短編小説(2庫目)
「誰かに『間違ってなかった』って言われたかったんだ」
「そっか」
「蟹、言ってくれないか」
「それ言ったら君、終わらない?」
「終わるって?」
「……わかるでしょ」
「……」
蟹ははー、とため息を吐いて、いいよと言った。
「言ったげる。……君は間違ってない、今までもこれからも。厳しい言葉を投げかけられるかもしれないけど、それは僕がかき消したげる。僕のパートナー、君」
「ん」
「大丈夫だよ」
蟹が俺の頭にハサミをのせる。
「僕はずっとそばにいるから」
言わせた言葉にも関わらず、それはじわりとおれに沁みた。
「そっか」
「蟹、言ってくれないか」
「それ言ったら君、終わらない?」
「終わるって?」
「……わかるでしょ」
「……」
蟹ははー、とため息を吐いて、いいよと言った。
「言ったげる。……君は間違ってない、今までもこれからも。厳しい言葉を投げかけられるかもしれないけど、それは僕がかき消したげる。僕のパートナー、君」
「ん」
「大丈夫だよ」
蟹が俺の頭にハサミをのせる。
「僕はずっとそばにいるから」
言わせた言葉にも関わらず、それはじわりとおれに沁みた。
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