英雄たちのロンド
異世界転移してしまった。
そんなことを言うと読者諸君に「夢を見るのもいい加減にしろ」とか「なろう系小説の読み過ぎじゃないいか」とか言われてしまうと思うのだが、たぶん異世界転移してしまったのだと思う。もしくは外国。だってこんなだだっ広い草原とか日本にないでしょ? ある? いや、あるかもしれないけど、とにかく俺は今困っている。
「困っている君に、ドン! 英雄参上! どうしたんだい、迷ったのかい? 見慣れぬ服を着ているが、冒険者かな?」
空から舞い降りてきたのは槍を持ったさわやか系イケメン。なんだ、ナイトか? 光と闇を併せ持ち最強に見えるナイトか? ん、何かに乗ってる……黒い二輪……立って乗ってるのか……T字型の持ち手……!?
俺は……気付いてしまった。
「それってセグウェ……」
「おーっとそれ以上いけない」
「なんで!?」
「僕の愛馬の真名は封印されているんだ。うかつに呼ぶと封じ込めた闇の力が……」
「イケメンなのに闇の力!?」
「いや、ちょっと右手が疼いたり左目を眼帯で隠したりし始めてしまうくらいの力さ」
「それって厨二びょ……」
「こらこら、ははは。君はなかなかのじゃじゃ馬のようだな」
「いや違いますからね!?」
「それで君はどうしてこんな草原のど真ん中で困り果てていたんだい?」
「いやその……」
正直に言おうか迷ったが、この状況で助けてくれそうな人はこの人くらいしかいないし、それにこの人ならなんだか俺の妙な状況も笑わずに信じてくれそうな気がした。
「それがかくかくしかじかで」
「まるまるうまうま。異世界から転移してきてしまったと」
「そうなんですよ……俺、どうすればいいか……」
「うむ!」
いきなり叫ぶイケメン。俺はびっくりして少々跳び上がってしまった。
「行くところがないなら僕の騎士団に来たまえよ!」
「えっ……」
騎士団ってなんかキラキラしたイケメンばっかりいそうな気がするし、俺コミュ障だし、絶対馴染めない。
「大丈夫、実は僕もコミュ障なんだ!」
「えっ……?」
「人と話すの恥ずかしい!」
その割にはなんかキラキラで俺なんかに優しくしてくれてますけど……?
「まあまあ怖がることはない。みんな気のいい奴らさ、ちょっと変人だけど」
「えっ」
この一風変わったイケメンが変人だという騎士団の面々はじゃあいったいどんな変人なんだ、これ以上の変人がいるというのか!?
「まあまあ、ははは。君も心配性だなあ。大丈夫大丈夫。僕が保証するよ。大丈夫、しばらくは付き添ってあげるから!」
「えっえっ」
「大きな任務を終わらせたばかりで、しばらく仕事がないんだよね! 異世界の話も聞きたいし、ね、付き添わせてくれないかい、いいだろ?」
イケメンは目をきらきらと輝かせている。その姿がなんだか大きなわんこみたいで、図らずもちょっとかわいいと思ってしまった。
「……わかりました、では、お願いします」
「かしこまらないでかしこまらないで、タメ語でいいんだよ~」
「えっあの」
イケメンは俺を馬(?)に乗せ、馬がギュンと走り出す。ってこれ一人乗りだろ!? どこに乗るとこあるの、俺どこに乗ってるの、なんか宙に浮いてる!
「はっはっは、はっはっは」
「うわ~~~~!!!!!」
そして俺とイケメンのゆかいな騎士団生活が始まるのだった。
そんなことを言うと読者諸君に「夢を見るのもいい加減にしろ」とか「なろう系小説の読み過ぎじゃないいか」とか言われてしまうと思うのだが、たぶん異世界転移してしまったのだと思う。もしくは外国。だってこんなだだっ広い草原とか日本にないでしょ? ある? いや、あるかもしれないけど、とにかく俺は今困っている。
「困っている君に、ドン! 英雄参上! どうしたんだい、迷ったのかい? 見慣れぬ服を着ているが、冒険者かな?」
空から舞い降りてきたのは槍を持ったさわやか系イケメン。なんだ、ナイトか? 光と闇を併せ持ち最強に見えるナイトか? ん、何かに乗ってる……黒い二輪……立って乗ってるのか……T字型の持ち手……!?
俺は……気付いてしまった。
「それってセグウェ……」
「おーっとそれ以上いけない」
「なんで!?」
「僕の愛馬の真名は封印されているんだ。うかつに呼ぶと封じ込めた闇の力が……」
「イケメンなのに闇の力!?」
「いや、ちょっと右手が疼いたり左目を眼帯で隠したりし始めてしまうくらいの力さ」
「それって厨二びょ……」
「こらこら、ははは。君はなかなかのじゃじゃ馬のようだな」
「いや違いますからね!?」
「それで君はどうしてこんな草原のど真ん中で困り果てていたんだい?」
「いやその……」
正直に言おうか迷ったが、この状況で助けてくれそうな人はこの人くらいしかいないし、それにこの人ならなんだか俺の妙な状況も笑わずに信じてくれそうな気がした。
「それがかくかくしかじかで」
「まるまるうまうま。異世界から転移してきてしまったと」
「そうなんですよ……俺、どうすればいいか……」
「うむ!」
いきなり叫ぶイケメン。俺はびっくりして少々跳び上がってしまった。
「行くところがないなら僕の騎士団に来たまえよ!」
「えっ……」
騎士団ってなんかキラキラしたイケメンばっかりいそうな気がするし、俺コミュ障だし、絶対馴染めない。
「大丈夫、実は僕もコミュ障なんだ!」
「えっ……?」
「人と話すの恥ずかしい!」
その割にはなんかキラキラで俺なんかに優しくしてくれてますけど……?
「まあまあ怖がることはない。みんな気のいい奴らさ、ちょっと変人だけど」
「えっ」
この一風変わったイケメンが変人だという騎士団の面々はじゃあいったいどんな変人なんだ、これ以上の変人がいるというのか!?
「まあまあ、ははは。君も心配性だなあ。大丈夫大丈夫。僕が保証するよ。大丈夫、しばらくは付き添ってあげるから!」
「えっえっ」
「大きな任務を終わらせたばかりで、しばらく仕事がないんだよね! 異世界の話も聞きたいし、ね、付き添わせてくれないかい、いいだろ?」
イケメンは目をきらきらと輝かせている。その姿がなんだか大きなわんこみたいで、図らずもちょっとかわいいと思ってしまった。
「……わかりました、では、お願いします」
「かしこまらないでかしこまらないで、タメ語でいいんだよ~」
「えっあの」
イケメンは俺を馬(?)に乗せ、馬がギュンと走り出す。ってこれ一人乗りだろ!? どこに乗るとこあるの、俺どこに乗ってるの、なんか宙に浮いてる!
「はっはっは、はっはっは」
「うわ~~~~!!!!!」
そして俺とイケメンのゆかいな騎士団生活が始まるのだった。