庭球
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とある駅前から少し離れたとある喫茶店。
すこし隠れ家的なお店は私の趣味。
その喫茶店の奥にあるテーブル席がいつもの私たちの席。
お店に入るときに注文した飲み物が運ばれて、各々目の前に置かれた。彼は飲み物のみ、私は追加でケーキを頼んでいた。
ケーキはしばらくお待ちくださいと店員さんの声を聞いて了承した。
……それにしても、だ。
重い、私たちの周りの圧がすごく重い。
目の前の彼、ケンヤくんが今まで見たことないくらいの真剣な目をして座っていた。
なんだか、話しかけるタイミングを完全に逃してしまった。
私、なにかしたのだろうか?と前回会ったときの事とかメッセージで失礼な発言をしたのだろうか。
『あ、の…ケン、』
「おまたせしました~」
意を決してかけようとした声がケーキを運んでくれた店員さんの声と被った。ケーキをテーブルに置いてくれた店員さんにお礼を言ってケンヤくんに目線を移す。
うーん、なんか機嫌、悪いのかな。
そんな事を思いながらモンブランのケーキを一口分を口に入れた。
次にカップを口に運んだ時、重い重い空気を破ったのはケンヤくんだ。
名前を呼ばれ、ケンヤくんと目線を移す。
「あんな、オレ…決まった」
『決まった?』
「離婚」
その言葉がいきなりすぎてびっくりしすぎて、紅茶が変なところに入りげほげほっとむせる。
『え、ちょっと…待って!
りり、離婚したの』
「あぁ、決まった」
静かな喫茶店のため声を小さめに今言われたことをおうむ返しして私の聞き間違いではないことを確認…そっかぁそっか離婚したんだ。
「離婚届を出したのはあっちからで、もうオレの顔も見たくないんやと……そんなんオレだって同じや」
あー清々したと伸びをしたケンヤくん、でも少し。
『大丈夫、ケンヤくん。
なんか辛そうな顔してる』
「ははっ名前には、かなわんな」
少し寂しそうな目を伏せてコーヒーを口にした。
一口飲んで彼は、でも…と言葉を続けた。
『まぁ、好きな相手やったからなぁ。
だから、結婚したんやし』
ケンヤくんは大学を卒業する前に結婚した、所謂学生結婚だ。
心に決めた相手なんだから、辛くないはずがない。
先ほど言った言葉にここで後悔した。
なんて当たり前の事を口走ってしまった自分を。
「んで、慰謝料のこととかで少し揉めたんやけど。
離婚原因がお互い様やから無しってなったんよ」
『そっか、そうなんだ…』
そう、ここまで聞けばわかる人もいるかもしれない。
私は独身、ケンヤくんは既婚者。
私たちは人目を避けてひっそりと会っていた。
俗にいう不倫というやつだ、体の関係はないけどお互い想いあっている。
ケンヤくんとは仕事先で出会って、色んなことを経て彼の不倫相手になってしまった。
不倫といっても、昼間に水族館や遊園地にいったりして。
私たちはそんな高校生がするようなデートを重ね、手を繋ぐのもキスをしたのも二人ともどぎまぎしながらお互いの気持ちを確認しながらそっと行った。
話しで聞く限りケンヤくんの奥様は他の人と大人な関係らしい。
でも、だからと言って私たちの関係が肯定するわけがない。
目の前のケンヤくんは少し寂しそうに笑うから、思わず私は泣いてしまった。
どんな私に驚いたケンヤくんは私の涙を拭って、その大きな手で私の頭を優しく撫でてくれた。
「ごめんな、混乱させて。
言うとくけどお前のせいじゃないから、オレとあいつで話し合って納得して決めたことや」
『うん、うん、ごめん』
「…あいつとの話し合いは確かに辛かったけど、オレが今まで頑張れたのもお前のおかげや」
『…わたし、なんにもしてないよ』
「辛かったとき、オレの頭ん中にはいつでも笑顔の名前がおってくれた。だからここまでこれた、おおきにな」
嬉しい、正直に嬉しかった。
私なんかがケンヤくんの支えになったことが出来たなんて。
「名前#、ホンマおおきに
…で、こんな話の後でなんなやけどオレこれからずっと名前の傍で支えていきたいって思っとる」
『…ふ、ぇ?』
ケンヤくんの言葉に思考が止まった。
その言葉はまるで。
「まぁ離婚したばっかの男が信用できんし。
でもこれからは隠れずにちゃんと居られるから、名前の傍にオレの居場所をくれへんか?」
そう言ったケンヤくんは私の大好きな太陽みたいな笑顔で私の傍にいてくれた。
これからきっと、陰口とか視線が痛いときもあるだろう。
でも、私は…私たちはきっと乗り越えていかなければならない。
そうやって私の傍にケンヤくんがいてくれたら怖くはない。
子どものころ思っていた出会い方と付き合い方ではなかったけど。
正直、いけない関係だった。
でも、私は今とてつもなく幸せを感じてる。
それはきっと、絶対相手がケンヤくんだからだ。
すこし隠れ家的なお店は私の趣味。
その喫茶店の奥にあるテーブル席がいつもの私たちの席。
お店に入るときに注文した飲み物が運ばれて、各々目の前に置かれた。彼は飲み物のみ、私は追加でケーキを頼んでいた。
ケーキはしばらくお待ちくださいと店員さんの声を聞いて了承した。
……それにしても、だ。
重い、私たちの周りの圧がすごく重い。
目の前の彼、ケンヤくんが今まで見たことないくらいの真剣な目をして座っていた。
なんだか、話しかけるタイミングを完全に逃してしまった。
私、なにかしたのだろうか?と前回会ったときの事とかメッセージで失礼な発言をしたのだろうか。
『あ、の…ケン、』
「おまたせしました~」
意を決してかけようとした声がケーキを運んでくれた店員さんの声と被った。ケーキをテーブルに置いてくれた店員さんにお礼を言ってケンヤくんに目線を移す。
うーん、なんか機嫌、悪いのかな。
そんな事を思いながらモンブランのケーキを一口分を口に入れた。
次にカップを口に運んだ時、重い重い空気を破ったのはケンヤくんだ。
名前を呼ばれ、ケンヤくんと目線を移す。
「あんな、オレ…決まった」
『決まった?』
「離婚」
その言葉がいきなりすぎてびっくりしすぎて、紅茶が変なところに入りげほげほっとむせる。
『え、ちょっと…待って!
りり、離婚したの』
「あぁ、決まった」
静かな喫茶店のため声を小さめに今言われたことをおうむ返しして私の聞き間違いではないことを確認…そっかぁそっか離婚したんだ。
「離婚届を出したのはあっちからで、もうオレの顔も見たくないんやと……そんなんオレだって同じや」
あー清々したと伸びをしたケンヤくん、でも少し。
『大丈夫、ケンヤくん。
なんか辛そうな顔してる』
「ははっ名前には、かなわんな」
少し寂しそうな目を伏せてコーヒーを口にした。
一口飲んで彼は、でも…と言葉を続けた。
『まぁ、好きな相手やったからなぁ。
だから、結婚したんやし』
ケンヤくんは大学を卒業する前に結婚した、所謂学生結婚だ。
心に決めた相手なんだから、辛くないはずがない。
先ほど言った言葉にここで後悔した。
なんて当たり前の事を口走ってしまった自分を。
「んで、慰謝料のこととかで少し揉めたんやけど。
離婚原因がお互い様やから無しってなったんよ」
『そっか、そうなんだ…』
そう、ここまで聞けばわかる人もいるかもしれない。
私は独身、ケンヤくんは既婚者。
私たちは人目を避けてひっそりと会っていた。
俗にいう不倫というやつだ、体の関係はないけどお互い想いあっている。
ケンヤくんとは仕事先で出会って、色んなことを経て彼の不倫相手になってしまった。
不倫といっても、昼間に水族館や遊園地にいったりして。
私たちはそんな高校生がするようなデートを重ね、手を繋ぐのもキスをしたのも二人ともどぎまぎしながらお互いの気持ちを確認しながらそっと行った。
話しで聞く限りケンヤくんの奥様は他の人と大人な関係らしい。
でも、だからと言って私たちの関係が肯定するわけがない。
目の前のケンヤくんは少し寂しそうに笑うから、思わず私は泣いてしまった。
どんな私に驚いたケンヤくんは私の涙を拭って、その大きな手で私の頭を優しく撫でてくれた。
「ごめんな、混乱させて。
言うとくけどお前のせいじゃないから、オレとあいつで話し合って納得して決めたことや」
『うん、うん、ごめん』
「…あいつとの話し合いは確かに辛かったけど、オレが今まで頑張れたのもお前のおかげや」
『…わたし、なんにもしてないよ』
「辛かったとき、オレの頭ん中にはいつでも笑顔の名前がおってくれた。だからここまでこれた、おおきにな」
嬉しい、正直に嬉しかった。
私なんかがケンヤくんの支えになったことが出来たなんて。
「名前#、ホンマおおきに
…で、こんな話の後でなんなやけどオレこれからずっと名前の傍で支えていきたいって思っとる」
『…ふ、ぇ?』
ケンヤくんの言葉に思考が止まった。
その言葉はまるで。
「まぁ離婚したばっかの男が信用できんし。
でもこれからは隠れずにちゃんと居られるから、名前の傍にオレの居場所をくれへんか?」
そう言ったケンヤくんは私の大好きな太陽みたいな笑顔で私の傍にいてくれた。
これからきっと、陰口とか視線が痛いときもあるだろう。
でも、私は…私たちはきっと乗り越えていかなければならない。
そうやって私の傍にケンヤくんがいてくれたら怖くはない。
子どものころ思っていた出会い方と付き合い方ではなかったけど。
正直、いけない関係だった。
でも、私は今とてつもなく幸せを感じてる。
それはきっと、絶対相手がケンヤくんだからだ。
1/3ページ