たぬきかきつねのロンサムサバイブ

 海上。
 白く平らな建造物。
 旅獣の空間から出たところはおそらくあの海の……上、だった。
 白い街ではない。
 だが、ここにいればきっときつねはやってくる。
 そんな気がしていた。
「たぬきくん」
 ほら。
「来たか」
 上空から平らな床にふわりと降り立つきつね。
 同時に、機械たちが出現する。
「探しましたよ、どこにもいないんですから」
「それは、心配をかけたな」
「別に心配なんかしてませんよ。次の柱が行方不明となると世界の存続が危うくなるから探してただけです」
「はは」
「それで、あなたは柱になる気になってくれたんですか」
「……なった」
「なりましたか。それじゃあ、代替わりの最後の儀式を……」
「待ってくれ、その前に話がしたい」
「話ぃ? 今さら話すことなんてありませんよ」
「俺にはあるんだ」
「……」
 きつねが手をあげる。
 機械たちがす、と後ろに下がった。
「で、何ですか、話って」
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