短編小説

○スキ! 1回目:
 スキ! を得た我々は大変喜び、いただいたスキ! を船倉に詰め大海原に飛び出した。
 スキ! には長期の船旅で不足しがちなビタミンCもビタミンB1も、もちろん水分も豊富に含まれている。
 スキ! ひとつで一日に必要なエネルギーと栄養を全て補給できるのだ。スキ! は完全栄養食である。
 スキ! にはVR映像体感効果もあり、海に飽いた際はスキ! を手にして大草原や山岳、故郷の町なんかの様子を味わうのもよい。もちろん風景は本物同様触れることができ、住民と会話したり物を買ったりすることもできる。最近ではこのスキ! を楽しみに船員に志願してくる者もいるほどだ。
 スキ! は船旅を変えた。スキ! は革命である。いつか我々が宇宙の船旅へと出る際も、その船倉にはスキ! が積まれることだろう。
 どうかよい旅を。
 我々もこの海からそちらにスキ! を送ろう。
 あなたの無事を祈っている。


○スキ! 2回目:
 おお、スキ! ありがとうございます。
 これがスキ! ……話に聞いてはおりましたが、実際に見たのは初めてです。
 我々の村にはスキ! 担当がありまして、村の若者は順にそれを担当するのです。僕は今年で14になり、スキ! 担当の条件を満たしたがゆえにこうして今……あなたのスキ! を受け取っています。
 いただいたスキ! は僕が一旦心の中に保管し、月に一度の祭りの日に広場に集められ、心の力となるのです。
 このスキ! は……はーと、の形をしている。スキ! は不定形で、どんな形にでも変化すると聞きました。このスキ! もきっと色々な形に変化していくのでしょうね。
 務めは果たしました。きっと無事に届けます。


○スキ! 3回目:
 スキ! ありがとうございます。
 現時点で実装されている文章お礼ページはここまで。次のスキ! は大海原の船員に渡されます。
 遠いところから僕たちの海をご訪問くださり、ありがとうございます。
 海は暗く、暖かく、生物は孤独だが友情を夢見て生きている。
 そんな海。
 気が向きましたらまたご訪問ください。僕たちはいつでもあなたのお越しをお待ちしています。
 それでは。


(5月お礼ログ・終了)
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