お前、どうして俺を買った!
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結婚してしたいことが何って聞いて、一人旅だなんて、ジャミルくんは本当に僕を傷付けるのが上手だよね。
いいよ。いいんだけどさ。もうナイフはあげたんだし、邪魔じゃないってだけでいいよ。邪魔になったら殺してね。
いいな、ジャミルくんには何かしたいことがあって。僕には何もないよ。きみの言う通り浅い人間だからさ。それに、ジャミルくんは僕のものだから僕の一存で自由にしてあげられるけど、僕はこの家のものだから、誰かの一存では自由に動けないし、僕に何かあった場合責任をとらなくちゃいけない人とかも出てきちゃうからさ、あんまり自由には動けないんだ。
いいよ。大丈夫。別にやりたいこともないって言うのは本当だし、きみを少しでも幸せにしてあげられたなら、こんな浅くてくだらない僕にも生まれてきて意味があったって信じられるから。むしろそれ以外に、今は自分に価値が見出せないくらいだ。それがやりたいことってことなら、多分そうなんだと思う。
僕、ちゃんときみを幸せにしてあげられているよね?
刺されていない時点で、カリムくんより僕を選んでくれているって、信じていいんだよね?
わかってる。僕をきみが評価してくれてるのは知ってるよ。でも、カリムくんだって良い奴だときみは評価してたから、それって何が違う?手がかからない?でもきみは、何もしていない時より、何かしているときの方が楽しそうだよね。
信じていいんだよね?僕と居て少しでもジャミルくんは幸せになってるって、信じていいんだよね?
……なんて。
こんなこと言ったら、幸せなのもそうじゃなくなっちゃうから、絶対言わないけどさ。
好きだよ、ジャミルくん。きみの為に今僕は生きてる。
きみに出会う前には、何のために生きてたんだっけ?
思い出せないな。それとも、何のためにも生きてなかったのかも。
今となっては、何のためにも生きていなかった頃の自分が、何故健康に生きられていたのかが思い出せない。理解できない。
だからさ、ジャミルくん。僕が生きていていいって、言い続けてね。ナイフを持っているのに僕を刺さないことで、それを証明し続けて。
それができなくなったら、その瞬間刺して。