルー達が始末してるはずだ」
安心しろ、とういうように、にっと笑ってみせた彼の笑顔に不覚にもときめいている自分がいた。
(何考えてるのよ…私ったら…)
ミシェルを抱いて、とりあえず村に戻る。
村長さんが礼をしたいということなので、村を挙げての宴会が始まった。
彼らの飲みっぷりは凄まじく、あっという間に酒樽が無くなっていく
手伝いに必死になっているうちに、少し落ち着いたのか、彼らと話せる機会ができた。
「へぇ、お前リンっていうのか!」
「はい、この村で教師をしてます」
「ほーぉ、博識なんだな」
ワイワイと盛り上がるうちに、一番聞きたいことを尋ねた。
「あの、シャンクスさん、つかぬことをお伺いしますが、日本という場所をご存知ですか?」
「日本?」
うーん、と首を傾げる彼の様子に、これは駄目かもなぁ、と思い始めた。
やはりいくら有名な海賊の頭といってもこの世界に存在しない場所までは分からないのだ。
「いや、待てよ、そういや聞いたことがあったかもしれんな」
「……!」
最後の希望が見えた瞬間だった。
母親の体調が良くないらしく、その治療の為の薬草を取りに行くと言って聞かなかったのだ。
「よりにもよって…!」
あの薬草が群生しているのは港の方向にある森だ。
もしあの子が何かに巻き込まれていたら大変だ
走る足にさらに力を込めて地面を蹴る。
暫らくすると島に起こった異変に気がついた。
(海賊!)
遠目からでハッキリとは分からないが、船の帆にドクロのマークが見えた。
港を突っ切るのは危険だと考え、迂回して森に足を運ぶ事にした。
ようやく森の入口まで差し掛かったが、一番恐れていた事態が発生していた。
(ミシェル…!)
草影から様子を伺うが、海賊数名に囲まれているのはどう見てもあの子だ。
手には今朝方話していた薬草を握りしめている。
会話の内容はよく聞こえないが、海賊の様子を見るに、かなり気が立っている。
勢いで来てしまったはいいものの、どうすればいいか分からず、眺めているだけの自分が情けなく感じる。
その時、
海賊が剣を抜いた。
それを見た瞬間、弾かれたように駆け出していた。
海賊の前に立ちはだかるようにしてミシェルを庇う。
「女…そこをどけ」
「い、嫌です!お願いします、どうか見逃して下さい!」
「悪いな、俺は今そのガキに口ごたえされて猛烈に腹が立ってんだ。
悪く思うなよ!」
剣を振り上げられ、死を覚悟したその時、目の前の海賊が倒れ、連なる様に周りの海賊達もバタバタと倒れていく。
どういう状況かは分からなかったが、
「た、助かったぁ…」
思わず腰が抜けてしまい立ち上がれない。
そしてその直後、彼との出会いを果たす。
真っ赤に燃え上がる様な髪、左目には3本の傷、隻腕の大男。
赤髪のシャンクスだ。
威厳ある佇まいに思わず唾を飲み込んだ。
そして彼もまた、こちらを見つめている事に気付き、急いで立ち上がろうとするも腰が抜けたままの状態では無理だった。
ふ、と近づいてきて彼が言葉を発する。
「怪我はなかったか?」
「あ、はい!危ない所を助けて頂いてありがとうございます。」
私が立てないことに気がついたのか、手を差しのべてくれる。
おずおずと伸ばした手をがっしりと掴んでぐいっと引っ張る。
その逞しい腕と、ゴツゴツとした手にドキッとしたものの、務めて平成を装う。
ようやく立ち上がることができたのでもう1度深々とお辞儀をして礼を言う
「あの、本当にありがとうございました!」
「いやぁ、流石に子供にと女性を放って置く事は出来ないんでね。
それと、港に来ていた海賊もうちのクルー達が始末してるはずだ」
安心しろ、とういうように、にっと笑ってみせた彼の笑顔に不覚にもときめいている自分がいた。
(何考えてるのよ…私ったら…)
ミシェルを抱いて、とりあえず村に戻る。
村長さんが礼をしたいということなので、村を挙げての宴会が始まった。
彼らの飲みっぷりは凄まじく、あっという間に酒樽が無くなっていく
手伝いに必死になっているうちに、少し落ち着いたのか、彼らと話せる機会ができた。
「へぇ、お前リンっていうのか!」
「はい、この村で教師をしてます」
「ほーぉ、博識なんだな」
ワイワイと盛り上がるうちに、一番聞きたいことを尋ねた。
「あの、シャンクスさん、つかぬことをお伺いしますが、日本という場所をご存知ですか?」
「日本?」
うーん、と首を傾げる彼の様子に、これは駄目かもなぁ、と思い始めた。
やはりいくら有名な海賊の頭といってもこの世界に存在しない場所までは分からないのだ。
「いや、待てよ、そういや聞いたことがあったかもしれんな」
「……!」
最後の希望が見えた瞬間だった。
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