庭球
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今年の気候は異常だ。
秋はどこへ行った、秋カムバック。
私の好きな季節は秋なんだ。
そんなことを思いながら、冷たくも暑くもない風に当っていた。
『…どーしよう』
帰り道にある公園のブランコに座って頭を抱えていて。
秋は大好きだけど、私が今悩んでいることは違うこと。
冬が寒いのかこのまま温かいのか。
うら若き女子中学生が何故こんなところで、そんなことで悩んでいるのか。
それは放課後で前を歩いていた女子たちの会話が耳に入ってきたからであって、盗み聞きでは断じてない。
「へぇ~意外っていうか、でも納得できるていうか?」
「そうでしょ、そうでしょ!
あー、誕プレ何渡そう」
と、キャッキャと会話をしていた。
頬を茜色に染めながら話している目の前の子とは逆にサッと血の気が引いてきっと、青ざめていたと思う。
『あーー!!
そうなら教えてくれれば良かったのに。
誕プレなんて思いつかない~~』
「へぇー、そんなこと考えながらそこにいたんだ」
ぎくり、今一番会いたくない人物の声に体が固まった。
ギギギ、と壊れたロボットのような動きをして声のした方へ顔をむける。
うわぁー、なんでここにいんの?
なんて思っていたら、目の前の男の子、クラスメイトの越前くんが眉間にしわを寄せて私を見た。
「何その顔、絶対失礼なこと思ってるでしょ」
『ま、ままっま、まっさか~そんなこと思ってないよ?』
「動揺しすぎ、声がすっごいふるえてるんだけど」
そう言いながら、越前くんは何故か私の隣のブランコに座った。
「で?」
『ん?』
「さっきの独り言、誰にあげるの?
プレゼント」
『え、私、心の声漏れてた?』
越前くんは、そんな私の問いに呆れた表情を浮かべ盛大なため息をついた。
いや、今の越前くん絶対失礼なこと考えてるでしょ。
ひとの気も知らないで、少しばかりの怒りに似た感情がお腹から沸いた。
私がこんなところで頭を抱えて悩んでるのはあなたのせいだっての!
クリスマスイブ生まれなんて聞いてない!!
聞いてすらない私も私だけどさ。
はぁ、なんで私こんな男の子好きになったんだろう。
そんなことを思いながら思いっきり、勢いをつけてブランコを漕ぎ始めた。
『あのさぁ!』
「…なに?」
『男の子って、何もらったら嬉しいかな誕プレ!!』
もうこうなったら、やけくそだ!
そう思ったら吹っ切れた。
どうせ越前くんは竜崎さんが好きなんでしょ。
分かってるよ、私が選ばれないことぐらい!
あーあ、報われないって虚しいなぁ!
「よくわかんないけど、なんか怒ってる?」
『怒ってない!』
「声に怒りが含まれてるんだけど」
事実を突きつけられて、グサリときて。
やけくそついでに久しぶりに立ちこぎでもしてやろうかと思った。
でも止めた、絶対スカートの中見られる。
静かな公園にざっざっ、と靴と土が擦れる音がやけに響いた。
『私、帰る』
「……へんなやつ」
『どうせ、私は変ですよーだ』
ベ、っと舌を出して地面に直に置いてあったスクールカバンを掴み小走りで公園を出た。
あーあ、なんで私好きな人がいる人を好きになっちゃったんだろう。
「名前!」
『なぁに?』
「オソロイのモノとかでいいんじゃない?」
なにが、とは聞かない。
お揃いのものかぁ、と視線をカバンに移す。
そしてお気に入りのキーホルダーが目に入った。
『越前くんもたまにはいいこと言うね』
「一言多い」
『でもありがと、決まった誕プレ』
「そう」
短く返事をして越前くんは私とは逆の方向へと帰って行った。
覚悟してよね、越前くん。
そう言ったのはキミなんだから、好きな人がいようがもう知らない。
やっぱり、気づいてほしいと思ったから。
『さーて、あの雑貨屋さんに行かなくちゃ』
軽くなった足取りで私はオソロイを買いに行くことにした。
・
秋はどこへ行った、秋カムバック。
私の好きな季節は秋なんだ。
そんなことを思いながら、冷たくも暑くもない風に当っていた。
『…どーしよう』
帰り道にある公園のブランコに座って頭を抱えていて。
秋は大好きだけど、私が今悩んでいることは違うこと。
冬が寒いのかこのまま温かいのか。
うら若き女子中学生が何故こんなところで、そんなことで悩んでいるのか。
それは放課後で前を歩いていた女子たちの会話が耳に入ってきたからであって、盗み聞きでは断じてない。
「へぇ~意外っていうか、でも納得できるていうか?」
「そうでしょ、そうでしょ!
あー、誕プレ何渡そう」
と、キャッキャと会話をしていた。
頬を茜色に染めながら話している目の前の子とは逆にサッと血の気が引いてきっと、青ざめていたと思う。
『あーー!!
そうなら教えてくれれば良かったのに。
誕プレなんて思いつかない~~』
「へぇー、そんなこと考えながらそこにいたんだ」
ぎくり、今一番会いたくない人物の声に体が固まった。
ギギギ、と壊れたロボットのような動きをして声のした方へ顔をむける。
うわぁー、なんでここにいんの?
なんて思っていたら、目の前の男の子、クラスメイトの越前くんが眉間にしわを寄せて私を見た。
「何その顔、絶対失礼なこと思ってるでしょ」
『ま、ままっま、まっさか~そんなこと思ってないよ?』
「動揺しすぎ、声がすっごいふるえてるんだけど」
そう言いながら、越前くんは何故か私の隣のブランコに座った。
「で?」
『ん?』
「さっきの独り言、誰にあげるの?
プレゼント」
『え、私、心の声漏れてた?』
越前くんは、そんな私の問いに呆れた表情を浮かべ盛大なため息をついた。
いや、今の越前くん絶対失礼なこと考えてるでしょ。
ひとの気も知らないで、少しばかりの怒りに似た感情がお腹から沸いた。
私がこんなところで頭を抱えて悩んでるのはあなたのせいだっての!
クリスマスイブ生まれなんて聞いてない!!
聞いてすらない私も私だけどさ。
はぁ、なんで私こんな男の子好きになったんだろう。
そんなことを思いながら思いっきり、勢いをつけてブランコを漕ぎ始めた。
『あのさぁ!』
「…なに?」
『男の子って、何もらったら嬉しいかな誕プレ!!』
もうこうなったら、やけくそだ!
そう思ったら吹っ切れた。
どうせ越前くんは竜崎さんが好きなんでしょ。
分かってるよ、私が選ばれないことぐらい!
あーあ、報われないって虚しいなぁ!
「よくわかんないけど、なんか怒ってる?」
『怒ってない!』
「声に怒りが含まれてるんだけど」
事実を突きつけられて、グサリときて。
やけくそついでに久しぶりに立ちこぎでもしてやろうかと思った。
でも止めた、絶対スカートの中見られる。
静かな公園にざっざっ、と靴と土が擦れる音がやけに響いた。
『私、帰る』
「……へんなやつ」
『どうせ、私は変ですよーだ』
ベ、っと舌を出して地面に直に置いてあったスクールカバンを掴み小走りで公園を出た。
あーあ、なんで私好きな人がいる人を好きになっちゃったんだろう。
「名前!」
『なぁに?』
「オソロイのモノとかでいいんじゃない?」
なにが、とは聞かない。
お揃いのものかぁ、と視線をカバンに移す。
そしてお気に入りのキーホルダーが目に入った。
『越前くんもたまにはいいこと言うね』
「一言多い」
『でもありがと、決まった誕プレ』
「そう」
短く返事をして越前くんは私とは逆の方向へと帰って行った。
覚悟してよね、越前くん。
そう言ったのはキミなんだから、好きな人がいようがもう知らない。
やっぱり、気づいてほしいと思ったから。
『さーて、あの雑貨屋さんに行かなくちゃ』
軽くなった足取りで私はオソロイを買いに行くことにした。
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