初恋ランプ
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カチッカチッと時計の音だけがやけに耳につく静かな夜。
誰もが寝静まった午前0時。
リョーマの部屋は電気こそ消してはいるが部屋の主は眠れていなかった。
ゴロゴロと幾度と寝返りを打ったり目を閉じたり開いたり。
今日も部活でヘトへトな体、いつもなら直ぐに寝れる。
けれど、今日は眠りの入り口にすら立てていない。
仕方なく水でも飲むかと思って体を起こす。
部屋を出ると目の前には自分と同じ部屋の扉。
水を飲むことは頭から簡単に抜け、リョーマは目の前の扉の静かに音を立てないようにゆっくりドアノブを捻った。
当たり前だけれどもこの部屋の主もとっくに眠りについていた。
真っ暗だったけれど、迷うことなく真っ直ぐ歩みを進める。
「まつり?」
眠っていることを確認するために静かに名前を呼ぶ。
勿論返事は返ってこない、一回寝ると中々起きないヤツだから。
それなのに朝は俺と違って早い。
眠りが元々深いタイプなのか、とどうでもいいことに考えを巡らす。
わずかに暗闇から目が慣れてきた。
薄らと部屋の主が見えてくる。
スゥスゥと寝息を立てて無防備な顔で寝ている。
そのことに少し安堵した、よかった魘されてはいないようだ。
「ごめんな?
ほんと、ダメな兄で」
昔からそうだ。
俺はまつりのあの不安な顔が苦手だ。
今にも泣き出しそうに目を真っ赤にさせて、部屋の隅に縮こまって、ぬいぐるみを抱きしめる。
今日は、本当に久しぶりに喧嘩をした。
まぁほとんど俺が悪いんだけれども。
昔から俺たちは喧嘩という喧嘩をしなかった。
だからこそなのか、喧嘩をすると俺も不安になる。
まつりに嫌われたらどうしよう。
そんなことが起こったら俺はきっと、いや確実に立ち直れない。
親父にも母さんにも何度も言われる。
俺はまつりにだけは弱いって、だから喧嘩をすると大体俺が折れる事が多い。
だって、嫌われたくないのだ絶対に。
それだけは避けたいなんとしてでも。
どうしてだろう、誰にだって意思を曲げずに接することが出来るのに。それを生意気を思われようとどうだっていい。
それなのにまつりには…。
「このぬいぐるみ、渡したときかな」
この羊のぬいぐるみは昔、近所のまつりに行ったときだった。
あまりにも賑やかで綺麗だとはしゃくまつりの手を離してしまった。直ぐに見つかったのだが、俺は生きた心地がしなかった。
いつもの泣き虫まつりは泣いているし、どうしようと思ったときに目に付いた射的の景品。
軍資金全てを使って手に入れた。
でも、そんなことどうでもいい。
まつりの笑顔が見れたから。
あの笑顔を見た瞬間まつりは俺にとって一番大事で、一番大切な存在だってより一層思った。
“ありがとう、おにーちゃん”
あの声、あの笑顔は今でも変わってない。
それがとても嬉しい本当に。
誰よりも大切な存在だからこそ誰よりも傍にいてほしい。
まつりもそう思っていてほしい。
これは、汚い感情なのだろうか?
『んぅ……おにいちゃん』
まつりの寝言でハッと我に返る。
時計をみるとそろそろ寝ないと明日の部活に響く。
名残惜しいけれど俺も寝よう。
最後にまつりの少し乱れた前髪を整えてお休みのキスを額に落とす。
静かに来たときよりも軽い心で部屋を出て今度こそ眠りについた。
時計の短針は3を指していた。
目を覚ましたときは部活がとうに始まっている時間で、学校に着いたとき何故かみんなグラウンド30周を言い渡されていて。
遅刻した俺はみんなの倍の量を走らされた。
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誰もが寝静まった午前0時。
リョーマの部屋は電気こそ消してはいるが部屋の主は眠れていなかった。
ゴロゴロと幾度と寝返りを打ったり目を閉じたり開いたり。
今日も部活でヘトへトな体、いつもなら直ぐに寝れる。
けれど、今日は眠りの入り口にすら立てていない。
仕方なく水でも飲むかと思って体を起こす。
部屋を出ると目の前には自分と同じ部屋の扉。
水を飲むことは頭から簡単に抜け、リョーマは目の前の扉の静かに音を立てないようにゆっくりドアノブを捻った。
当たり前だけれどもこの部屋の主もとっくに眠りについていた。
真っ暗だったけれど、迷うことなく真っ直ぐ歩みを進める。
「まつり?」
眠っていることを確認するために静かに名前を呼ぶ。
勿論返事は返ってこない、一回寝ると中々起きないヤツだから。
それなのに朝は俺と違って早い。
眠りが元々深いタイプなのか、とどうでもいいことに考えを巡らす。
わずかに暗闇から目が慣れてきた。
薄らと部屋の主が見えてくる。
スゥスゥと寝息を立てて無防備な顔で寝ている。
そのことに少し安堵した、よかった魘されてはいないようだ。
「ごめんな?
ほんと、ダメな兄で」
昔からそうだ。
俺はまつりのあの不安な顔が苦手だ。
今にも泣き出しそうに目を真っ赤にさせて、部屋の隅に縮こまって、ぬいぐるみを抱きしめる。
今日は、本当に久しぶりに喧嘩をした。
まぁほとんど俺が悪いんだけれども。
昔から俺たちは喧嘩という喧嘩をしなかった。
だからこそなのか、喧嘩をすると俺も不安になる。
まつりに嫌われたらどうしよう。
そんなことが起こったら俺はきっと、いや確実に立ち直れない。
親父にも母さんにも何度も言われる。
俺はまつりにだけは弱いって、だから喧嘩をすると大体俺が折れる事が多い。
だって、嫌われたくないのだ絶対に。
それだけは避けたいなんとしてでも。
どうしてだろう、誰にだって意思を曲げずに接することが出来るのに。それを生意気を思われようとどうだっていい。
それなのにまつりには…。
「このぬいぐるみ、渡したときかな」
この羊のぬいぐるみは昔、近所のまつりに行ったときだった。
あまりにも賑やかで綺麗だとはしゃくまつりの手を離してしまった。直ぐに見つかったのだが、俺は生きた心地がしなかった。
いつもの泣き虫まつりは泣いているし、どうしようと思ったときに目に付いた射的の景品。
軍資金全てを使って手に入れた。
でも、そんなことどうでもいい。
まつりの笑顔が見れたから。
あの笑顔を見た瞬間まつりは俺にとって一番大事で、一番大切な存在だってより一層思った。
“ありがとう、おにーちゃん”
あの声、あの笑顔は今でも変わってない。
それがとても嬉しい本当に。
誰よりも大切な存在だからこそ誰よりも傍にいてほしい。
まつりもそう思っていてほしい。
これは、汚い感情なのだろうか?
『んぅ……おにいちゃん』
まつりの寝言でハッと我に返る。
時計をみるとそろそろ寝ないと明日の部活に響く。
名残惜しいけれど俺も寝よう。
最後にまつりの少し乱れた前髪を整えてお休みのキスを額に落とす。
静かに来たときよりも軽い心で部屋を出て今度こそ眠りについた。
時計の短針は3を指していた。
目を覚ましたときは部活がとうに始まっている時間で、学校に着いたとき何故かみんなグラウンド30周を言い渡されていて。
遅刻した俺はみんなの倍の量を走らされた。
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