初恋ランプ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『嘘、まけた…の』
放課後、見事に玉砕した辻ちゃんを部の子たちみんなで慰め各々意中の殿方に渡すべく散った。
そして、目の前に広がった広い広いテニスコートのひとつを見る。
得点を告げるボードには、私の思っていなかった数字の羅列。
そして、コートで悔しそうに唇を噛みしめ。
自らのラケットで膝を叩きつける幼なじみ。
これは一目瞭然で負けたのだ。
一体だれが…とぼぅとしているとコートの外ではきゃーきゃーと黄色い声でハッとしたそして女子の一人が「さっすがリョーマさまぁ!!」と叫んでいた。
リョーマ、、って誰?
再びコートに目をやると息をのんだ。
その人物は間違いなく同じクラスで私の隣の席越前くんだ。
え、え…うそ、この光景は私の幼なじみは1年生しかも確か今の時期は本入部じゃない。
仮入部の子に負けた…。
コートでは歓喜が上がり、駆け寄る1年生と思われる男の子たち。
あまりの光景に頭の中が真っ白になって体が動かない。
「海堂は行ってしまったぞ」
『…っ、手塚先輩』
その低い威厳のある声で我に返った。
体も動く。
私はお辞儀をして駆けだした。
私のその行動が彼のプライドを今まで積み上げてきた努力を傷つけるなんて知らないで、そんな私の愚かな行動を見つめるのは琥珀色の瞳だってことも知らなかった。
.
3/3ページ