保科宗四郎
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寝支度も済ませベッドへと横になる。
時折寝返りを打ちつつ睡魔がやってくるのを待つものの一向にやってくる気配はない。
月に何度かこうして眠れないことがあった。
どんなに体が疲れていてもベットに入ると途端に眠気が消えてしまうのだ。直前まで眠かったとしても…。
こうなってしまっては当分眠れないだろう、となまえは諦めたように起き上がる。
時計を見ればあと30分ほどで消灯時間になるところだった。
部屋にいても眠れないなら少し散歩にでも行こう。
そう思い立ちなまえはパーカーを羽織ると部屋を後にした。
夜空を見れば少しは気がまぎれるだろうと、屋上へと続く階段をのぼる。重い扉を開けば、暖かな風が頬を撫でた。
この時間でもビルにはところどころ明かりが灯っている。屋上から見る景色もなかなか綺麗だな、そんなことを思いながらベンチへと腰をかける。さらりと、風に髪を撫でられた。
なまえはほうっと息を吐くとそのままゆっくりと瞼を閉じる。
ときおり吹く風が心地いい。
数秒か数分かそうしていると後方で音がした。
誰かが屋上へ来たようだ。
振り返れば保科副隊長がこちらに近づいてくる。
「こんな時間になにしとるん?ええ子は寝る時間やで」
そう言いつつ差し出された手にはココアの缶があった。
ん、と手のひらに置かれればじんわりと温かさが広がる。暖かいと思っていたが、体は冷えてきていたらしい。
「保科副隊長お疲れ様です。ココアいただいてもいいんですか?」
「ええよ、なまえのために買って来てん。屋上に向かっとんなって思ったらなかなか降りてこんから…」
ちょっとだけ心配したんやで、と保科副隊長は隣に腰掛けた。
「ベッドに入ったものの寝付けなくて、消灯時間まで少し時間があったので夜風にあたろうと思ったんです。心配かけてしまってごめんなさい」
そういうと保科副隊長は慌てたように両手を振る。
「ちゃうねん、謝って欲しかったわけじゃなくて、なーんか暗い表情しとったからどうしたんかなって思て…なんともなかったならええんや…寝付けんこと結構あるん?僕にできることあるかも知れんし、言うてや」
小首を傾げながら問いかけてくる副隊長はなんだか可愛らしい。風に揺れる髪はとても柔らかそうだ。
「眠れなくなることが月に一回、何日か続くことがあるんです。寝付けても嫌な夢を見て起きちゃったり…あ、でも、任務に支障が出ないようにしてるので心配しないでください!」
寝れんのはしんどいよなぁ、と保科副隊長は腕を組むとうーん、何やら考えているようだ。
もらったココアを一口飲む。
程よい甘さがじんわりと染み渡るようだ。
せや!と、人差し指を立てた保科副隊長は名案だ!とばかりに言う。
「なまえあした非番やろ?眠れんのだったら寝んかったらいい!僕ちょうど見たかった映画があったんや!1人で見るのもなんだし、一緒に観よ!そうと決まればはよ、ココア飲み!」
にこにこと言ってのける副隊長の言葉に思わず缶を落としそうになる。
「え、映画ですか?」
「せやで!ホラーじゃないから安心してな」
安心、それは本当に安心していいのか?一応仲良くさせてもらっているが保科副隊長とはお付き合いはしていない。男女が同じ部屋で映画…副隊長のことは嫌いではない。むしろ尊敬しているし好きだ。でもこの好きが敬愛なのか愛慕なのかが分からない。不安げな顔をしてしまったのだろうか、副隊長は軽い様子で言う。
「心配せんでも今日はなんもせんよ。なまえは眠くなったら寝たらええ。寝れん日は僕んとこ来てくれたら映画でも読書でも付き合うし」
保科さん独り占めやで!とおちゃらけるものだから思わず笑ってしまった。
「今日はってことは、いつかは何かするんですか?」
冗談めかしに言えば、至極真面目に「まぁ、僕、なまえのこと狙っとるから、いつかはありえるな…とりあえず、時間外は保科さんって呼んでみよか」なんて答えるので思わず顔が真っ赤になった。
手を引かれ立ち上がると、扉へと歩き出す。
風は穏やかに頬を撫でていく。
眠れない夜も保科さんと一緒にいれば、眠れるようになるのだろうか。
とりあえず映画の内容なんて頭に入らないんだろうな、とドキドキと高鳴る鼓動にこの胸の高鳴りが愛慕なのだろうか…
もしそうないいな、と思う自分に少しだけ驚きつつ握られた手に応えるように少しだけ力を入れた
時折寝返りを打ちつつ睡魔がやってくるのを待つものの一向にやってくる気配はない。
月に何度かこうして眠れないことがあった。
どんなに体が疲れていてもベットに入ると途端に眠気が消えてしまうのだ。直前まで眠かったとしても…。
こうなってしまっては当分眠れないだろう、となまえは諦めたように起き上がる。
時計を見ればあと30分ほどで消灯時間になるところだった。
部屋にいても眠れないなら少し散歩にでも行こう。
そう思い立ちなまえはパーカーを羽織ると部屋を後にした。
夜空を見れば少しは気がまぎれるだろうと、屋上へと続く階段をのぼる。重い扉を開けば、暖かな風が頬を撫でた。
この時間でもビルにはところどころ明かりが灯っている。屋上から見る景色もなかなか綺麗だな、そんなことを思いながらベンチへと腰をかける。さらりと、風に髪を撫でられた。
なまえはほうっと息を吐くとそのままゆっくりと瞼を閉じる。
ときおり吹く風が心地いい。
数秒か数分かそうしていると後方で音がした。
誰かが屋上へ来たようだ。
振り返れば保科副隊長がこちらに近づいてくる。
「こんな時間になにしとるん?ええ子は寝る時間やで」
そう言いつつ差し出された手にはココアの缶があった。
ん、と手のひらに置かれればじんわりと温かさが広がる。暖かいと思っていたが、体は冷えてきていたらしい。
「保科副隊長お疲れ様です。ココアいただいてもいいんですか?」
「ええよ、なまえのために買って来てん。屋上に向かっとんなって思ったらなかなか降りてこんから…」
ちょっとだけ心配したんやで、と保科副隊長は隣に腰掛けた。
「ベッドに入ったものの寝付けなくて、消灯時間まで少し時間があったので夜風にあたろうと思ったんです。心配かけてしまってごめんなさい」
そういうと保科副隊長は慌てたように両手を振る。
「ちゃうねん、謝って欲しかったわけじゃなくて、なーんか暗い表情しとったからどうしたんかなって思て…なんともなかったならええんや…寝付けんこと結構あるん?僕にできることあるかも知れんし、言うてや」
小首を傾げながら問いかけてくる副隊長はなんだか可愛らしい。風に揺れる髪はとても柔らかそうだ。
「眠れなくなることが月に一回、何日か続くことがあるんです。寝付けても嫌な夢を見て起きちゃったり…あ、でも、任務に支障が出ないようにしてるので心配しないでください!」
寝れんのはしんどいよなぁ、と保科副隊長は腕を組むとうーん、何やら考えているようだ。
もらったココアを一口飲む。
程よい甘さがじんわりと染み渡るようだ。
せや!と、人差し指を立てた保科副隊長は名案だ!とばかりに言う。
「なまえあした非番やろ?眠れんのだったら寝んかったらいい!僕ちょうど見たかった映画があったんや!1人で見るのもなんだし、一緒に観よ!そうと決まればはよ、ココア飲み!」
にこにこと言ってのける副隊長の言葉に思わず缶を落としそうになる。
「え、映画ですか?」
「せやで!ホラーじゃないから安心してな」
安心、それは本当に安心していいのか?一応仲良くさせてもらっているが保科副隊長とはお付き合いはしていない。男女が同じ部屋で映画…副隊長のことは嫌いではない。むしろ尊敬しているし好きだ。でもこの好きが敬愛なのか愛慕なのかが分からない。不安げな顔をしてしまったのだろうか、副隊長は軽い様子で言う。
「心配せんでも今日はなんもせんよ。なまえは眠くなったら寝たらええ。寝れん日は僕んとこ来てくれたら映画でも読書でも付き合うし」
保科さん独り占めやで!とおちゃらけるものだから思わず笑ってしまった。
「今日はってことは、いつかは何かするんですか?」
冗談めかしに言えば、至極真面目に「まぁ、僕、なまえのこと狙っとるから、いつかはありえるな…とりあえず、時間外は保科さんって呼んでみよか」なんて答えるので思わず顔が真っ赤になった。
手を引かれ立ち上がると、扉へと歩き出す。
風は穏やかに頬を撫でていく。
眠れない夜も保科さんと一緒にいれば、眠れるようになるのだろうか。
とりあえず映画の内容なんて頭に入らないんだろうな、とドキドキと高鳴る鼓動にこの胸の高鳴りが愛慕なのだろうか…
もしそうないいな、と思う自分に少しだけ驚きつつ握られた手に応えるように少しだけ力を入れた