【JuJu】Short stories
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「あぁ、ニック…!」
「メアリー!無事だったんだね!」
「ニック!もうあなたに会えないかと思ったわ」
「そんなことないさ。何があってもどれだけ時間がかかってもボクはメアリーを探し続けるさ!」
「ニック」
「愛してるよ、メアリー!」
「ニック…!」
ブロンドヘアの若い男女はそう言いながら気持ちが昂ったのかどちらともなく強く抱き合い、見つめ合い、そして深い深いキスをした
ここに至るまでの、2人の前途は多難だった
幸せ絶頂の婚前旅行で船旅に出た日の晩、船がトラブルにより転覆
逃げ惑う乗客と、避難誘導をしている乗組員…
2人は手を取り合い避難するため甲板に出るも、パニックになっている人たちに揉みくちゃにされてる間にはぐれてしまう
紆余曲折を経て2人は再会を果たし、感極まって人目も憚らずお互いの思いの丈をキスという形で表現していた
深く深く、そして長~いキスしてる2人を舐めるかのように視点がゆっくりと回り、その角度によって濃厚なキスであることがより強く伝わった
荘厳な音楽とともに2人の姿がだんだん遠く小さくなり、ゆっくり暗転する
そして音楽が大きくなり、下から文字が流れてきた
…所謂スタッフロールというものである
わたしは今、悟から借りたハリウッド映画のDVDを見ていた
すっかり映画に夢中になってしまったせいで、長い時間飲まずに放置され炭酸が空気中に逃げて温くなった、2時間前は確かにコーラだった気の抜けた黒い甘ったるい液体を口に含む
冷たく炭酸が効いてる時なら後味すっきり爽やかなのに、気が抜けて温くなるとなぜこんなにも口の中に残るんだろう
超が付くほど甘党の悟ならこの甘ったるい液体でも気にせず飲めちゃうんだろうけど
口の中に残る後味にそんな感想を持ちながらすっかり凝り固まってしまった肩や首を解すため両腕を思い切り天井に向かって伸ばすと滞った血液が流れ始めたのを感じる
この瞬間がたまらなく気持ち良かった
「いくらハリウッドの俳優さんや女優さんだからってパートナーじゃない人とカメラの前であんな濃厚なキスができるって…何だかすごいねぇ」
独り言ちながらリモコンを手に取りHDDレコーダに向かってイジェクトボタンを押すと
ヴヴヴ…ッ、カシャン
HDDレコーダからディスクが吐き出される
ソファから立ち上がりHDDレコーダに向かって踏み出そうとした瞬間、隣から聞き馴染んだ声がした
「なーに?濃厚ラブラブキスシーン見てあやちゃん羨ましくなっちゃった?」
…わたしはこの部屋に1人だったはずだ、ついさっきまでは確実に
なのに何故隣からこのDVDを貸してくれた人の声がするのか…?
玄関の鍵はもちろんしっかりチェーンまで掛けてるし、窓もしっかり施錠してカーテンも引いている
この場でもしわたしが殺されたら密室殺人になるくらいしっかりと外界から遮断されているはずで、某メガネをかけた見た目は子どもの高校生探偵でも連れてこないと解決できないであろう密室なのだ
それなのに何故、この場に人が入り込めているのか?
教えて、解決して。見た目は子どもの高校生探偵さん!
恐る恐る声のした方に向き直ると銀白色の髪に目隠し、烏羽色の服に身を包んだDVDの持ち主が座っている
「あれ?おかしいな?鍵はしっかり掛けていたはずなんだけどね?
悟は出張中だったから部屋を借りたこともまだ話せてないから当然この場所も知らせてないよね?
もちろんこの部屋の鍵はわたししか持ってないよ…?なのに何でここにわたしがいるって分かったの?
何でこの密室に入ってこれたの?あれれ?不思議だな?」
わざとらしく右手の人差し指を頰に当て唇を突き出して言ってやると目が隠されているにも関わらず悟が目を眇めたのが分かった
そんな顔されるのはちょっと心外だ
なぜならこの部屋は思いつきで昨日契約して今日ソファとテレビとHDDレコーダ、そしてベッドを搬入したばかりの部屋なのである
何ならテーブルもなく、先程のコーラだった液体を湛えたコップは使い捨ての紙コップで床に直置き、テレビやHDDレコーダも床に直置きなのだ
「それは企業秘密…と言いたいとこだけど、僕はあやのことなら何でも分かるんだよ。なんせ最強だからね」
そう言いながら長い腕を伸ばしてわたしの腕を自分の方へついと引き寄せる力に逆らえず、バランスを崩しそうになったわたしは悟の膝に手をついた
目隠しした悟と目が合う…
文字通り悟とわたしの視線の間には目隠しがあるにも関わらず目が合ってると分かるのだ、不思議なことに
悟の長く逞しい右腕がわたしの後頭部に回り、左腕が腰に回る
声を出す間も無く悟の方へ引き寄せられ、わたしの唇が悟のものと触れるとチュッチュッと幾度も幾度も角度を変え、触れるだけのキスをされ続ける
徐々に顔に熱が集まって火照ってきた
先程DVDで見た濃厚なキスとは違い回数は多いけど極々普通の、所謂バードキスというものだけど、回数もさることながら目隠しをしてるにも関わらず顔の造形が素晴らしく整っている悟をずっと間近で見せつけられて口づけられているのだ
突然のことに目を閉じるタイミングを失ってしまったが故に…
数え切れないほど何度も何度もキスされ唇が腫れ上がるのでは…と頭の片隅で思い始めた頃、ようやくキスの嵐が止んだ
悟の気が済んだのかとホッと息を吐くと再び後頭部に腕を回される
悟に目を向けると、目隠しを外して銀白色の睫毛に囲われた綺麗な水縹色の瞳を露わにし、わたしをジッと見つめていた
目隠しを外したせいで下りた、睫毛よりほんの少しだけ明るく見える銀白色の髪が風に揺れるレースのカーテンのようにキラキラと揺れて水縹色の瞳をより引き立てる
六眼と言われる悟のその瞳を恐れる人は多い
綺麗な水縹色の瞳は凡そ日本人らしくないし、何よりその瞳は全てを見透すと広く噂されているせいか、後ろ暗い人間ほどその瞳で見られることを恐れ嫌う
事実この美しい瞳は時に残酷に、時に無情に、悟が見たくもないものまで見えるのだそう
ある時から悟は目隠しをし始めきちんと見えているのかと思ったこともあったけど、見過ぎないための彼なりの自衛らしく日常生活に一切の支障はないようだった
そんな悟の姿にいつしかわたしも含めて周りの人たちは慣れてしまっていた
「あや、何で急に部屋借りたの?」
そう言いながら悟はわたしの頰に唇を寄せる
「素敵なマンションだなって見上げたら入居者募集って看板があって…。問い合わせてみたら即入居出来るって言われたから何となく勢いで…」
「僕がいない間にナイショで?」
頰から耳へ、悟の唇が移動して囁かれ、耳朶にキスされそのまま唇で軽く食まれる
「内緒にするつもりはなかったの。出張から帰ってきたら悟に話して鍵を渡そうと思っ…ん…ッ!」
全て言い終わる前に悟が薄く唇を開けてわたしの唇を覆い隠し、わたしの言葉を飲み込んだ
悟の大きくて厚みのある舌はぬるりと遠慮することなくわたしの口内に侵入し、ざらざらとわたしの舌に悟の舌を擦り付け口内を好き勝手に撫で回し、また舌を絡め…悟にされるがままにされてるわたしは必死に酸素を求めていた
先程見たDVDの男女のように深く深く、長く長く、交わっているわたしたちは他の人から見たらどう映るのだろうか?
…悟はハリウッドでも通用するだろうけどわたしはそうはいかない
誰に見せるわけでもないのにふとそんなことが頭の片隅を過ぎる
口内を撫でられ続けてていると徐々に肌の裏側がぞわわっとする感覚に襲われ、肌が粟立った
長い時間、悟に囚われているわたしは呼吸が碌に出来ず、必死に酸素を求めていたにも関わらず、とうとう酸欠になり生理的に浮かんだ涙が目尻から一雫ホロリと流れるとわたしの下唇を軽く食んで名残惜しそうに悟は離れていく
やっと求めていた酸素にありつけたのに離れたせいで悟の体温が感じられなくなり不安に襲われたわたしは大きく酸素を吸い込みテラテラと艶やかに光る悟の唇を自ら求めると、一瞬驚いた顔をしながらも蠱惑的な光を宿した悟の瞳がキュッと細くなる
そしてわたしは再び悟の舌の侵入を許した…
「…んで本当に僕に隠してたわけじゃないの?」
キスだけで腰が砕けて立てなくなってしまったわたしを抱き締め、わたしの髪に顔を埋めた悟は言った
「違うよ…。ここ都心に近いし、週末だけ悟と2人っきりで過ごすのにいいかなって
ベッド見てよ、わたし1人には余りあり過ぎるサイズでしょ???」
そう言いながらベッドのある部屋の方に顔を向けると悟も目を向ける
そこには背の高い悟でもノビノビと寝られるくらい大きな海外製のキングサイズベッドが8帖の部屋にひとつ鎮座している
突発的な買い物だったにも関わらず日本向けサイズではなかったその大きすぎるベッドは、売れずに困り果てていたらしい家具屋さんが買ってくれるなら…と即日で搬入してくれたものだ
「あや、僕のこと何気に大好きだよね?」
「それはお互い様でしょ。教えてないのにストーカーみたいだよ、悟」
何も答えずグリグリとわたしの頭に頬ずりする悟に頰を弛ませた
「メアリー!無事だったんだね!」
「ニック!もうあなたに会えないかと思ったわ」
「そんなことないさ。何があってもどれだけ時間がかかってもボクはメアリーを探し続けるさ!」
「ニック」
「愛してるよ、メアリー!」
「ニック…!」
ブロンドヘアの若い男女はそう言いながら気持ちが昂ったのかどちらともなく強く抱き合い、見つめ合い、そして深い深いキスをした
ここに至るまでの、2人の前途は多難だった
幸せ絶頂の婚前旅行で船旅に出た日の晩、船がトラブルにより転覆
逃げ惑う乗客と、避難誘導をしている乗組員…
2人は手を取り合い避難するため甲板に出るも、パニックになっている人たちに揉みくちゃにされてる間にはぐれてしまう
紆余曲折を経て2人は再会を果たし、感極まって人目も憚らずお互いの思いの丈をキスという形で表現していた
深く深く、そして長~いキスしてる2人を舐めるかのように視点がゆっくりと回り、その角度によって濃厚なキスであることがより強く伝わった
荘厳な音楽とともに2人の姿がだんだん遠く小さくなり、ゆっくり暗転する
そして音楽が大きくなり、下から文字が流れてきた
…所謂スタッフロールというものである
わたしは今、悟から借りたハリウッド映画のDVDを見ていた
すっかり映画に夢中になってしまったせいで、長い時間飲まずに放置され炭酸が空気中に逃げて温くなった、2時間前は確かにコーラだった気の抜けた黒い甘ったるい液体を口に含む
冷たく炭酸が効いてる時なら後味すっきり爽やかなのに、気が抜けて温くなるとなぜこんなにも口の中に残るんだろう
超が付くほど甘党の悟ならこの甘ったるい液体でも気にせず飲めちゃうんだろうけど
口の中に残る後味にそんな感想を持ちながらすっかり凝り固まってしまった肩や首を解すため両腕を思い切り天井に向かって伸ばすと滞った血液が流れ始めたのを感じる
この瞬間がたまらなく気持ち良かった
「いくらハリウッドの俳優さんや女優さんだからってパートナーじゃない人とカメラの前であんな濃厚なキスができるって…何だかすごいねぇ」
独り言ちながらリモコンを手に取りHDDレコーダに向かってイジェクトボタンを押すと
ヴヴヴ…ッ、カシャン
HDDレコーダからディスクが吐き出される
ソファから立ち上がりHDDレコーダに向かって踏み出そうとした瞬間、隣から聞き馴染んだ声がした
「なーに?濃厚ラブラブキスシーン見てあやちゃん羨ましくなっちゃった?」
…わたしはこの部屋に1人だったはずだ、ついさっきまでは確実に
なのに何故隣からこのDVDを貸してくれた人の声がするのか…?
玄関の鍵はもちろんしっかりチェーンまで掛けてるし、窓もしっかり施錠してカーテンも引いている
この場でもしわたしが殺されたら密室殺人になるくらいしっかりと外界から遮断されているはずで、某メガネをかけた見た目は子どもの高校生探偵でも連れてこないと解決できないであろう密室なのだ
それなのに何故、この場に人が入り込めているのか?
教えて、解決して。見た目は子どもの高校生探偵さん!
恐る恐る声のした方に向き直ると銀白色の髪に目隠し、烏羽色の服に身を包んだDVDの持ち主が座っている
「あれ?おかしいな?鍵はしっかり掛けていたはずなんだけどね?
悟は出張中だったから部屋を借りたこともまだ話せてないから当然この場所も知らせてないよね?
もちろんこの部屋の鍵はわたししか持ってないよ…?なのに何でここにわたしがいるって分かったの?
何でこの密室に入ってこれたの?あれれ?不思議だな?」
わざとらしく右手の人差し指を頰に当て唇を突き出して言ってやると目が隠されているにも関わらず悟が目を眇めたのが分かった
そんな顔されるのはちょっと心外だ
なぜならこの部屋は思いつきで昨日契約して今日ソファとテレビとHDDレコーダ、そしてベッドを搬入したばかりの部屋なのである
何ならテーブルもなく、先程のコーラだった液体を湛えたコップは使い捨ての紙コップで床に直置き、テレビやHDDレコーダも床に直置きなのだ
「それは企業秘密…と言いたいとこだけど、僕はあやのことなら何でも分かるんだよ。なんせ最強だからね」
そう言いながら長い腕を伸ばしてわたしの腕を自分の方へついと引き寄せる力に逆らえず、バランスを崩しそうになったわたしは悟の膝に手をついた
目隠しした悟と目が合う…
文字通り悟とわたしの視線の間には目隠しがあるにも関わらず目が合ってると分かるのだ、不思議なことに
悟の長く逞しい右腕がわたしの後頭部に回り、左腕が腰に回る
声を出す間も無く悟の方へ引き寄せられ、わたしの唇が悟のものと触れるとチュッチュッと幾度も幾度も角度を変え、触れるだけのキスをされ続ける
徐々に顔に熱が集まって火照ってきた
先程DVDで見た濃厚なキスとは違い回数は多いけど極々普通の、所謂バードキスというものだけど、回数もさることながら目隠しをしてるにも関わらず顔の造形が素晴らしく整っている悟をずっと間近で見せつけられて口づけられているのだ
突然のことに目を閉じるタイミングを失ってしまったが故に…
数え切れないほど何度も何度もキスされ唇が腫れ上がるのでは…と頭の片隅で思い始めた頃、ようやくキスの嵐が止んだ
悟の気が済んだのかとホッと息を吐くと再び後頭部に腕を回される
悟に目を向けると、目隠しを外して銀白色の睫毛に囲われた綺麗な水縹色の瞳を露わにし、わたしをジッと見つめていた
目隠しを外したせいで下りた、睫毛よりほんの少しだけ明るく見える銀白色の髪が風に揺れるレースのカーテンのようにキラキラと揺れて水縹色の瞳をより引き立てる
六眼と言われる悟のその瞳を恐れる人は多い
綺麗な水縹色の瞳は凡そ日本人らしくないし、何よりその瞳は全てを見透すと広く噂されているせいか、後ろ暗い人間ほどその瞳で見られることを恐れ嫌う
事実この美しい瞳は時に残酷に、時に無情に、悟が見たくもないものまで見えるのだそう
ある時から悟は目隠しをし始めきちんと見えているのかと思ったこともあったけど、見過ぎないための彼なりの自衛らしく日常生活に一切の支障はないようだった
そんな悟の姿にいつしかわたしも含めて周りの人たちは慣れてしまっていた
「あや、何で急に部屋借りたの?」
そう言いながら悟はわたしの頰に唇を寄せる
「素敵なマンションだなって見上げたら入居者募集って看板があって…。問い合わせてみたら即入居出来るって言われたから何となく勢いで…」
「僕がいない間にナイショで?」
頰から耳へ、悟の唇が移動して囁かれ、耳朶にキスされそのまま唇で軽く食まれる
「内緒にするつもりはなかったの。出張から帰ってきたら悟に話して鍵を渡そうと思っ…ん…ッ!」
全て言い終わる前に悟が薄く唇を開けてわたしの唇を覆い隠し、わたしの言葉を飲み込んだ
悟の大きくて厚みのある舌はぬるりと遠慮することなくわたしの口内に侵入し、ざらざらとわたしの舌に悟の舌を擦り付け口内を好き勝手に撫で回し、また舌を絡め…悟にされるがままにされてるわたしは必死に酸素を求めていた
先程見たDVDの男女のように深く深く、長く長く、交わっているわたしたちは他の人から見たらどう映るのだろうか?
…悟はハリウッドでも通用するだろうけどわたしはそうはいかない
誰に見せるわけでもないのにふとそんなことが頭の片隅を過ぎる
口内を撫でられ続けてていると徐々に肌の裏側がぞわわっとする感覚に襲われ、肌が粟立った
長い時間、悟に囚われているわたしは呼吸が碌に出来ず、必死に酸素を求めていたにも関わらず、とうとう酸欠になり生理的に浮かんだ涙が目尻から一雫ホロリと流れるとわたしの下唇を軽く食んで名残惜しそうに悟は離れていく
やっと求めていた酸素にありつけたのに離れたせいで悟の体温が感じられなくなり不安に襲われたわたしは大きく酸素を吸い込みテラテラと艶やかに光る悟の唇を自ら求めると、一瞬驚いた顔をしながらも蠱惑的な光を宿した悟の瞳がキュッと細くなる
そしてわたしは再び悟の舌の侵入を許した…
「…んで本当に僕に隠してたわけじゃないの?」
キスだけで腰が砕けて立てなくなってしまったわたしを抱き締め、わたしの髪に顔を埋めた悟は言った
「違うよ…。ここ都心に近いし、週末だけ悟と2人っきりで過ごすのにいいかなって
ベッド見てよ、わたし1人には余りあり過ぎるサイズでしょ???」
そう言いながらベッドのある部屋の方に顔を向けると悟も目を向ける
そこには背の高い悟でもノビノビと寝られるくらい大きな海外製のキングサイズベッドが8帖の部屋にひとつ鎮座している
突発的な買い物だったにも関わらず日本向けサイズではなかったその大きすぎるベッドは、売れずに困り果てていたらしい家具屋さんが買ってくれるなら…と即日で搬入してくれたものだ
「あや、僕のこと何気に大好きだよね?」
「それはお互い様でしょ。教えてないのにストーカーみたいだよ、悟」
何も答えずグリグリとわたしの頭に頬ずりする悟に頰を弛ませた
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