たぬきかきつねのロンサムサバイブ
みんないなくなってしまった。
狭い場所で一人。
思い出す、一人また一人と消えて行った関係のない人たち。
ヒトではない。
ヒトの姿はしているが、俺はたぬき。里を出て、ヒトに化けて暮らしていたら世の中があんなことになって、住むところがなくなって、里に帰った一匹のたぬきだ。
戻ってみれば、里は更地で何もなかった。
残っているのは幻だけ。
一匹また一匹と消えて行った……という記憶が幻となって見えてはいるが、たぬきはヒトを化かすものだ。ヒトに化けた俺もまた、ヒト扱いをされ化かされてしまう。
幻が本当だという保証はどこにもないし、逆もまたしかり。
信じていいのかどうなのかわからないまま、俺は佇んでいた。
誰もいなくなった里。
狭い場所で一人。
思い出す、一人また一人と消えて行った関係のない人たち。
ヒトではない。
ヒトの姿はしているが、俺はたぬき。里を出て、ヒトに化けて暮らしていたら世の中があんなことになって、住むところがなくなって、里に帰った一匹のたぬきだ。
戻ってみれば、里は更地で何もなかった。
残っているのは幻だけ。
一匹また一匹と消えて行った……という記憶が幻となって見えてはいるが、たぬきはヒトを化かすものだ。ヒトに化けた俺もまた、ヒト扱いをされ化かされてしまう。
幻が本当だという保証はどこにもないし、逆もまたしかり。
信じていいのかどうなのかわからないまま、俺は佇んでいた。
誰もいなくなった里。
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