リドルさんのお母様になりたい!
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ホリデー初日、帰省するリドルさんに着いて来た私は、改めてリドルさんの洋服を見て幾度目かの満足をする。リドルさんが着ているのはデートで私が買ってあげた洋服で、私が着ているのはリドルさんに買ってもらった洋服で、触れなくてもずっといちゃいちゃしている気がする。最高だ。
「ねえリドルさん、このまま帰省しないで、遠くへ行っちゃいましょうよ。2人でだったら、どこへでもいけます」
「……」
リドルさんは返事をしてくれなかった。
昼頃に出たのに、色々乗り継いで、着いたのは結局夕方になってからだった。
リドルさんが私の腰に手を回す。寒いのかしらとリドルさんを伺うと、リドルさんは「いつか、キミ、夕焼けって寂しくなると言ってたから」と言った。
私は彼にキスをした。角度を変えて、彼を抱きしめて、噛み付く様に、愛しています。愛しています。愛しています。
「ねえ、愛しています」
口でも言った。
「そんなに不安にならないで。ボクもキミを、愛している」
ああ、彼から貰ったその言葉がここまで心に響かなかったのは、初めてだった。
せめて信じさせてほしかった。
リドルさんの家は薔薇の生垣に包まれていた。
それはまるで、ローズハート家の本質を表しているかの様だ、と思った。
ああ。
体裁を整える為彼と離した手が、夕焼けが、寂しい。
呼び鈴を鳴らして、すぐに女性は訪れた。
リドルさんによく似た、とっても可愛らしい顔立ちの方だった。
私は、何も言わずに、ただ微笑んでいた。
彼に全てを任せたいと、任せるべきだと思った。
リドル•ローズハートの、人生の清算の時だ。
「リドル……?リドルッ!」
リドルさんはまず肩を掴まれ揺さぶられた。私は微笑みを崩さず、ただそれを見ていた。
「オーバーブロットの件、近所中で話題になってるわよ……!ああ、帰って来たからにはもう大丈夫」
「……お母様」
「そちらの彼女は……リドル?」
「……」
2人が視線を寄越すので、私は微笑みを浮かべ挨拶をした。
「ごきげんよう!リドル寮長のお母様。わたくし、フラン•フォエニコプテルスと申します」
「……リドルのご友人さんかしら?少し今立て込んでいて……」
「……お母様」
「リドル、リビングに戻って椅子に座っていなさい。……えっとリドルとはどう言う繋がりで」
「彼女は……フラン•フォエニコプテルスは……ボクが現在、お付き合いさせていただいている方です」
リドルさんがそう言った。言ってくれた。私は目を見開いた。リドルさんの母君も、私と同じ様に目を見開くのが見えた。
「……リドル、そんな、……が、学生の本分は勉強だと、そんなものに現を抜かすと馬鹿になるとあれほど……!」
「お母様、ご存知の通りボクは学年成績総合一位を常にキープしていますし、彼女も成績は常に上から五本の指に入ります」
「そんなことは関係ありません。論点を変えないでリドル。NRCに入る前、私は色恋に現を抜かすなとあれほど言いましたよね?それに……それに」
私の方へリドルさんのお母様の顔が向いた。ああ、舐める様な視線が上から下へ、下から上へと行き来して。
「……失礼ですけど、男性ですよね?」
……
私は、わざと、リドルさんのお母様の前に男の姿で赴いた。
リドルさんに流石に止められるかと思ったが、彼は止めなかった。本当は止めたそうな気配すらなかったから、ああ、完全に忘れてしまっていると、そう思った。
だから。
「……身体は男ですけど、心は女です!」
私が、最後のだめ押しをする。
必要なことだった。
「……リドルっ!」
リドルさんが腕を掴まれて、家の中に引き摺られていく。リドルさんは無抵抗だった。
玄関の扉が大きな音を立てて閉まった。
私は動かなかった。リドルさんの為に、動かないであげた。
そのうち、家の奥からヒステリックにぎゃあぎゃあ喚く声と、何か破裂音のような音が幾度も幾度も響いた。
私は、近所中に響くその声を、破裂音を、ずっとずっと聞いていた。
聞いていたけれど、リドルさんの声は最後まで一度も聞こえなかった。
「ねえリドルさん、このまま帰省しないで、遠くへ行っちゃいましょうよ。2人でだったら、どこへでもいけます」
「……」
リドルさんは返事をしてくれなかった。
昼頃に出たのに、色々乗り継いで、着いたのは結局夕方になってからだった。
リドルさんが私の腰に手を回す。寒いのかしらとリドルさんを伺うと、リドルさんは「いつか、キミ、夕焼けって寂しくなると言ってたから」と言った。
私は彼にキスをした。角度を変えて、彼を抱きしめて、噛み付く様に、愛しています。愛しています。愛しています。
「ねえ、愛しています」
口でも言った。
「そんなに不安にならないで。ボクもキミを、愛している」
ああ、彼から貰ったその言葉がここまで心に響かなかったのは、初めてだった。
せめて信じさせてほしかった。
リドルさんの家は薔薇の生垣に包まれていた。
それはまるで、ローズハート家の本質を表しているかの様だ、と思った。
ああ。
体裁を整える為彼と離した手が、夕焼けが、寂しい。
呼び鈴を鳴らして、すぐに女性は訪れた。
リドルさんによく似た、とっても可愛らしい顔立ちの方だった。
私は、何も言わずに、ただ微笑んでいた。
彼に全てを任せたいと、任せるべきだと思った。
リドル•ローズハートの、人生の清算の時だ。
「リドル……?リドルッ!」
リドルさんはまず肩を掴まれ揺さぶられた。私は微笑みを崩さず、ただそれを見ていた。
「オーバーブロットの件、近所中で話題になってるわよ……!ああ、帰って来たからにはもう大丈夫」
「……お母様」
「そちらの彼女は……リドル?」
「……」
2人が視線を寄越すので、私は微笑みを浮かべ挨拶をした。
「ごきげんよう!リドル寮長のお母様。わたくし、フラン•フォエニコプテルスと申します」
「……リドルのご友人さんかしら?少し今立て込んでいて……」
「……お母様」
「リドル、リビングに戻って椅子に座っていなさい。……えっとリドルとはどう言う繋がりで」
「彼女は……フラン•フォエニコプテルスは……ボクが現在、お付き合いさせていただいている方です」
リドルさんがそう言った。言ってくれた。私は目を見開いた。リドルさんの母君も、私と同じ様に目を見開くのが見えた。
「……リドル、そんな、……が、学生の本分は勉強だと、そんなものに現を抜かすと馬鹿になるとあれほど……!」
「お母様、ご存知の通りボクは学年成績総合一位を常にキープしていますし、彼女も成績は常に上から五本の指に入ります」
「そんなことは関係ありません。論点を変えないでリドル。NRCに入る前、私は色恋に現を抜かすなとあれほど言いましたよね?それに……それに」
私の方へリドルさんのお母様の顔が向いた。ああ、舐める様な視線が上から下へ、下から上へと行き来して。
「……失礼ですけど、男性ですよね?」
……
私は、わざと、リドルさんのお母様の前に男の姿で赴いた。
リドルさんに流石に止められるかと思ったが、彼は止めなかった。本当は止めたそうな気配すらなかったから、ああ、完全に忘れてしまっていると、そう思った。
だから。
「……身体は男ですけど、心は女です!」
私が、最後のだめ押しをする。
必要なことだった。
「……リドルっ!」
リドルさんが腕を掴まれて、家の中に引き摺られていく。リドルさんは無抵抗だった。
玄関の扉が大きな音を立てて閉まった。
私は動かなかった。リドルさんの為に、動かないであげた。
そのうち、家の奥からヒステリックにぎゃあぎゃあ喚く声と、何か破裂音のような音が幾度も幾度も響いた。
私は、近所中に響くその声を、破裂音を、ずっとずっと聞いていた。
聞いていたけれど、リドルさんの声は最後まで一度も聞こえなかった。