鳴海弦
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自主訓練も終わり喉の渇きを覚えた苗字は、飲み物でも買うかと自販機へと向かう。いつもよりも体が重い気がするが、少しの寝不足と自主訓練の疲れだろうとあまり気に留めなかった。
さて、どれにしようかと、視線を巡らす。 炭酸、スポドリ…それとも無難に水? 炭酸の喉にくるシュワシュワする感覚は捨て難いな、とボタンを押そうとしたところでぐらりと視線が揺れ膝から崩れ落ちそうになる。
「わっ……!!!」
衝撃に備えようと固く目を閉じてみたものの、いつまで経っても痛みはない。
代わりにお腹に回された力強い腕と背中には微かに温もりを感じる。 はて、と後ろを見やれば馴染みのある顔が眉間に皺を寄せていた。 鳴海隊長だ。
「あー…鳴海たいちょー、おつかれさまです…」
へらり、と笑ってみればさらに眉間の皺は濃くなった。視界が歪むのを感じながら言葉を紡ぐ。
「たいちょ、不思議ですね、隊長のお顔がぐるぐるまわります…」
「あ、おい…!!!!なまえ!!!!!!」
鳴海隊長の焦る声を聞きつつ、苗字は意識を手放した。
見慣れた後ろ姿に声をかけようと近づけば、その場に崩れ落ちるように苗字の体は傾いた。 慌てて腕を回せば気の抜けるような言葉を紡ぎそのまま意識を失ってしまう。 声をかけるも起きる気配はない。 しかたなく自身の部屋へと運ぼうと膝裏と背中に手を回し抱えれば、んっと、身じろぎ顔を埋める。
こちらの気も知らないで… 鳴海は苗字を抱え直すと自身の部屋へと向かうのだった。
自室に戻るも寝かせられる場所といえば鳴海の布団しかない。あいにくソファはYAMAZONのダンボールに埋もれてしまっているのだ。 なにより、ソファに寝かせるのは気が引けた。 掛け布団をどかし慎重に寝かせればんんっと声を漏らしながら寝返りを打つ。
鳴海はその姿になんとなく気恥ずかしくなると、何度か首を振り布団をかけるとコンビニへと向かうのだった。
がさり、と物が置かれた音に意識が浮上する。
ぼんやりとした頭で自身の置かれた状況を把握しようと考える。
自主訓練の後に自販機に寄って?それから…? 鳴海隊長がいなかった?それにしてもいい匂いする。あれ、わたし、横になってない?はて、と思い目を瞬かせれば頭上から「やっと起きたのか」と声がかけられる。 そこには安堵の表情を浮かべる鳴海隊長がいた。
「あ、鳴海隊長………っ」
勢いよく起き上がれば、また眩暈がする。
「あ、ばか、急に起きるやつがあるか…!!!」
そう言った鳴海に抱き止められれば布団から微かにしていた匂いがさらに強く香る。 …ひぇ、隊長の匂いだったのかと、理解した苗字は顔に熱が集まるのを感じた。
「辛いのか?顔が赤いぞ」
そう言うと鳴海は額を合わせる。
こつりと当たる額からはじんわりと鳴海の体温を感じる。 前髪はさらさらだし、髪の毛もいい匂いする…どこもかしこもいい匂いなの? それにしてもまつ毛長いな…節目がちなお顔もかっこいいな… や、隊長はいつもかっこいいけど…っ 突然のことに苗字の頭の中は軽くパニックになっていた。そして気づく。
「た、たいちょ、顔が、お顔が近いです…!!」
ぐっと、鳴海の胸を押せばすんなりと離れていった。
「熱は、ないな…。とりあえず、これでも飲め」
鳴海は咳払いし、がさがさと袋を漁りスポドリを手渡せばそれを受け取る。 こくり、と喉を鳴らして飲めば渇きも満たされ 意識もはっきりしてきた。
「あの、ありがとうございます!昨日、少し眠れなかったので、隊長のお布団で眠れてスッキリしました。えっと、なにか、罰とかありますか?あ、YAMAZONで何かお詫びに買います」
自主訓練後に自販機まで行ったことは覚えている。しかしそこからの記憶がない。隊長室のしかも、鳴海の布団に寝かせられていたということは、そういうことだ。曲がりなりにも第一部隊の隊員が寝不足で倒れ、しかも隊長自ら介抱したとなれば恥ずかしさで居た堪れない。
「罰…そうだな」
鳴海は何か思案するように顎に手を添える。 前髪から除く赤い瞳はすっと細められた。
苗字は無意識に身構えた。
「…なまえ、キミはスッキリしたと言ったな。僕はあいにくスッキリしていない。何もないところで倒れそうになるなまえを見てしまったからな。罰はないが褒美をもらう。ボクが起きるまでここにいろ」
そう言って鳴海は苗字を抱きしめるようにして布団に潜り込んだ。所詮抱き枕である。
た、たいちょ、これ、これは勘違いしそうになる!と、内心焦った苗字は、なんとか離れようとすれば。 「だめだ、もっとこっちにこい」とさらに引き寄せられる。 回された腕は苦しくない丁度いい力加減で、離れようと思えば離れられるのに。その選択肢はなくなってしまった。 眠れそうにないと思ってたのに、鳴海の心地いい心音に上下する肩につられて瞼が重くなるのを感じる。
鳴海隊長は一緒に眠ることを褒美と言ったけど、これでいいのかな。起きたら聞いてみよう。 苗字は鳴海の胸に擦り寄るともう一度眠りにつくのだった。
さて、どれにしようかと、視線を巡らす。 炭酸、スポドリ…それとも無難に水? 炭酸の喉にくるシュワシュワする感覚は捨て難いな、とボタンを押そうとしたところでぐらりと視線が揺れ膝から崩れ落ちそうになる。
「わっ……!!!」
衝撃に備えようと固く目を閉じてみたものの、いつまで経っても痛みはない。
代わりにお腹に回された力強い腕と背中には微かに温もりを感じる。 はて、と後ろを見やれば馴染みのある顔が眉間に皺を寄せていた。 鳴海隊長だ。
「あー…鳴海たいちょー、おつかれさまです…」
へらり、と笑ってみればさらに眉間の皺は濃くなった。視界が歪むのを感じながら言葉を紡ぐ。
「たいちょ、不思議ですね、隊長のお顔がぐるぐるまわります…」
「あ、おい…!!!!なまえ!!!!!!」
鳴海隊長の焦る声を聞きつつ、苗字は意識を手放した。
見慣れた後ろ姿に声をかけようと近づけば、その場に崩れ落ちるように苗字の体は傾いた。 慌てて腕を回せば気の抜けるような言葉を紡ぎそのまま意識を失ってしまう。 声をかけるも起きる気配はない。 しかたなく自身の部屋へと運ぼうと膝裏と背中に手を回し抱えれば、んっと、身じろぎ顔を埋める。
こちらの気も知らないで… 鳴海は苗字を抱え直すと自身の部屋へと向かうのだった。
自室に戻るも寝かせられる場所といえば鳴海の布団しかない。あいにくソファはYAMAZONのダンボールに埋もれてしまっているのだ。 なにより、ソファに寝かせるのは気が引けた。 掛け布団をどかし慎重に寝かせればんんっと声を漏らしながら寝返りを打つ。
鳴海はその姿になんとなく気恥ずかしくなると、何度か首を振り布団をかけるとコンビニへと向かうのだった。
がさり、と物が置かれた音に意識が浮上する。
ぼんやりとした頭で自身の置かれた状況を把握しようと考える。
自主訓練の後に自販機に寄って?それから…? 鳴海隊長がいなかった?それにしてもいい匂いする。あれ、わたし、横になってない?はて、と思い目を瞬かせれば頭上から「やっと起きたのか」と声がかけられる。 そこには安堵の表情を浮かべる鳴海隊長がいた。
「あ、鳴海隊長………っ」
勢いよく起き上がれば、また眩暈がする。
「あ、ばか、急に起きるやつがあるか…!!!」
そう言った鳴海に抱き止められれば布団から微かにしていた匂いがさらに強く香る。 …ひぇ、隊長の匂いだったのかと、理解した苗字は顔に熱が集まるのを感じた。
「辛いのか?顔が赤いぞ」
そう言うと鳴海は額を合わせる。
こつりと当たる額からはじんわりと鳴海の体温を感じる。 前髪はさらさらだし、髪の毛もいい匂いする…どこもかしこもいい匂いなの? それにしてもまつ毛長いな…節目がちなお顔もかっこいいな… や、隊長はいつもかっこいいけど…っ 突然のことに苗字の頭の中は軽くパニックになっていた。そして気づく。
「た、たいちょ、顔が、お顔が近いです…!!」
ぐっと、鳴海の胸を押せばすんなりと離れていった。
「熱は、ないな…。とりあえず、これでも飲め」
鳴海は咳払いし、がさがさと袋を漁りスポドリを手渡せばそれを受け取る。 こくり、と喉を鳴らして飲めば渇きも満たされ 意識もはっきりしてきた。
「あの、ありがとうございます!昨日、少し眠れなかったので、隊長のお布団で眠れてスッキリしました。えっと、なにか、罰とかありますか?あ、YAMAZONで何かお詫びに買います」
自主訓練後に自販機まで行ったことは覚えている。しかしそこからの記憶がない。隊長室のしかも、鳴海の布団に寝かせられていたということは、そういうことだ。曲がりなりにも第一部隊の隊員が寝不足で倒れ、しかも隊長自ら介抱したとなれば恥ずかしさで居た堪れない。
「罰…そうだな」
鳴海は何か思案するように顎に手を添える。 前髪から除く赤い瞳はすっと細められた。
苗字は無意識に身構えた。
「…なまえ、キミはスッキリしたと言ったな。僕はあいにくスッキリしていない。何もないところで倒れそうになるなまえを見てしまったからな。罰はないが褒美をもらう。ボクが起きるまでここにいろ」
そう言って鳴海は苗字を抱きしめるようにして布団に潜り込んだ。所詮抱き枕である。
た、たいちょ、これ、これは勘違いしそうになる!と、内心焦った苗字は、なんとか離れようとすれば。 「だめだ、もっとこっちにこい」とさらに引き寄せられる。 回された腕は苦しくない丁度いい力加減で、離れようと思えば離れられるのに。その選択肢はなくなってしまった。 眠れそうにないと思ってたのに、鳴海の心地いい心音に上下する肩につられて瞼が重くなるのを感じる。
鳴海隊長は一緒に眠ることを褒美と言ったけど、これでいいのかな。起きたら聞いてみよう。 苗字は鳴海の胸に擦り寄るともう一度眠りにつくのだった。