ハッピーエンド?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
涼太くんと離婚して数年が経った。
姓を元に戻し、家を出て、しばらくは実家にお世話になったり…と色々あった。
本当に色んなことがあった。
思えば結婚してから、いや涼太くんと出会ってから苦しいことが多かった、と思う。
憧れの高校生活も同性の嫌がらせ、友達なんてまともにいなかったし。
結婚してからも涼太くんの心変わりが怖くて、毎晩不安で押しつぶされそうになって泣いていた。
でも、それでも後悔はしていない。
全部、私が決めたことだから。
あの太陽みたいなキラキラした隣にいたかった。
誰にも譲りたくなかったの。
今思うともの凄い執念の様なモノだったと思う。
ソレが恋だったのか、愛だったのかなんて今となっては分からないけれど。
そして、私はいま日本を出て海外にいる。
昔から興味があった職に就き、誰も私のことを知らない土地で新たな生活を送っている。
はじめは言葉の壁にぶち当たり交友関係とか慣れないことばかりで涼太くんといた頃とは違う意味での涙を流して寝たことも何度もあった。
それでも、数年経てば言葉の壁もなんとか克服し友人と呼べる人も数人出来た。
吹っ切れたと言えば嘘にはなるけれど、毎日がとても充実している。
まあ、たまに夢に出てくる涼太くんを思って寂しいような虚しいような感情に襲われるけれども。
きっといつかそんなこともあったなぁと思えると…思う。
なんて、まだ未練はあるのかもしれないけれど。
しかたないのだ、私の人生の半分には涼太くんがいたから、しかたない。
そう自分に言い聞かせ毎日をやり過ごして元気に過ごしてます。
私たちの結末は幸せで終わらなかった。
きっと、日本では涼太くんは私のことなんて忘れて新しい好きな人とかもしかしたら結婚もしているかもしれない。
私はそれをまだ心から祝福することは出来ないけれど。
それでも、私はきっとずっと彼の幸せを誰よりも願ってる。
彼の居ない地で祈ってる。
これが私たちの結末。
そんなことを思いながら、仕事帰りの道をひとり歩いていると何やら人だかりが出来ていた。
困ったな、この道が一番の家までの近道なんだけど。
なにかイベントでもやっているのかな、そんな情報きいてないが。
しかたない、と思って一本いつもと違う道で帰ることにした。
帰ったら新しい資格の勉強をしなきゃなあ、あと夕ごはんどうしようかな。
外食という手もあるけれど、明日はお休みと言うこともあってどのお店も混んでいるだろうし。
「おねーさん、どうしたの?」
『えっ?』
久しぶりに聞く日本語にびっくりしたのとナンパされるのかとか思ったけれど。
そんな考えを吹っ飛ばす、懐かしい声に思わず振り返った。
「久しぶり、菜緒」
『な、なんで?』
夕日に照らされ登場したその人は。
キラキラの黄色の髪、耳には私が送った誕生日石のピアス。
そして「菜緒に会いたくて、たまらなく会いたくなって。
思い切って来てみちゃったんスよ」とはにかみながら私のことをまっすぐ見ていた。
呆然としている私に彼は、涼太くんは手を差し出して。
「菜緒は?
最低な元夫のことなんて忘れちゃったんスかね?」
なんて。
何でここに居るのとか、親にしかこの国にいるのは言ってないのにとか全部分からなかったけど、けれど
『本当に狡い人、最低』
その手を拒むことが出来るなんて思ってもいないくせに。
『ひさしぶり、元夫さん』
もしかしたらだけれども。
私の私たちの結末はまだだったのかもしれない。
そう思いながら私は差し出されたその手に、自分の手を重ねた。
end
10/10ページ
