【DC】Con te
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あやを車に乗せ、ヒロの待つマンションへ着く
車中でもほとんど話すことは無く、あやは車に乗ってから少しスマホをいじっていたがすぐ終わっていたのでヒロに連絡していたのだろう
あやと一緒の空間というのは言葉が無くても居心地が良かった
マンション前にあるコインパーキングに車を停め、あやと共に部屋に入るとヒロが出迎えてくれる
ドアを開けるとカレーの良い匂いがした
「おかえり、あや、ゼロ。お疲れさん」
「ヒロただいま。うれしー。カレーの匂いがする。お腹ペコペコー」
「お邪魔します」
カレーの匂いに誘われるかのようにフラフラとあやがキッチンへ向かっている様子を2人で見送って互いに顔を合わせ笑う
「俺まともに作れるのカレーしかないからな」
「知ってる、嬉しいよ」
「ゼロが家に来るの久々だし残業の後だからな。2人とも真っ直ぐ帰ってくるかなと思ったんだ。打ち合わせはとりあえず飯食ってからにしたらいい」
「あぁ、ありがとう」
カレーの匂いを嗅ぐ前までは全く空腹は気にならなかったが、カレーのスパイスの匂いは偉大だ、一気に空腹を感じる
ヒロに促されるままリビングに行くとジャケットを脱いだあやが3人分のカレーをよそっていて、その姿を見ていたら何だか胸がキュッとなり僕は目を細めた
ちょっと大雑把で大きな具がゴロゴロしていたカレーを食べた後、あやのお気に入りのアールグレイを飲みながら特務についての打ち合わせを始めようかとあやを見ると横にはヒロが座っており、2人同じタイミングで僕を見る
こういう事はこの2人に限っては良くあり(他の双子を知らないので何とも言えないが)2人のタイミングが合ったりするのは双子故か
2人は二卵性で性別差があると言えど顔の作りはよく似ていて兄妹共にストレートで涅色の髪、少しつり目で千草色の瞳
全体的にヒロは面長で、あやの顔の作りの方が柔らかく女性らしく全体的に丸い印象だがとてもよく似ている
2人は小学校に入る頃までは一卵性の双子の様に瓜二つで見分けが付かなかったと聞いている
ヒロとあやとは小学校低学年の頃に2人が引っ越してきてからの幼なじみなので知り合った時にもかなり似ている兄妹ではあったが2人が瓜二つと言われていた時期を僕は知らない
性別差があるがとてもよく似ている2人の大きな違いとしてはヒロは右利き、あやは左利きという事だろう
この世の中は左利きに不便な部分が多いので多少のことは右で出来るあやだが、咄嗟の時に左手が出ることが多いしご飯を食べる時、文字を書く時は左である
現在潜入している組織に僕が苦手と感じているライという男がいるが、そいつも左利きでそいつを見ていると潜入中で気を張らなくてはならない場面でもあやを思い出すから殊更苦手意識が倍増してるのは個人的な問題だ
特務は1週間後のイベント潜入
僕とあやで今回のターゲットが主催参加するホテルのパーティに潜入する
パートナー同伴必須でドレスコードのあるパーティだ
そのパーティはフロント企業の重役たちが情報交換をする為に年に一度行っているパーティであり、今回はそれらを一掃するのが目的だ
フロント企業というのはいわゆる暴力団が作った企業、及び暴力団に資金提供をする会社のことを言う
資金提供を受けている中には僕が潜入している組織B案件も含まれているのでここで少しでも金の流れを止めてダメージを与えたいところである
その中でも重要な、このパーティの主催者であり最大手フロント企業の最高役員であり国会議員でもある上山孝太郎の逮捕について絶対に失敗は許されない
ある程度の証拠は揃っていて後は現場確認(通称:現認)か、資金横流しのデータの入手という状況であり、その際上山は女好きなので事と場合によってはあやにハニートラップ(通称:ハニトラ)で時間稼ぎを…という上からの無言の圧力があった
僕としてはあやにそんな事をさせたくないのでそのようなことをさせずに済むように下準備をしっかりしておきたい
あやも管理官からその無言の圧力に気がついているから管理官室から退室した直後に大きなため息を吐いたのだと思う
それをあの場でうまい具合に気持ちを反らせることが出来たかは些か微妙なところではあるが、事務室に戻ってからのあやの仕事っぷりを見ているとうまく反らせたんだろうと思っている
―――
僕は中学の頃からあやへは恋心を抱えていてその当時からあの手この手でアクションを起こしているが本人には全く伝わらず、双子の兄妹であるヒロの方が早々に気付き僕らのやりとりや反応を面白がって見守ってくれていた
ヒロとしてはお互いの気持ち次第だから自分が協力するつもりも反対するつもりもないとのことで完全傍観をしてくれている
今朝の間接キスも僕なりの表現で今まであやに対して何度もやってきているのだがあやは照れる割にそのことをすぐ忘れるのか何なのかこういう事をする僕のこの長年の思いに全く気がついてくれない
お互いに危険な組織に潜入しているし、関係を深めてあやの特別になりたい気持ちはあるにはあるが、この年になると今更これ以上深めることはキッカケでも無ければ難しい
現状維持でもそれなりに慣れてしまっているしあやに他の男性の影もないから安心しているのかもしれない
時々双子の兄妹であるヒロに対して嫉妬してしまう了見の狭い時もあるが、それでも年齢を重ねると互いの関係性が変化することに対して臆病になるのだ
―――
あやとは特務前日に最終打ち合わせ予定だ
それまでに僕の方で全ての段取りを済ませるつもりだったがそれはあやには伝えない
特務の資料も全て僕が預かったのであやも当然気がついている
しかし、それについてあやは何も言わない
言っても僕が突っぱねることを良く知っているからだ
こういう時、旧知の仲というのはありがたいものだとつくづく思う
◇◆◇
車中でもほとんど話すことは無く、あやは車に乗ってから少しスマホをいじっていたがすぐ終わっていたのでヒロに連絡していたのだろう
あやと一緒の空間というのは言葉が無くても居心地が良かった
マンション前にあるコインパーキングに車を停め、あやと共に部屋に入るとヒロが出迎えてくれる
ドアを開けるとカレーの良い匂いがした
「おかえり、あや、ゼロ。お疲れさん」
「ヒロただいま。うれしー。カレーの匂いがする。お腹ペコペコー」
「お邪魔します」
カレーの匂いに誘われるかのようにフラフラとあやがキッチンへ向かっている様子を2人で見送って互いに顔を合わせ笑う
「俺まともに作れるのカレーしかないからな」
「知ってる、嬉しいよ」
「ゼロが家に来るの久々だし残業の後だからな。2人とも真っ直ぐ帰ってくるかなと思ったんだ。打ち合わせはとりあえず飯食ってからにしたらいい」
「あぁ、ありがとう」
カレーの匂いを嗅ぐ前までは全く空腹は気にならなかったが、カレーのスパイスの匂いは偉大だ、一気に空腹を感じる
ヒロに促されるままリビングに行くとジャケットを脱いだあやが3人分のカレーをよそっていて、その姿を見ていたら何だか胸がキュッとなり僕は目を細めた
ちょっと大雑把で大きな具がゴロゴロしていたカレーを食べた後、あやのお気に入りのアールグレイを飲みながら特務についての打ち合わせを始めようかとあやを見ると横にはヒロが座っており、2人同じタイミングで僕を見る
こういう事はこの2人に限っては良くあり(他の双子を知らないので何とも言えないが)2人のタイミングが合ったりするのは双子故か
2人は二卵性で性別差があると言えど顔の作りはよく似ていて兄妹共にストレートで涅色の髪、少しつり目で千草色の瞳
全体的にヒロは面長で、あやの顔の作りの方が柔らかく女性らしく全体的に丸い印象だがとてもよく似ている
2人は小学校に入る頃までは一卵性の双子の様に瓜二つで見分けが付かなかったと聞いている
ヒロとあやとは小学校低学年の頃に2人が引っ越してきてからの幼なじみなので知り合った時にもかなり似ている兄妹ではあったが2人が瓜二つと言われていた時期を僕は知らない
性別差があるがとてもよく似ている2人の大きな違いとしてはヒロは右利き、あやは左利きという事だろう
この世の中は左利きに不便な部分が多いので多少のことは右で出来るあやだが、咄嗟の時に左手が出ることが多いしご飯を食べる時、文字を書く時は左である
現在潜入している組織に僕が苦手と感じているライという男がいるが、そいつも左利きでそいつを見ていると潜入中で気を張らなくてはならない場面でもあやを思い出すから殊更苦手意識が倍増してるのは個人的な問題だ
特務は1週間後のイベント潜入
僕とあやで今回のターゲットが主催参加するホテルのパーティに潜入する
パートナー同伴必須でドレスコードのあるパーティだ
そのパーティはフロント企業の重役たちが情報交換をする為に年に一度行っているパーティであり、今回はそれらを一掃するのが目的だ
フロント企業というのはいわゆる暴力団が作った企業、及び暴力団に資金提供をする会社のことを言う
資金提供を受けている中には僕が潜入している組織B案件も含まれているのでここで少しでも金の流れを止めてダメージを与えたいところである
その中でも重要な、このパーティの主催者であり最大手フロント企業の最高役員であり国会議員でもある上山孝太郎の逮捕について絶対に失敗は許されない
ある程度の証拠は揃っていて後は現場確認(通称:現認)か、資金横流しのデータの入手という状況であり、その際上山は女好きなので事と場合によってはあやにハニートラップ(通称:ハニトラ)で時間稼ぎを…という上からの無言の圧力があった
僕としてはあやにそんな事をさせたくないのでそのようなことをさせずに済むように下準備をしっかりしておきたい
あやも管理官からその無言の圧力に気がついているから管理官室から退室した直後に大きなため息を吐いたのだと思う
それをあの場でうまい具合に気持ちを反らせることが出来たかは些か微妙なところではあるが、事務室に戻ってからのあやの仕事っぷりを見ているとうまく反らせたんだろうと思っている
―――
僕は中学の頃からあやへは恋心を抱えていてその当時からあの手この手でアクションを起こしているが本人には全く伝わらず、双子の兄妹であるヒロの方が早々に気付き僕らのやりとりや反応を面白がって見守ってくれていた
ヒロとしてはお互いの気持ち次第だから自分が協力するつもりも反対するつもりもないとのことで完全傍観をしてくれている
今朝の間接キスも僕なりの表現で今まであやに対して何度もやってきているのだがあやは照れる割にそのことをすぐ忘れるのか何なのかこういう事をする僕のこの長年の思いに全く気がついてくれない
お互いに危険な組織に潜入しているし、関係を深めてあやの特別になりたい気持ちはあるにはあるが、この年になると今更これ以上深めることはキッカケでも無ければ難しい
現状維持でもそれなりに慣れてしまっているしあやに他の男性の影もないから安心しているのかもしれない
時々双子の兄妹であるヒロに対して嫉妬してしまう了見の狭い時もあるが、それでも年齢を重ねると互いの関係性が変化することに対して臆病になるのだ
―――
あやとは特務前日に最終打ち合わせ予定だ
それまでに僕の方で全ての段取りを済ませるつもりだったがそれはあやには伝えない
特務の資料も全て僕が預かったのであやも当然気がついている
しかし、それについてあやは何も言わない
言っても僕が突っぱねることを良く知っているからだ
こういう時、旧知の仲というのはありがたいものだとつくづく思う
◇◆◇