愛して憎んで
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あの人が来たのは何の変哲もない普通の日でした。
バタバタと忙しなく動き回ってたことも段々落ち着いてきたころ。
ここ、真選組の屯所も隊士の皆さんも元の日常へと戻ってきて。
女中のひとりである私も働くのです。
今日の担当は洗濯物です。
あの騒動の後皆さんの隊服には返り血などが付着していて、他の女中の方は洗濯物が嫌だったみたいで。
最年少にして下っ端の私が選任されたのだ。
とは、言ったものの黙々と作業するのが苦手ではなくむしろ好きなので文句はない。
言えもしないのだけれど、ははは。
などと思いながら黙々と着実に仕事をこなしていく。
江戸はいいなぁー洗濯機がこんなにたくさん。
私が居た田舎にはなかったものばかりだ。
ゴウンゴウンと洗濯機が音を立てて仕事をしてくれている。
終わった順番で洗濯物を取り出し干していく、その繰り返し。
『はぁーーいい天気です!』
つい数日前はバケツをひっくり返したような大雨だったのが嘘のよう。
こんな日は洗濯物日和だ。
そんなことを思いながら手を進めていくとなにやら、門の辺りが騒がしい。
何事だろうと思って一旦手を止めて騒ぎのする方へ行くことにした。
「っだっから、俺のせいじゃねーっての!!」
ため息と少し怒りを含んだ声が響く。
あ、見回りから帰ってきたのか。
足を止めて少しだけ前髪を整える、少しだけの抵抗みたいなものですが。
パタパタと駆け足で玄関に向かうと私が思っていたのとは違う重苦しい空気になっていた。
休暇をもらっていたはずの沖田さんがいて、鋭い眼光で目の前を見据える。
ふと、手元をみると刀を握ろうとしている。
「だったら、今の状況説明してくれやしませんかねぇ」
声色で分かる、彼の怒りの度合い。
いつもの喧嘩ではない、瞬時に悟った。
そして、その緊迫感ある空気の中で、気の抜ける声がした。
「え~なにぃ、こわいよ
さっきみたいに助けてよ、トシさん」
聞いたことがない、女の人の声だった。
沖田さん越しで見えなかったけど、帰ってきた土方さんの隣には女の人が居た。
その姿をみて思わずヒュッと息を呑む。
うそ、だ。
そんなはず…でも確かにそこに土方さんの隣にいる。
名前も知らぬ女の人は、つい先日亡くなった沖田さんのお姉さん。
ミツバさんと瓜二つの顔をしていました。
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