「ん…ぅ…」


耳元で声がして、ギシリとベットが軋む音に私の意識は浮上する

ゆっくり目を開けると寝る時には誰もいなかった隣に、寝てる人がいた
私が寝入ってる間に帰って来たらしい
その人は今、私に背中を向けて寝ている

どうやらその人…降谷さんが寝返りをうったようだった

彼を起こさないよう静かに身体を起こすと降谷さんの足が片方掛け布団から見えていた
降谷さんは寝相がちょっとだけ悪く、掛け布団から身体の一部をはみ出させたまま寝ていることが時々ある

その姿を見ていると普段はキッチリ完璧な人なのに寝てる時は子どもみたいだなとほんわかした気持ちになる
無防備に寝ている様子はそれだけ私に心を許してくれてることなのだと思うとこそばゆく嬉しい

そんなことを思いながら掛け布団からはみ出した彼の足に布団を掛け直しながら降谷さんの寝相の悪さを知ってる人は私だけだといいなと思う

よほど疲れてるのか、布団を掛け直しても目を覚まさない降谷さんに自分の身体をピタリと寄せるとこちらを向いて寝返りをうった降谷さんは眠ったまま私をキュッと抱きしめた
降谷さんのぬくもりと香りに包まれて幸せを噛みしめながら目を閉じる


普段気が抜けない降谷さん、せめて寝てる間は良い夢見ててくれますように