眠
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塩の香りが鼻をくすぐる。目を閉じていても刺さるような日光がジリジリと肌を焦がしていくのを感じながら、リンは薄らと瞼を持ち上げた。
飛び込んできたのは雲一つない真っ青な空。
そこでようやく自分が横たわっていることに気づく。
重たい体を起こせば空と同じ色をした海が目に飛び込んできた。
日常とかけ離れたその光景に唖然とするのもつかの間、水平線から何かが凄い勢いで近づいてくる。
本能的に逃げ出そうも、体が動かない、数回の瞬きで"それ"は眼前にまで迫っていた。
「いやあぁぁぁ!!」
「リン!リンったら!」
「うーん…」
ハッと目を覚ました。
そこにはあの空も、海もなく、無機質な教室だった。淡々と授業をしている講師の声がやけに響く。
「リンが寝るなんて珍しいよね」
隣に座っているのは高校からの友人だった。たまたま大学が一緒でいつも授業を一緒に受けている気心知れた仲だ。
「あれ、夢だったの…?やけにリアルだったような」
授業も終わり、この後講義の入っていない学生たちはそそくさと退室して行く彼らをぼんやりと眺めながら呟いた。
「何変な事言ってるのよ。そんな事より、今日この後空いてる?」
彼女がこういう言い方をする時は大体決まっている。
「また合コン?」
「合ったりー!今日はレアよ!あのK大のイケメン達と飲めるんだから!ね、リンも行こうよ!」
「悪いけど、あたしレポート溜まってるの
今日はパスで」
「えー!またー!?」
ぶーぶー文句を言う彼女を適当にあしらって私は教室を出た。
勿論レポートが溜まってるなんて嘘だが、合コンに出たくないのも事実だった。
ふ、と窓ガラスに映った自分の姿を見て失笑する。
必要最低限の化粧に、適当に縛った肩位まで伸びた髪の毛。
勿論それもきちんと手入れしてないから毛先が少し傷んでる。
(こんなのが行ったってねぇ)
私とは対象的に彼女は自分の外見にとことん情熱を費やす。
今日もまた香水が変わっていた。
また新しいブランド品を買ったんだろう。
正直、羨ましくない訳ではない。
ただ、自分に似合うとは思えないのだ。
そういう考えも相まって生まれてこの方男の話が浮ついたことも無い。
(考えてたら悲しくなってきた)
もう帰ろうと思って大学を出ればもう9月の中頃だというのに汗が出るような暑さだった。
少し足早に大学を後にする。
早く部屋に戻ってエアコンをかけたかったし、テレビの録画も見たかった。
そんな思いもあり、少しだけ近道をしようと思った。
普段は大きな公道を行くのだが、今日は裏路地に入る。
別に今日ここを歩くのが特別な理由ではなく、結構通る道だから安心していた。
更にまだ日が落ちていないのも私を油断させた要員の1つだと今になれば思う。
裏路地から出た瞬間、自分の体が浮き上がるのを感じた。カーブミラーも無いような狭い道路。目の端に映るのは軽トラック。
地面に落ちるまでの1秒が何分にも感じた。
(こんな事になるんなら、合コン行っとけば良かった…)
そして私の体が地面に叩きつけられるのを感じた瞬間、意識を手放した。
飛び込んできたのは雲一つない真っ青な空。
そこでようやく自分が横たわっていることに気づく。
重たい体を起こせば空と同じ色をした海が目に飛び込んできた。
日常とかけ離れたその光景に唖然とするのもつかの間、水平線から何かが凄い勢いで近づいてくる。
本能的に逃げ出そうも、体が動かない、数回の瞬きで"それ"は眼前にまで迫っていた。
「いやあぁぁぁ!!」
「リン!リンったら!」
「うーん…」
ハッと目を覚ました。
そこにはあの空も、海もなく、無機質な教室だった。淡々と授業をしている講師の声がやけに響く。
「リンが寝るなんて珍しいよね」
隣に座っているのは高校からの友人だった。たまたま大学が一緒でいつも授業を一緒に受けている気心知れた仲だ。
「あれ、夢だったの…?やけにリアルだったような」
授業も終わり、この後講義の入っていない学生たちはそそくさと退室して行く彼らをぼんやりと眺めながら呟いた。
「何変な事言ってるのよ。そんな事より、今日この後空いてる?」
彼女がこういう言い方をする時は大体決まっている。
「また合コン?」
「合ったりー!今日はレアよ!あのK大のイケメン達と飲めるんだから!ね、リンも行こうよ!」
「悪いけど、あたしレポート溜まってるの
今日はパスで」
「えー!またー!?」
ぶーぶー文句を言う彼女を適当にあしらって私は教室を出た。
勿論レポートが溜まってるなんて嘘だが、合コンに出たくないのも事実だった。
ふ、と窓ガラスに映った自分の姿を見て失笑する。
必要最低限の化粧に、適当に縛った肩位まで伸びた髪の毛。
勿論それもきちんと手入れしてないから毛先が少し傷んでる。
(こんなのが行ったってねぇ)
私とは対象的に彼女は自分の外見にとことん情熱を費やす。
今日もまた香水が変わっていた。
また新しいブランド品を買ったんだろう。
正直、羨ましくない訳ではない。
ただ、自分に似合うとは思えないのだ。
そういう考えも相まって生まれてこの方男の話が浮ついたことも無い。
(考えてたら悲しくなってきた)
もう帰ろうと思って大学を出ればもう9月の中頃だというのに汗が出るような暑さだった。
少し足早に大学を後にする。
早く部屋に戻ってエアコンをかけたかったし、テレビの録画も見たかった。
そんな思いもあり、少しだけ近道をしようと思った。
普段は大きな公道を行くのだが、今日は裏路地に入る。
別に今日ここを歩くのが特別な理由ではなく、結構通る道だから安心していた。
更にまだ日が落ちていないのも私を油断させた要員の1つだと今になれば思う。
裏路地から出た瞬間、自分の体が浮き上がるのを感じた。カーブミラーも無いような狭い道路。目の端に映るのは軽トラック。
地面に落ちるまでの1秒が何分にも感じた。
(こんな事になるんなら、合コン行っとけば良かった…)
そして私の体が地面に叩きつけられるのを感じた瞬間、意識を手放した。
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