ハッピーエンド?
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「…菜緒
ごめん。」
ベッドで眠る菜緒をみた。
いつからだろう菜緒の顔をちゃんとみたのは。
菜緒の顔はこんなに痩けていただろうか?
いつから?
馬鹿な問いだ、俺は見ていなかったのだから。
現実を見ていなかった。
むしろ、菜緒のほうがちゃんと見えていたよ。
だからこんな結果になったんだから捨てられるのだって当たり前だよ。
別れてくれと、離婚してくれと言った菜緒は本気だった。
でも俺は、今更だけど離れたくない、別れたくない。
あの頃の俺は、見てくれだけで群がってくる女とは違っていた菜緒をすげーって思ってた。
他の奴とは違う。
俺の隣を手放したくないと言った強い言葉が頭に反芻する。
「菜緒は、ほんと強かったんだ。
今更気づくなんて」
ほんと、救いようのない馬鹿だオレ。
先ほど帰った笠松先輩がオレの頭をどつき言った。
もうこれ以上菜緒を苦しめるなって、だったらもうオレのやることはたった一つしかなかった。
菜緒の痩けた頬を撫でる。
壊れないように、優しく。
嗚呼、コレで最後だからお願いだから目を覚まさないでくれ。
もう離れたくないって自覚してんのに。
でも、オレはやっぱり菜緒を見たときから恋い焦がれていたんだ。
どうしようもないほどに。
「オレってほんと救いようのないバカだ」
俺がいなくても笑ってくれればいい。
隣にいなくても幸せになってくれればいい。
なんて、なんかのドラマの台詞が浮かんだ。
そのときは何にも思わなかった監督の言われた通りに演技しただけだし。
まさかその台詞を言った本人がそれを否定する日が来るなんて。
それでも決めた、普段ほとんど我が儘を言わないキミのため。
笑顔でいてほしいから。
そしてこれはオレのエゴでもあるから。
「菜緒、別れよう」
コレが傷付けまくったキミへの唯一の償い。
だから、目が覚めるまで菜緒の寝顔を眺めることをどうか許してほしい。
