初恋ランプ
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お兄ちゃんのテニス部レギュラー入りが決定。
その数日前からお兄ちゃんはなんだか不機嫌で、珍しくピリピリしていた。
私は、試合のことでなにかあったのかな?
ぐらいにしか思っていなかったが、その理由が分かるXデーが来た。
その日、お兄ちゃんはジャージを受け取りに行ってくるから、と。
珍しく別々に帰ることになった日。
先に帰ってきた私は、愛猫のカルピンと遊んでいた。
すると、玄関からお兄ちゃんの声。
ルンルンで出迎えた私は、その光景に目を疑った。
『お、にぃ…ちゃん』
「なに?」
『なんでもう、ジャージ着てるの!?』
校内ランキング戦に出るって時点で約束してた。
ジャージ姿を誰よりも一番に見せてねって約束したのに。
約束したのに、聞いてみれば。
なんと、帰り道でバッタリ会った竜崎さんに見せたとのこと。
は、はぁぁあああ!?
理由を聞いたら流れでとか言ってるし。
前々から約束してた私じゃなくて、竜崎さんに見せた?
ジャージ姿を私より先に?
『信じらんない!』
「ちょっと、まつり!」
お兄ちゃんの慌てた声。
そんなの知らない。
信じらんない、信じらんない、信じらんない!
その言葉が頭の中で反芻して怒りのまま部屋に籠もった。
後ろでお兄ちゃんが何か言ってたけど知らない。
「おい、まつりいい加減出てこいよ」
『やだ!
絶対にやだ!!』
声色的にお兄ちゃんは私が何に対して怒っているのか分かっていない。絶対にすねてるだけだと思っている。そのことも分かってしまうので余計にイライラした。
こうなってしまうと私は意地でも籠城を決め込む。
お兄ちゃんも分かっているしお母さんもお父さんもナナコお姉ちゃんも分かってる。
ので、ここは怒らせた原因であるお兄ちゃんが説得をし続けてるドアの向こうで。
鍵は付いてないのでドアノブを捻れば簡単に入れる。
けど、お兄ちゃんはこうなった私の部屋に絶対に入ってこない。
それを知っているからこその籠城だ。
これがお父さんだったらズカズカ入ってくるけれど。
「ねぇ、なんでそんなに怒ってんの?」
無言
「竜崎にジャージ見せたこと?」
無言
「それとも、最近俺の機嫌が悪かったこと?」
『……全部、でもそれだけじゃない』
やっと返事をしたことでお兄ちゃんが部屋に入ってきた。
返事をしたら籠城は半分終わりなのだ。
「やっと顔、ちゃんとみれた」
『………』
ズルい、そんな優しい顔したら許してしまいそう。
でもまだ許せないのは意地なのかはたまた違う感情なのか。
私は部屋の隅で昔お兄ちゃんがお祭りの射的で取ってくれた大きなぬいぐるみをギュウって抱きしめていた。
「悪かった。
最近、機嫌悪かったことと約束破ったこと」
『約束したもん』
「うん」
『私、一番最初に約束したもん』
「うん、悪かった」
『お兄ちゃんも怒ってた』
「それは…まつりが海堂先輩の膝の手当したって分かったから」
『…?
それが理由?』
「そっ」
さっきまで頭の中を占めていた怒りとかイライラとかが全部吹っ飛んで、今は謎のクエスチョンマークがおっきくある。
昔からお兄ちゃんが不機嫌になる理由がよく分からない。
『だって、怪我してたから
それに手当って、ばんそーこ渡しただけだよ?』
怒られる理由が分からない。
「……とにかく、ごめん。
ごめんな?」
『うん、私もごめん意地になってた』
お兄ちゃんの手で頭を優しく撫でられて、仲直りをした。
『でも、次に約束したこと破ったら許さない』
「うん、わかった」
お兄ちゃんが小指を出してくれたので、私も迷わず自分の小指を絡めた。
「分かってる、ごめんな
俺にとってはまつりとの約束が絶対だ」
『ん、ありがとう』
.
その数日前からお兄ちゃんはなんだか不機嫌で、珍しくピリピリしていた。
私は、試合のことでなにかあったのかな?
ぐらいにしか思っていなかったが、その理由が分かるXデーが来た。
その日、お兄ちゃんはジャージを受け取りに行ってくるから、と。
珍しく別々に帰ることになった日。
先に帰ってきた私は、愛猫のカルピンと遊んでいた。
すると、玄関からお兄ちゃんの声。
ルンルンで出迎えた私は、その光景に目を疑った。
『お、にぃ…ちゃん』
「なに?」
『なんでもう、ジャージ着てるの!?』
校内ランキング戦に出るって時点で約束してた。
ジャージ姿を誰よりも一番に見せてねって約束したのに。
約束したのに、聞いてみれば。
なんと、帰り道でバッタリ会った竜崎さんに見せたとのこと。
は、はぁぁあああ!?
理由を聞いたら流れでとか言ってるし。
前々から約束してた私じゃなくて、竜崎さんに見せた?
ジャージ姿を私より先に?
『信じらんない!』
「ちょっと、まつり!」
お兄ちゃんの慌てた声。
そんなの知らない。
信じらんない、信じらんない、信じらんない!
その言葉が頭の中で反芻して怒りのまま部屋に籠もった。
後ろでお兄ちゃんが何か言ってたけど知らない。
「おい、まつりいい加減出てこいよ」
『やだ!
絶対にやだ!!』
声色的にお兄ちゃんは私が何に対して怒っているのか分かっていない。絶対にすねてるだけだと思っている。そのことも分かってしまうので余計にイライラした。
こうなってしまうと私は意地でも籠城を決め込む。
お兄ちゃんも分かっているしお母さんもお父さんもナナコお姉ちゃんも分かってる。
ので、ここは怒らせた原因であるお兄ちゃんが説得をし続けてるドアの向こうで。
鍵は付いてないのでドアノブを捻れば簡単に入れる。
けど、お兄ちゃんはこうなった私の部屋に絶対に入ってこない。
それを知っているからこその籠城だ。
これがお父さんだったらズカズカ入ってくるけれど。
「ねぇ、なんでそんなに怒ってんの?」
無言
「竜崎にジャージ見せたこと?」
無言
「それとも、最近俺の機嫌が悪かったこと?」
『……全部、でもそれだけじゃない』
やっと返事をしたことでお兄ちゃんが部屋に入ってきた。
返事をしたら籠城は半分終わりなのだ。
「やっと顔、ちゃんとみれた」
『………』
ズルい、そんな優しい顔したら許してしまいそう。
でもまだ許せないのは意地なのかはたまた違う感情なのか。
私は部屋の隅で昔お兄ちゃんがお祭りの射的で取ってくれた大きなぬいぐるみをギュウって抱きしめていた。
「悪かった。
最近、機嫌悪かったことと約束破ったこと」
『約束したもん』
「うん」
『私、一番最初に約束したもん』
「うん、悪かった」
『お兄ちゃんも怒ってた』
「それは…まつりが海堂先輩の膝の手当したって分かったから」
『…?
それが理由?』
「そっ」
さっきまで頭の中を占めていた怒りとかイライラとかが全部吹っ飛んで、今は謎のクエスチョンマークがおっきくある。
昔からお兄ちゃんが不機嫌になる理由がよく分からない。
『だって、怪我してたから
それに手当って、ばんそーこ渡しただけだよ?』
怒られる理由が分からない。
「……とにかく、ごめん。
ごめんな?」
『うん、私もごめん意地になってた』
お兄ちゃんの手で頭を優しく撫でられて、仲直りをした。
『でも、次に約束したこと破ったら許さない』
「うん、わかった」
お兄ちゃんが小指を出してくれたので、私も迷わず自分の小指を絡めた。
「分かってる、ごめんな
俺にとってはまつりとの約束が絶対だ」
『ん、ありがとう』
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