【DC】FELICITE
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ここ数日、庁舎に缶詰になっていたゼロは俺の妹でありゼロの嫁さんでもあるあやが1人で過ごすのは危いだろう、淋しいだろうと心配しあやの元へ俺を派遣していた
あやの側にいるのは他の人に頼んで俺も出勤した方が…と話したのだが、先日の人質事件のせいでいつもより心配性になってるゼロはあやの側には信頼出来る人間以外は置きたくないらしく、あやに対して最も信頼のある俺をあやの元に置き、俺の庁舎での仕事はゼロが請け負っている
俺は2人で仕事をした方が早く帰れるんじゃないかと思うのだが、あやがゼロと一緒になってから1人暮らしをしている俺が淋しくならないようゼロなりに配慮してくれている部分もあるのだろう
あやと俺は双子で、生まれた時…いや、生まれる前からずっと一緒にいたのだ
あやが幼なじみと結婚してからは俺たち双子は当然ながら一緒にいられる時間が減っているのでこうして兄妹水入らずで過ごせる時間は正直ありがたい部分もあった
ピロリロリン
俺の側に置いてあったあやのスマホの通知音が鳴った
キッチンで晩ご飯の準備を始めていたあやが手を拭きながらスマホを見にこちらへ来たのでスマホを手渡してやる
「ありがと、ヒロ」
「ん」
手にしたスマホの画面に目を落としたあやが画面をタップして返信しているようだった
その様子を目の端に入れつつ俺はPCに向かっていた
「これかられーくん帰ってくるって」
スマホをテーブルに置き、晩ご飯の準備に戻ろうとしながらあやは言う
ゼロが戻ってくるなら俺はもうお役御免だろう
兄妹水入らずの時間も過ごしたし、これからは夫婦水入らずの時間を過ごして貰いたいし、正直2人の様子を見せつけられるのも兄としても親友としても少々複雑だ
作業を中断してPCをシャットダウンしてPCを直しているとキッチンから俺の様子を見たあやが出て来て俺の横に屈み込む
「ヒロ、ご飯食べていかないの?」
「ゼロ帰ってくるんだろ?俺も家に帰るよ」
「用事無いならヒロの分も用意してるから食べてって?私ご飯食べたら仕事に行くし、良かったらもっとゆっくりしていって?」
…ゼロは知ってるんだろうか?
これから自分と入れ替わりであやが仕事に行くことを
ゼロは今まで仕事を頑張ってきた分、今晩はあやを手放さず心ゆくまでベタベタするつもりで意気揚々と帰ってくるだろうと思う
そしてあやは分かっていない、ゼロのことを
これだけ長い間ゼロと一緒にいるのに何故ここで俺を引き留めるんだ…
我が妹ながら脳天気だなと思う
正直あやのご飯は食べていきたいのは山々だけどゼロのことを考えると俺は退散した方が良いだろう…と思い、荷物を手に立ち上がると玄関の鍵が開く音がした
…しまった、ゼロが帰ってきてしまったようだ
あやをチラリと見ると鍵が開く音が聞こえなかったのか眉尻を下げて俺を見ているので時すでに遅しと諦め、肩をすくめて荷物を床に下ろすとあやはホッとしたようにゆるりと口元を緩めた
ゼロを出迎えようかと廊下の先にある玄関の方に目をやると少し草臥れたように見えるゼロがリビングに入ってきた
「ただいま」
「あ!おかえりなさい、れーくん」
「ゼロお疲れさん」
「今まであやをありがとう、ヒロ」
俺の方を向いていたあやは玄関に背を向けて顔だけ振り返ってる状態だったのをゼロが後ろから抱きすくめてそのままあやの首元に顔を埋める
これは今まで数え切れないほど見てきたがゼロが言うにはあやの首元の匂いがたまらないらしく、あやと長い時間離れていると必ず最初にあやの首元に顔を埋めるので、ある種クセのようなものなのだろう
俺も学生の頃、ゼロからその話を聞いてあやの首元の匂いを嗅いだことがあるけど俺にはよく分からなかった
後々調べてみたら首元の匂いを良い匂いと感じたり、その匂いを好きだなと感じる人は本能的に合う人だという説もあるのでゼロにとってあやの首元の匂いは良い匂いなのだろう
「れーくんお疲れでしょ?寛いでもらうのに着替えてきて欲しいんだけど?」
「ん…」
返事はするけど動かないゼロに呆れた顔をするあや
俺はとりあえずソファに腰を下ろしマガジンラックに置いてあった経済新聞に手を伸ばした
あまりにも2人を見ていられなくなったら新聞で顔を隠そうと思う
「あやから甘い香りがする」
ようやくあやの首元から顔を上げたゼロがあやの肩に顎を乗せネクタイを緩めながら鼻をヒクヒクさせる
ゼロの頭が肩にあるせいで横を向けないあやは目だけゼロの方に向けて言う
「甘い香りなら新しいティントリップかな?」
「この香りは初めてのアイテムだな」
「そうなの。この前梓さんが教えてくれたブランドの買ってみたの。このティントリップね”キスプルーフ処方”でキスしても落ちないリップなんだって。下地も同じブランドで揃えてみたのよ」
「へー…」
あやが不用意に”キス”なんて言うもんだからゼロの目が輝いたじゃないか…
長年の付き合いの俺はこれからゼロがすることは手に取るように分かるのに、なぜ俺の双子の妹であるあやは分からなくてそんなに無防備なんだ…
自分の顔の真横にゼロの顔があるせいであやはゼロの顔が見えないんだろう、無防備に左の人差し指を自分の唇に当ててリップが指に移らない様子をゼロに見せようとするが何やら思いついてしまった様子のゼロは目にも止まらぬ早業であやの前に回り込み、両手であやの両頬を包み込んであやの唇に自分のソレを重ねる
「…ん…っ」
不意のキスだったせいか苦しそうな、それでいて少し色が入った声を出したあやに遠慮すること無くゼロはあやを離さない
既にゼロの中では俺の存在が無いのだろう
普段のゼロならば他人に対して絶対人目も憚らずな行為はしないのだが(あやしか見てないからゼロが他の人に手を出すことも無いが)どうもあやの前だけは人目を憚ることが出来ず思いの丈が溢れ出てしまうようだ
あやから離れてる時間が長ければ長いほどその傾向は強くなる
付き合ってた間もそうだったし、結婚して何年経っても現在進行形で変わらない
ゼロはあやに対して我慢ということが出来ないようだ
俺はソッと新聞を開いて隙間から2人の様子を伺う
本当は見てられないけど怖いもの見たさというか何というか…そばで堂々とラブシーンやられたら何となく気恥ずかしくも見てしまう…そんな気持ちだ
ただ、そのラブシーンを繰り広げているのが俺の双子の片割れと子どもの頃からの幼なじみであり親友なので見ていて気恥ずかしいどころか心底恥ずかしい部分もあるのでこうして新聞の隙間からコッソリと伺う感じになる
正直に言うと2人きりの時にしてくれ
そろそろ俺の存在を思い出して欲しいぞ、ゼロ!
咳払いでもして俺の存在をアピールすべきか?
あやに胸をドンドン叩かれても一切動じないゼロは自身が満足するまで堪能したんだろう、やっとあやから離れた
ずいぶん長い時間が経ったように感じるのは俺の居心地が悪いせいか…
穏やかな目をしたゼロが親指であやの唇を撫でて言った
「確かに落ちにくくはあるみたいだな」
…本当に2人きりの時にやってくれ!
俺は新聞に顔を隠して溜息を吐くとそれに気づいたあやが
「ごめんね、ヒロ。恥ずかしいとこ見せちゃって…。今ご飯の準備するからね」
と照れくさそうに言ってキッチンへパタパタと走って行く
その後ろ姿を愛おしそうな目をして見送ったゼロはようやく俺の方を見て言った
「今日のあやはずいぶん首元の開いた服を着てると思わないか?」
「そうか?あんなもんだろ」
あやの服を見て見るが俺には気になるほどの露出だとは思えなかった
極々一般レベルだろう
ネクタイを緩めながら寝室に向かうゼロを見送り、読んでたフリをしていた新聞に目を落としているといくらもしないでゼロが部屋着に着替え、白のニット素材のものを手にリビングに戻ってきた
俺が座っているソファの向かい側にニットを置いてキッチンへ向かったゼロ
食事の準備をしているあやの手伝いにでも行ったのだろう
対面キッチンの向こうに2人並んで準備しており、その様子は幸せそうだなと見ていて微笑ましかった
「れーくん、私これから仕事なの。ご飯一緒に食べたら仕事に行くから後片付けお願いしてもいい?」
「あぁ、分かった」
そんなやりとりをしながら食卓に食事を並べていく2人
俺は開いていた新聞をたたんでマガジンラックに直して食卓についた
食後、一旦寝室に行って上着を持ってきたあやが
「それじゃ、行ってくるね。ヒロゆっくりしていってね」
と行って玄関へ向かう
俺も見送ろうかと思ったが、先にゼロが席を立ったので見送りは諦め言葉をかけた
「仕事頑張れよ、あや」
「はぁい、行ってきます」
どうせ玄関先でまたゼロがベタベタとするに違いない
その様子を見るのはもうお腹いっぱいだ…と思いながらも2人の様子をリビングから伺うと予想通りゼロがあやを抱きしめて首元に顔を埋めていた
「っ…!」
あやの声に、ゼロがあやから離れる
「れーくん!」
「あや、虫にでも刺されたのか?周りに勘違いされたから困るだろ?トップス着替えて行った方じゃ良いんじゃないか?」
「ずいぶん大きい虫に刺されたみたいだわ。もぅっ」
「ソファにオフホワイトのトップスあるからそれに着替えたらいい」
「何で私のトップスがリビングにあるのかしら?」
「さぁ?」
あやのイヤミをものともせずしれっと言ってあやの後ろからリビングに戻ってくるゼロ
あやの首元を見るとゼロに付けられたのだろう、キスマークらしきものが見える
…こうやって自分の欲求を満たしつつも計画的に自分の思い通りの方向に持っていくんだ、ゼロは
ソファに置いてあった白のニット素材(先ほどの話によるとあやのトップスらしい)を手渡すゼロに溜息を吐きながらあやは受け取って寝室に入っていった
少しして出てきたあやが着ていたのは白のニットハイネック
これが先ほどの白のニット素材の正体だったようだ
その姿にゼロは納得したように頷き、あやを玄関にエスコートしていった
ゼロ的に肌の露出はこのくらいが望ましいらしい
見ていてアホらしくなってきたが、これが俺の目から見た降谷家の日常だ
あやの側にいるのは他の人に頼んで俺も出勤した方が…と話したのだが、先日の人質事件のせいでいつもより心配性になってるゼロはあやの側には信頼出来る人間以外は置きたくないらしく、あやに対して最も信頼のある俺をあやの元に置き、俺の庁舎での仕事はゼロが請け負っている
俺は2人で仕事をした方が早く帰れるんじゃないかと思うのだが、あやがゼロと一緒になってから1人暮らしをしている俺が淋しくならないようゼロなりに配慮してくれている部分もあるのだろう
あやと俺は双子で、生まれた時…いや、生まれる前からずっと一緒にいたのだ
あやが幼なじみと結婚してからは俺たち双子は当然ながら一緒にいられる時間が減っているのでこうして兄妹水入らずで過ごせる時間は正直ありがたい部分もあった
ピロリロリン
俺の側に置いてあったあやのスマホの通知音が鳴った
キッチンで晩ご飯の準備を始めていたあやが手を拭きながらスマホを見にこちらへ来たのでスマホを手渡してやる
「ありがと、ヒロ」
「ん」
手にしたスマホの画面に目を落としたあやが画面をタップして返信しているようだった
その様子を目の端に入れつつ俺はPCに向かっていた
「これかられーくん帰ってくるって」
スマホをテーブルに置き、晩ご飯の準備に戻ろうとしながらあやは言う
ゼロが戻ってくるなら俺はもうお役御免だろう
兄妹水入らずの時間も過ごしたし、これからは夫婦水入らずの時間を過ごして貰いたいし、正直2人の様子を見せつけられるのも兄としても親友としても少々複雑だ
作業を中断してPCをシャットダウンしてPCを直しているとキッチンから俺の様子を見たあやが出て来て俺の横に屈み込む
「ヒロ、ご飯食べていかないの?」
「ゼロ帰ってくるんだろ?俺も家に帰るよ」
「用事無いならヒロの分も用意してるから食べてって?私ご飯食べたら仕事に行くし、良かったらもっとゆっくりしていって?」
…ゼロは知ってるんだろうか?
これから自分と入れ替わりであやが仕事に行くことを
ゼロは今まで仕事を頑張ってきた分、今晩はあやを手放さず心ゆくまでベタベタするつもりで意気揚々と帰ってくるだろうと思う
そしてあやは分かっていない、ゼロのことを
これだけ長い間ゼロと一緒にいるのに何故ここで俺を引き留めるんだ…
我が妹ながら脳天気だなと思う
正直あやのご飯は食べていきたいのは山々だけどゼロのことを考えると俺は退散した方が良いだろう…と思い、荷物を手に立ち上がると玄関の鍵が開く音がした
…しまった、ゼロが帰ってきてしまったようだ
あやをチラリと見ると鍵が開く音が聞こえなかったのか眉尻を下げて俺を見ているので時すでに遅しと諦め、肩をすくめて荷物を床に下ろすとあやはホッとしたようにゆるりと口元を緩めた
ゼロを出迎えようかと廊下の先にある玄関の方に目をやると少し草臥れたように見えるゼロがリビングに入ってきた
「ただいま」
「あ!おかえりなさい、れーくん」
「ゼロお疲れさん」
「今まであやをありがとう、ヒロ」
俺の方を向いていたあやは玄関に背を向けて顔だけ振り返ってる状態だったのをゼロが後ろから抱きすくめてそのままあやの首元に顔を埋める
これは今まで数え切れないほど見てきたがゼロが言うにはあやの首元の匂いがたまらないらしく、あやと長い時間離れていると必ず最初にあやの首元に顔を埋めるので、ある種クセのようなものなのだろう
俺も学生の頃、ゼロからその話を聞いてあやの首元の匂いを嗅いだことがあるけど俺にはよく分からなかった
後々調べてみたら首元の匂いを良い匂いと感じたり、その匂いを好きだなと感じる人は本能的に合う人だという説もあるのでゼロにとってあやの首元の匂いは良い匂いなのだろう
「れーくんお疲れでしょ?寛いでもらうのに着替えてきて欲しいんだけど?」
「ん…」
返事はするけど動かないゼロに呆れた顔をするあや
俺はとりあえずソファに腰を下ろしマガジンラックに置いてあった経済新聞に手を伸ばした
あまりにも2人を見ていられなくなったら新聞で顔を隠そうと思う
「あやから甘い香りがする」
ようやくあやの首元から顔を上げたゼロがあやの肩に顎を乗せネクタイを緩めながら鼻をヒクヒクさせる
ゼロの頭が肩にあるせいで横を向けないあやは目だけゼロの方に向けて言う
「甘い香りなら新しいティントリップかな?」
「この香りは初めてのアイテムだな」
「そうなの。この前梓さんが教えてくれたブランドの買ってみたの。このティントリップね”キスプルーフ処方”でキスしても落ちないリップなんだって。下地も同じブランドで揃えてみたのよ」
「へー…」
あやが不用意に”キス”なんて言うもんだからゼロの目が輝いたじゃないか…
長年の付き合いの俺はこれからゼロがすることは手に取るように分かるのに、なぜ俺の双子の妹であるあやは分からなくてそんなに無防備なんだ…
自分の顔の真横にゼロの顔があるせいであやはゼロの顔が見えないんだろう、無防備に左の人差し指を自分の唇に当ててリップが指に移らない様子をゼロに見せようとするが何やら思いついてしまった様子のゼロは目にも止まらぬ早業であやの前に回り込み、両手であやの両頬を包み込んであやの唇に自分のソレを重ねる
「…ん…っ」
不意のキスだったせいか苦しそうな、それでいて少し色が入った声を出したあやに遠慮すること無くゼロはあやを離さない
既にゼロの中では俺の存在が無いのだろう
普段のゼロならば他人に対して絶対人目も憚らずな行為はしないのだが(あやしか見てないからゼロが他の人に手を出すことも無いが)どうもあやの前だけは人目を憚ることが出来ず思いの丈が溢れ出てしまうようだ
あやから離れてる時間が長ければ長いほどその傾向は強くなる
付き合ってた間もそうだったし、結婚して何年経っても現在進行形で変わらない
ゼロはあやに対して我慢ということが出来ないようだ
俺はソッと新聞を開いて隙間から2人の様子を伺う
本当は見てられないけど怖いもの見たさというか何というか…そばで堂々とラブシーンやられたら何となく気恥ずかしくも見てしまう…そんな気持ちだ
ただ、そのラブシーンを繰り広げているのが俺の双子の片割れと子どもの頃からの幼なじみであり親友なので見ていて気恥ずかしいどころか心底恥ずかしい部分もあるのでこうして新聞の隙間からコッソリと伺う感じになる
正直に言うと2人きりの時にしてくれ
そろそろ俺の存在を思い出して欲しいぞ、ゼロ!
咳払いでもして俺の存在をアピールすべきか?
あやに胸をドンドン叩かれても一切動じないゼロは自身が満足するまで堪能したんだろう、やっとあやから離れた
ずいぶん長い時間が経ったように感じるのは俺の居心地が悪いせいか…
穏やかな目をしたゼロが親指であやの唇を撫でて言った
「確かに落ちにくくはあるみたいだな」
…本当に2人きりの時にやってくれ!
俺は新聞に顔を隠して溜息を吐くとそれに気づいたあやが
「ごめんね、ヒロ。恥ずかしいとこ見せちゃって…。今ご飯の準備するからね」
と照れくさそうに言ってキッチンへパタパタと走って行く
その後ろ姿を愛おしそうな目をして見送ったゼロはようやく俺の方を見て言った
「今日のあやはずいぶん首元の開いた服を着てると思わないか?」
「そうか?あんなもんだろ」
あやの服を見て見るが俺には気になるほどの露出だとは思えなかった
極々一般レベルだろう
ネクタイを緩めながら寝室に向かうゼロを見送り、読んでたフリをしていた新聞に目を落としているといくらもしないでゼロが部屋着に着替え、白のニット素材のものを手にリビングに戻ってきた
俺が座っているソファの向かい側にニットを置いてキッチンへ向かったゼロ
食事の準備をしているあやの手伝いにでも行ったのだろう
対面キッチンの向こうに2人並んで準備しており、その様子は幸せそうだなと見ていて微笑ましかった
「れーくん、私これから仕事なの。ご飯一緒に食べたら仕事に行くから後片付けお願いしてもいい?」
「あぁ、分かった」
そんなやりとりをしながら食卓に食事を並べていく2人
俺は開いていた新聞をたたんでマガジンラックに直して食卓についた
食後、一旦寝室に行って上着を持ってきたあやが
「それじゃ、行ってくるね。ヒロゆっくりしていってね」
と行って玄関へ向かう
俺も見送ろうかと思ったが、先にゼロが席を立ったので見送りは諦め言葉をかけた
「仕事頑張れよ、あや」
「はぁい、行ってきます」
どうせ玄関先でまたゼロがベタベタとするに違いない
その様子を見るのはもうお腹いっぱいだ…と思いながらも2人の様子をリビングから伺うと予想通りゼロがあやを抱きしめて首元に顔を埋めていた
「っ…!」
あやの声に、ゼロがあやから離れる
「れーくん!」
「あや、虫にでも刺されたのか?周りに勘違いされたから困るだろ?トップス着替えて行った方じゃ良いんじゃないか?」
「ずいぶん大きい虫に刺されたみたいだわ。もぅっ」
「ソファにオフホワイトのトップスあるからそれに着替えたらいい」
「何で私のトップスがリビングにあるのかしら?」
「さぁ?」
あやのイヤミをものともせずしれっと言ってあやの後ろからリビングに戻ってくるゼロ
あやの首元を見るとゼロに付けられたのだろう、キスマークらしきものが見える
…こうやって自分の欲求を満たしつつも計画的に自分の思い通りの方向に持っていくんだ、ゼロは
ソファに置いてあった白のニット素材(先ほどの話によるとあやのトップスらしい)を手渡すゼロに溜息を吐きながらあやは受け取って寝室に入っていった
少しして出てきたあやが着ていたのは白のニットハイネック
これが先ほどの白のニット素材の正体だったようだ
その姿にゼロは納得したように頷き、あやを玄関にエスコートしていった
ゼロ的に肌の露出はこのくらいが望ましいらしい
見ていてアホらしくなってきたが、これが俺の目から見た降谷家の日常だ