鳴海弦
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ゲーム仲間の鳴海隊長といつもと変わらずモンスターを狩るゲームに勤しむ。
1人でプレイするよりも効率よくアイテムも集まるし何より話し相手がいるのはストーリーを進めていく上でも楽しさが倍増する気がする。
モンスターが深傷を負って逃げていったところでそう言えばと世間話のつもりで話題に出したのは最近担当になった出雲テックの職員のことだった。
「新しく配属された出雲テックの担当さん。ことあるごとに武器の調子はどうかって気遣ってくれてるのかよく話しかけられるなって思ってたんだけど…なんかごはんに誘われた」
「…は?!」
鳴海隊長は手元が狂ったのか操作していたキャラクターはモンスターに奇襲をかけることなく気づかれてしまい派手に吹っ飛ばされる。そのままHPは削られていき画面にはデカデカとゲームオーバーの文字が表示された。
欲しかったアイテムは手に入ったからいいけどそんなに動揺することだったかな?
何か考えているのかぼんやりと画面を見つめていた鳴海隊長はゆっくりとした動作でこちらを振り向くと開かれた口から漏れ出た声は想像よりも小さいものだった。
「そいつのことが好きなのか?」
「んー、好きって言うかいい人だとは思う。爽やかだし気遣いもできるし仕事熱心だしね。でも、そんなに会ったことかあるわけじゃないからなぁ」
「…付き合うのか?」
珍しくコントローラを落としたかと思えば拾う様子もなくこちらを見据えたままの瞳は不安そうに揺らいでいる。
「このまま相手がいないのもって思うし。だからと言って第一部隊や他の隊の人ってなると何かあった時がつらいしなぁ。そもそも恋愛しに来たわけじゃないからな…担当さんとも付き合うとかは考えてないかな」
恋愛をしに来たわけではないが好きな人がいないわけではない。なんせこうしてゲーム仲間に落ち着いているが私は鳴海隊長が好きだ。
しかし隊長となれば隊員たちとは違い背負うものも対峙する怪獣も比べ物にならないぐらい強い。 今のところ大きな怪我もなく過ごしているがこの先の保証はない。
なによりせっかくこうして気兼ねなく部屋に行き来できる関係が壊れてしまう方が怖い。
恋愛に終わりがあっても友情にはあまり終わりがない。
相手ができてしまえばおいそれと会えはしないが同じ隊にいるのだから自然と話す機会はある。隊長なら尚更だ。
鳴海隊長にはゲーム仲間とでも思ってもらえていたら万々歳だ。
「…めておけ…」
「ん?なに?」
「やめておけ、と言ったんだ!!!!!!」
珍しく声を荒げる鳴海隊長に思わず目を丸くする。 保科副隊長や長谷川副隊長に噛み付いているのはよく見るが私の前では割とおとなしいのに。
「めずらしいね、ゲーム仲間が減るのはいや?」
なるべく核心に触れぬよう、しかし思ったことを口にすれば鳴海隊長は一瞬顔を歪めるとそのまま俯いてしまう。
「…せっかく、せっかくこうして隣にいれる関係になったんだ。ただでさえなまえを狙ってるヤツは多い。気づいてないかもしれないが第一部隊はもちろん経理やオペレーター…なんならおかっぱ糸目の隊にも気があるヤツはいる。そいつらを追い払うのにボクがどれだけ苦労したか!なのに、何処の馬の骨かわからんヤツに!!!」
「えっと…それってなんか、鳴海隊長もわたしのこと…」
「…好きでもないのに長時間部屋にいることを許すわけないだろう。それなのにキミはホイホイと自分の部屋にまでボクを招いて。あげく無防備な寝顔まで晒して…!今まで何もなかったことに感謝してほしいくらいだ!」
そこまで言い切った鳴海隊長の顔は見たことがないほどに赤く染まっている。 それにつられてじわじわと熱が上がるのを感じる。 気を抜くとにやけそうだ。
これは、本当に両思いだと思っていいのだろうか せっかく鳴海隊長が気持ちを伝えてくれたのだから素直になってみようかな。
「えっと、入隊してからずっと鳴海隊長のことが気になってて、振り向いてもらえる様に努力もしてきたけど…。こうしてゲームができる仲になってこのままの関係で満足しようとしてたんだけど…諦めなくてもいいの?わたし、結構めんどくさいよ。怪我もしてほしくないしそれ以上だって…」
「ボクがオトモダチなんかで満足するはずがないだろ。どう意識させるか考えてたがやめだ。なまえ、ボクはキミが思っているよりもキミのことが好きだ。他のヤツに笑顔を見せてほしくないしなんならボク以外に話してほしくないぐらいに、だ」
「わぁ、なかなかヘビーですね。全く気がつきませんでした」
そう返せば手刀が頭頂部を目掛けて振り下ろさせる。衝撃に備えて身構えてみたが思ったほどの痛みはない。
「思ったとしても実際にするわけないだろう…ボクのことはてっきり眼中になんてないとばかり…」
「あはは、これ以上好きにならないようにブレーキ掛けてたからね。さっきも言いったけど付き合おうとも付き合えるとも思っていなかったし…鳴海隊長、私も鳴海隊長のことが好きです」
「ボクの方が先に好きになっていた。…出雲テックの担当は断れよ」
「もちろんです。あ、もうゲームの続きしない?」
いつのまにか画面はデモプレイが流れ始めたていて先ほど戦っていたモンスターも映っている。
猫みたいな動きが可愛いんだよな、このモンスター。
ぼんやりと考えていると鳴海隊長がふんっと鼻を鳴らすとそのまま布団の上へと倒れ込んだ。
仰向けになったことにより前髪が流れていつもは隠れている瞳がはっきりと私を映す。
「しない。今日はもうこのまま寝る。やっとボクのものになったんだ。離してやるものか」
「ふふ、ならしっかり抱きしめて眠ってくださいね。私寝相悪いので」
そう言って隣に寝そべればしっかりとした腕が頭の下に通される。ぐっと近づいた距離に気恥ずかしくなり肩口へと顔を埋める。
「望むところだ。泣いてやめてと言っても離してやらん」
「…それはちょっと別の意味に聞こえるんで、鳴海隊長過剰摂取で死んじゃいます。」
「…なまえ」
抱きしめられたまま見つめられれば鳴海隊長が何を思っているのか分かるような気がした。 これは思いが通じ合ったから…? その名前をそっと唇に乗せればそれはそれは嬉しそうに目を細めて柔らかな唇が答えるように触れた。
次からも名前で呼んでくれ… どろりと蜂蜜が溶け出るような甘い声音に私はそっと頷いた。
1人でプレイするよりも効率よくアイテムも集まるし何より話し相手がいるのはストーリーを進めていく上でも楽しさが倍増する気がする。
モンスターが深傷を負って逃げていったところでそう言えばと世間話のつもりで話題に出したのは最近担当になった出雲テックの職員のことだった。
「新しく配属された出雲テックの担当さん。ことあるごとに武器の調子はどうかって気遣ってくれてるのかよく話しかけられるなって思ってたんだけど…なんかごはんに誘われた」
「…は?!」
鳴海隊長は手元が狂ったのか操作していたキャラクターはモンスターに奇襲をかけることなく気づかれてしまい派手に吹っ飛ばされる。そのままHPは削られていき画面にはデカデカとゲームオーバーの文字が表示された。
欲しかったアイテムは手に入ったからいいけどそんなに動揺することだったかな?
何か考えているのかぼんやりと画面を見つめていた鳴海隊長はゆっくりとした動作でこちらを振り向くと開かれた口から漏れ出た声は想像よりも小さいものだった。
「そいつのことが好きなのか?」
「んー、好きって言うかいい人だとは思う。爽やかだし気遣いもできるし仕事熱心だしね。でも、そんなに会ったことかあるわけじゃないからなぁ」
「…付き合うのか?」
珍しくコントローラを落としたかと思えば拾う様子もなくこちらを見据えたままの瞳は不安そうに揺らいでいる。
「このまま相手がいないのもって思うし。だからと言って第一部隊や他の隊の人ってなると何かあった時がつらいしなぁ。そもそも恋愛しに来たわけじゃないからな…担当さんとも付き合うとかは考えてないかな」
恋愛をしに来たわけではないが好きな人がいないわけではない。なんせこうしてゲーム仲間に落ち着いているが私は鳴海隊長が好きだ。
しかし隊長となれば隊員たちとは違い背負うものも対峙する怪獣も比べ物にならないぐらい強い。 今のところ大きな怪我もなく過ごしているがこの先の保証はない。
なによりせっかくこうして気兼ねなく部屋に行き来できる関係が壊れてしまう方が怖い。
恋愛に終わりがあっても友情にはあまり終わりがない。
相手ができてしまえばおいそれと会えはしないが同じ隊にいるのだから自然と話す機会はある。隊長なら尚更だ。
鳴海隊長にはゲーム仲間とでも思ってもらえていたら万々歳だ。
「…めておけ…」
「ん?なに?」
「やめておけ、と言ったんだ!!!!!!」
珍しく声を荒げる鳴海隊長に思わず目を丸くする。 保科副隊長や長谷川副隊長に噛み付いているのはよく見るが私の前では割とおとなしいのに。
「めずらしいね、ゲーム仲間が減るのはいや?」
なるべく核心に触れぬよう、しかし思ったことを口にすれば鳴海隊長は一瞬顔を歪めるとそのまま俯いてしまう。
「…せっかく、せっかくこうして隣にいれる関係になったんだ。ただでさえなまえを狙ってるヤツは多い。気づいてないかもしれないが第一部隊はもちろん経理やオペレーター…なんならおかっぱ糸目の隊にも気があるヤツはいる。そいつらを追い払うのにボクがどれだけ苦労したか!なのに、何処の馬の骨かわからんヤツに!!!」
「えっと…それってなんか、鳴海隊長もわたしのこと…」
「…好きでもないのに長時間部屋にいることを許すわけないだろう。それなのにキミはホイホイと自分の部屋にまでボクを招いて。あげく無防備な寝顔まで晒して…!今まで何もなかったことに感謝してほしいくらいだ!」
そこまで言い切った鳴海隊長の顔は見たことがないほどに赤く染まっている。 それにつられてじわじわと熱が上がるのを感じる。 気を抜くとにやけそうだ。
これは、本当に両思いだと思っていいのだろうか せっかく鳴海隊長が気持ちを伝えてくれたのだから素直になってみようかな。
「えっと、入隊してからずっと鳴海隊長のことが気になってて、振り向いてもらえる様に努力もしてきたけど…。こうしてゲームができる仲になってこのままの関係で満足しようとしてたんだけど…諦めなくてもいいの?わたし、結構めんどくさいよ。怪我もしてほしくないしそれ以上だって…」
「ボクがオトモダチなんかで満足するはずがないだろ。どう意識させるか考えてたがやめだ。なまえ、ボクはキミが思っているよりもキミのことが好きだ。他のヤツに笑顔を見せてほしくないしなんならボク以外に話してほしくないぐらいに、だ」
「わぁ、なかなかヘビーですね。全く気がつきませんでした」
そう返せば手刀が頭頂部を目掛けて振り下ろさせる。衝撃に備えて身構えてみたが思ったほどの痛みはない。
「思ったとしても実際にするわけないだろう…ボクのことはてっきり眼中になんてないとばかり…」
「あはは、これ以上好きにならないようにブレーキ掛けてたからね。さっきも言いったけど付き合おうとも付き合えるとも思っていなかったし…鳴海隊長、私も鳴海隊長のことが好きです」
「ボクの方が先に好きになっていた。…出雲テックの担当は断れよ」
「もちろんです。あ、もうゲームの続きしない?」
いつのまにか画面はデモプレイが流れ始めたていて先ほど戦っていたモンスターも映っている。
猫みたいな動きが可愛いんだよな、このモンスター。
ぼんやりと考えていると鳴海隊長がふんっと鼻を鳴らすとそのまま布団の上へと倒れ込んだ。
仰向けになったことにより前髪が流れていつもは隠れている瞳がはっきりと私を映す。
「しない。今日はもうこのまま寝る。やっとボクのものになったんだ。離してやるものか」
「ふふ、ならしっかり抱きしめて眠ってくださいね。私寝相悪いので」
そう言って隣に寝そべればしっかりとした腕が頭の下に通される。ぐっと近づいた距離に気恥ずかしくなり肩口へと顔を埋める。
「望むところだ。泣いてやめてと言っても離してやらん」
「…それはちょっと別の意味に聞こえるんで、鳴海隊長過剰摂取で死んじゃいます。」
「…なまえ」
抱きしめられたまま見つめられれば鳴海隊長が何を思っているのか分かるような気がした。 これは思いが通じ合ったから…? その名前をそっと唇に乗せればそれはそれは嬉しそうに目を細めて柔らかな唇が答えるように触れた。
次からも名前で呼んでくれ… どろりと蜂蜜が溶け出るような甘い声音に私はそっと頷いた。
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